2014.02.19

欧州と南米の育成の違い ブラジル人が世界中で活躍する理由と王国のメソッド

 育成における、世界のトップシーンはヨーロッパにある。

 自前で選手を育て、トップチームに送り込む。チームのフィロソフィーを、幼い時から体に染み付かせるため、選手を買ってくるよりもスムーズに入っていくことが出来る。

 その筆頭が、FCバルセロナ。ビクトールバルデス、ピケ、チャビ、イニエスタ、セスクなどなど、下部組織で育て上げトップチームで活躍しているスターたちの名前がたくさん挙がる。まるで一つのクラブのあるべき理想の姿のように語られることが多い。

 では、なぜ、ブラジルから補強してまでネイマールを加入させたのか。ここ10年に限っても、べレッチ、シウビーニョ、ロナウジーニョ、エジミウソン、マックスウェル、たくさんのブラジル選手が活躍している。以前よりも下部組織出身選手をさらに重視しいている昨今でも、その流れは変わらない。2012年10月のエルクラシコでは、バルセロナの出場選手は、13人中4人が南米出身の選手。同じく2013年10月においてその数は6人に増えている(メッシを含む)。

 この事実は、ヨーロッパのトップレベルの育成においても、自前では南米出身のような選手を育てられていないということだ。

 南米出身の選手は、個性も持ちつつチームのやり方に合わせられる能力を持っている。南米の中でも特にブラジル出身の選手は、世界中で活躍している。ヨーロッパ各国、北米、中南米、そしてアジア。日本においてもたくさんのブラジル人選手がプレーしている。昨年Jリーグベストプレーヤーの一人に数えられた、レオ・シルバ(アルビレックス新潟)も王国ブラジルが育て上げた好選手だ。

 ブラジルとヨーロッパの育成の最大の違いとして、ブラジルは選手をスカウトする際に、チームのカラーに沿った選手をピックアップするが、その後の育成はチームのスタイルに選手を当てはめるような育て方をしないところにある。

 コーチによって手法や特徴は異なるが、選手の自主性やアイデアを尊重する。特にブラジルは、コンセプトや戦術ありきではなく、個人の成長を促すために、選手それぞれに合わせて違う促しを施していく。手を変え品を変え多角的にアプローチする。ヨーロッパに比べると恵まれた環境ではないこともあるが、育成のプロフェッショナルたちが目の前の選手がパッと花開く瞬間を信じ、我慢強く繰り返し続けていく。

 例えばガンバ大阪の加地亮。彼は元ブラジル代表の右サイドバックのジョルジーニョを育てたエドゥー元日本代表コーチ(ジーコの実兄)にサイドバックとしての能力を見込まれ、サイドのステップワークやクロスボールの球質・タイミングを叩き込まれ急激に成長した。また、クルピ前セレッソ大阪監督の下で、香川真司、清武弘嗣、乾貴士、柿谷曜一朗らが躍動したのは、単なる偶然ではない。クルピ前監督が才能を信じ、チャンスを与え続けた。そして時には厳しい言葉で間違いを正した。まるで父親のように、選手に接していったことはあまりに有名である。

 ブラジルの育成は情熱と愛情を持って選手の個性を大きく育て、磨き上げるような指導である。それが、世界中の様々な国で活躍するブラジル人選手を生み出し続ける、サッカー王国のメソッドなのだ。

文=小林弘典(クルゼイロ・ジャポン指導部門責任者)

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