昨年12月のプレミアリーグ参入戦。得点を決めて祝福を受ける東山FW鎌田（右から2人目）[写真]=川端暁彦
文＝川端暁彦
4月6日より全国各地で高円宮杯U-18プレミアリーグが開幕する。
同大会は高校年代の最高峰リーグと位置付けられるもので、全国をEASTとWESTの2ブロック（各10チーム）に分割して行われており、今季で4年目を迎える。ホーム＆アウェイの2回戦総当たり制を導入し、4月から12月までの長丁場で行われることが大きな特徴だ。サッカーの指導者たちは育成年代におけるリーグ戦の重要性を早くから指摘し、その実現に努めてきた。その一つの形が、このリーグと言える。
選ばれたチームしか参加できないこのリーグ。別に下部リーグに好選手がいないわけではないが、このリーグにいる選手のクオリティーが押し並べて高いことは言うまでもない。今回は6日に始まる同大会の注目選手を「開幕前ベストイレブン」という形で一望してみたい。なお、「1チーム1名」の縛りを設けている。
まずGKで推したいのは市立船橋高校の志村滉。2年生だった昨季から活躍を続けており、「1試合に2本は決定機を止めろ」というコーチからの過酷な指示を実践してきたビッグセーバーである。意外に足元も器用で、現代的な選手だ。U-18日本代表候補に一度だけ“かすった”経験を持つが、以降は代表歴がない。ただ、いつ呼ばれても不思議はないタレント性の持ち主である。
右SBでは（左もこなすが）、神戸U-18の攻撃派・藤谷壮の名前が挙がるだろう。1年生だった昨季も非凡なプレーを見せてきた。一度、このコーナーでも取り上げさせてもらっている（リンクhttps://www.soccer-king.jp/news/youthstudent/20140206/166762.html ）。先日のU-19日本代表候補合宿にはU-17世代ながら飛び級で招集を受けるなど、評価のほうも追い付いてきた。左SBには、流経大柏高校の小川諒也を選んでおきたい。CBもこなす高い身体能力が最大の武器で、左足の力強いキックも印象的。全国でも指折りの選手だろう。
CBは札幌U-18の進藤亮佑。体格的にはCBとして標準的なものだが、ボールを動かす能力があり、FKを蹴り込めるほどのキックの技術を持つ。昨夏の日本クラブユース選手権でのプレーぶりがJFA関係者の目にとまり、高い評価を受けるようになった選手だ。相方には、その素材感を買って三菱養和ユースのDF池田樹雷人（じゅらと）を選んだ。彼も左利き。中距離を飛ばすロングキックは一つの武器で、空中戦でも強さを見せる。ルーズな部分が出るときもあるが、魅力も多い選手だ。
守備的MFでは昨年のU-17ワールドカップでも活躍した三竿健斗（東京Vユース）が外せない。タフな守りと確かな繋ぎを兼ね備える稀少なタイプだ。もう一人はU-17日本代表の中山雄太（柏U-18）。代表ではCBをこなしている選手だが、チームでは現在2列目の攻撃的な位置に挑戦中。左利きで技術も高いが、馬力もある選手で、観ていても「どのポジションがいいんだろう？」と迷ってしまうような万能型である。アタッカータイプでは、京都U-18の奥川雅也。切れ味鋭いドリブルで敵陣を食い破るタレントだ。
前線は3枚。まずは大会No.1の呼び声も高い清水ユースの北川航也。彼も既に一度紹介した選手である（リンク https://www.soccer-king.jp/news/youthstudent/20140122/163883.html ）。その脇にはまず鹿島ユースの突撃王・鈴木優磨を入れておきたい。高い身体能力に加えて旺盛な闘争心を備えた鹿島ユースらしさ満点のFWである。最後の一人は昇格組の東山高校を引っ張る鎌田大地。高度なスキルに加えて勝負強さも備える技巧派は、複数のJクラブが注目している高校サッカー新シーズンの目玉候補である。
GK
志村 滉（市立船橋高校）
DF
藤谷 壮（神戸U-18）
小川 諒也（流経大柏高校）
進藤 亮佑（札幌U-18）
池田 樹雷人（三菱養和ユース）
MF
三竿 健斗（東京Vユース）
中山 雄太（柏U-18）
奥川 雅也（京都U-18）
FW
鈴木 優磨（鹿島ユース）
北川 航也（清水ユース）
鎌田 大地（東山高校）
以上、11名を選んでみた。
……とはいえ、明らかに名前を挙げ損なっている注目選手が多数いることは自覚しているし、これは間違いない。ぜひ、読者の皆さんも自分の目で、グラウンドで戦う彼らの中から未来のJリーガーを見付けてほしい。
詳しい大会日程はこちら。
http://www.jfa.or.jp/match/league/2014/takamadonomiya18/premier/index.html
