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U-17代表、杭州に敗戦…曖昧な位置付けのチームに見えた散漫さ/サニックス杯

2014.03.22

文=川端暁彦

 サニックス杯国際ユース大会が20日、福岡県宗像市のグローバルアリーナを舞台に開幕した。

 海外から4チームを招待し、日本の高校サッカー、Jクラブの強豪チームも全国各地から招いて開催されるこの大会には、U-17日本代表も参加している。

 同代表は1997年1月1日以降に生まれた選手たちが選考対象。MF鈴木徳真(前橋育英高校)、坂井大将(大分トリニータU-18)といった昨年のU-17ワールドカップを経験している選手たちも複数含まれた編成となっている。また、先日のヤマザキナビスコカップでトップチームデビューを飾ったMF杉森考起(名古屋グランパス)も、試合翌日から強行軍で合流している。

 大会のグループステージでは、U-17タイ代表、ディナモ・バルナウル(ロシア)、杭州緑城(中国)の3チームと対戦。タイ、バルナウルに連勝して早々に決勝トーナメント行きを決めたものの、杭州緑城との第3戦では相手のパワフルなサッカーに苦戦。圧倒的にボールを支配したものの、“回せども崩せず”。逆に少ないチャンスを決められて失点。ポゼッションスタイルの典型的な負けパターンで、0-1で敗れた。これにはチームを率いる内山篤監督も「止まっている選手に(パスを)出しているばかりで怖さがなかった」と渋い顔を浮かべるばかり。ピッチから相手の声しか聞こえてこない覇気に乏しい試合内容は何とも残念だった。

 このU-17代表はちょうど東京オリンピックを狙う世代に当たるチームだが、近い目標でも3年後のU-20ワールドカップ。直近の目標がない。内山監督もU-19日本代表のコーチが“本職”であり、こちらの監督業はピンチヒッターとしての起用だった。全体にチームとしての散漫さがあり、それがゲームにも出ていたのは否めない。

 とはいえ、せっかく「代表」として集まるのに、何となく試合をこなしてしまうのは、いかにももったいない。位置付けが曖昧なチームの大会だからといって、その空気に選手が流されても何も良いことはない。世代最高レベルの選手が集まる機会など、そうあるものではないのだ。もっと意見をぶつけ合って、自分を高めていく場にしてもらいたい。

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