2014.07.19

異国で輝く日本のジュニア…U-14 Jリーグ選抜が世界ユース大会で決勝進出

アグレッシブな姿勢と高い技術でチームを引っ張る川崎の宮代 (C) 山口剛生/Agence SHOT

 40年の歴史を誇り、「ワールドユースカップ」の別名を持つ大会「ゴシアカップ」がスウェーデン・ヨーテボリ市にて開催されている。世界73カ国、1600余りのチームがB11(11歳以下男子)、G19(19歳以下女子)といった具合に複数のカテゴリーに分かれて頂点を競う。その大会に日本からは今年、U-14 Jリーグ選抜とセレッソ大阪U-16の2チームが参加した。

 7月14日に開幕した同大会。B16のカテゴリーに出場したC大阪U-16は惜しくも決勝トーナメント4回戦で敗退となってしまったが、B15という一歳年長のカテゴリーにエントリーしたJリーグ選抜は快進撃を見せている。18日の準決勝では、100年以上の歴史を誇る地元ヨーテボリ市の名門クラブ・エルグリーテと対戦。激しい戦いの末に、これを下して決勝進出を決めた。

 Jリーグ選抜は、Jクラブのアカデミーチームに所属する選手から幅広く選考された急造のセレクションチーム。この場を通じて国際経験を積んでより大きく成長することを願い、毎年各年代別に編成されている。今大会で言えば、エース格のFW宮代大聖は川崎フロンターレ、攻守の軸になっているMF前田泰良は鹿島アントラーズ、1対1に滅法強いDF篠田憲政はアビスパ福岡、守護神の北條大地はカマタマーレ讃岐のアカデミーに所属している選手たちといった具合だ。

 チームを率いる原田武男監督(V・ファーレン長崎)は急造チームである前提も踏まえて「戦術を詰める時間はない。『まず戦える選手になれ』言ってきた」と選手たちを鼓舞してきた。それでも、ボールを保持しながら機動的に攻め、攻と守の切り替えを素早く行っていくという“日本人らしいサッカー”は自然と出てくるもの。そして、そんなチームが欧州の観衆を魅了している。

 たとえば宮代のテクニックは地元の観衆にも知られてきたため、ボールを持つだけで会場の空気が変わる。準々決勝ではドリブルからの鮮やかなミドルシュートで先制点を奪い、終了間際の勝ち越し点も彼の4人抜きドリブルを端緒としたものだった。準決勝でも1-0からの貴重な追加点をボレーで叩き込み、まさにエースの働きを見せている。前田、菅原由勢(名古屋グランパス)の両ボランチを核とするボール回しにも、急造とは思えぬ連動性が出てきた。準決勝の前半では「バイタル(エリア)でやりたい放題できた」と原田監督も納得のパフォーマンスを見せた。

 試合の中で積み上げている国際経験も貴重なものだ。

「いきなり殴られた!」
「なんか知らんが、ツバを吐きかけられた」

 日本でのクリーンな戦いとは明らかに違う、そんな戦いがピッチでは行われている。特に南米勢との試合と、準決勝で当たった地元・エルグリーテ戦では多くの学びがあった。その準決勝では本当に何もしていなかった篠田が退場するという“アウェイの笛”も経験した。「体は本当に強いです」と苦戦しつつも、大型選手に対する間合いの取り方を工夫し始めるなど、技術的にも経験値を積み上げる機会となっている。

 日本時間の19日夜、Jリーグ選抜はTSVハフェルゼ(ドイツ)とのファイナルを迎える。「絶対に優勝旗を日本に持ち帰ります」とムードメーカーの菅原は言う。たぶん優勝旗はなくてカップしかないとは思うが、ここまで来たからには、彼らが国際経験だけではなく「勝利経験」も積み上げることを期待している。

文・取材/川端暁彦

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