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「気持ち」で掴んだ初勝利…高校選抜がU-18 Jリーグ選抜を撃破

2014.02.22

決勝点を決めた木戸皓貴 [写真]=浦正弘

文=川端暁彦

「FUJI XEROX SUPER CUP」の試合前に行われる親善試合として、U-18 Jリーグ選抜と日本高校サッカー選抜が対戦する「NEXT GENERATION MATCH」が、22日に国立競技場にて開催された。

 過去の対戦では一度も勝利を記録できていなかった高校選抜だが、今回の対戦ではJリーグ選抜を立ち上がりから押し込んだ。「去年はなあなあでやっている部分があったけれど、今回は『勝つぞ』ということでまとまっていた」とDF高橋壮也(立正大淞南高校→サンフレッチェ広島)が語ったように気迫も十分。19分にはDF竹澤昂樹(富山第一高校→駒澤大学)のロングパスを受けたFW木戸皓貴(東福岡高校→明治大学)が見事なボレーシュートを叩き込み、早々に試合の主導権を握った。

 J選抜はMF中野雅臣(東京ヴェルディユース)が「距離感が悪かった」と嘆いたように、効率的にパスがつながらない。過去のJ選抜は急造と言っても、年代別日本代表が実質的なベースとなっているチーム編成であることが多かったのだが、今回のチームは昨年のU-17ワールドカップの日本代表で落選していた選手がむしろ中心。パサー中心だった“96ジャパン”には入れなかった個人での突破が魅力の選手が居並んだ前半の3トップは象徴的だが、どうにも全体としての噛み合わせ、狙いどころに統一感を欠いた。結果として、“急造チームらしい”プレーに終始することとなった。

 過去の高校選抜は数日の選考合宿を経ているとは言っても、大学に進む高校3年生たちは選手権後にいったん実戦から離れている実質的“オフ明け”状態。実戦から離れてパフォーマンスを落としているのが例年のパターンで、一歳年長のアドバンテージを感じることは少なかった。今回も「(富山は)ずっと雪だったので、室内で体を動かしていただけ」(竹澤)という選手たちが多かったのだが、そこは「気持ち」(竹澤)でカバー。またJリーグに進むDF北谷史孝(興国高校→横浜F・マリノス)らの奮戦も際立ち、落ち込みを感じさせたのは、北谷が交代で下がった終盤の時間帯のみ。チームパフォーマンスとしてJ選抜を上回り、木戸の1点を守り切る形で、1-0のまま勝利を収めた。

 高校選抜はこのあと一度解散し、3月に再集合。静岡での国内大会に出場し、4月からデュッセルドルフ国際ユース大会に臨む。伝統あるハイレベルな国際大会で“高校サッカー”の力を試すこととなる。

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