2014.01.04

物議をかもす決勝点も結果は妥当 四日市中央工がリベンジ果たす

第92回全国高校サッカー選手権大会 3回戦 四日市中央工-桐光学園
篠幸彦(フリーライター) 取材・文

14年1月3日(金)/12:05キックオフ/神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場/観客6668人/試合時間80分

四日市中央工 1 ( 1-0、0-0 ) 0  桐光学園

得点者
(四日市中央工)
森島(前半31分)

 昨年2回戦の再現となった名門同士の注目カードは、前半31分に四中工14森島司がGK17白坂楓馬との1対1を冷静に沈めて先制点。その後も16小林颯、14森島という1年生コンビを中心に中盤を支配。桐光学園はロングボールを放り込みパワープレーを試みるも、4坂圭祐にことごとく跳ね返され、1-0で四中工がリベンジを果たした。

 前回大会の2回戦の再現となった名門校同士の対戦。前半31分の14森島司のゴールで1ー0とし、四中工にとって昨年と同じ三ツ沢でリベンジを果たした試合となった。

ただ、この得点が少し物議をかもすゴールとなってしまった。そのシーンを振り返ると、四中工6大辻竜也が右サイドからロングボールを入れ、中盤中央で14森島が目の前のDFを交わすため、足先でボールをDFの頭上へコントロールすると、そのボールが桐光学園守備陣の裏へこぼれる。こぼれた手前にいた17井出川純がボールに一瞬反応したが「オフサイドポジションだというのがわかってスピードを緩めた」(17井出川)とすぐにスピードダウン。この瞬間に副審のフラッグが上がったため、「確実にオフサイドかなと思って足を止めてしまった」(桐光学園・4宮野剛)。しかしホイッスルは鳴らされなかった。14森島はここぞとばかりに、桐光学園の選手を追い越すようにボールタッチ。そのまま持ち込み、相手GKとの1対1を冷静に決めた。

四中工からすると「自分たちに運が向いていた」(四中工・4坂)であり、桐光学園からすると「いちばん残念な終わり方」(桐光学園・鈴木勝大監督)と受け入れ難いもの。それがこの試合唯一の得点なのだからなおさらだ。納得のいかない桐光学園側はレフェリーに詰め寄り、コーチが退席処分になる一幕もあった。

確かにこの得点が勝敗を分けてしまったことは事実なのだが、試合内容としてもこの結果は妥当であった。「ちょっとびっくりするくらい選手たちがのびのびと戦ってくれたと思いますね」と樋口士郎監督がいうように、四中工が主導権を握りながらゲームは進められた。特に1.5列目16小林颯とボランチ14森島のコンビネーションが面白いようにハマった。

「食いついてくるので、ワンタッチのフリックとかを入れて、相手をあざ笑うという意識でやっていこうというのはありました」(14森島)と桐光学園の素早い寄せが、テクニックとアイデアに優れる1年生コンビを、水を得た魚のように生き生きとプレーさせてしまった。「あいつらがボールを持って、相手を揺さぶってくれるので自分が生きる」(17井出川)と、2人にDFが引きつけられることで周りの選手はより楽にプレーができた。

 一方、桐光学園は「センターバックを引き出して背後を取る」(鈴木監督)という四中工の高いDFラインの裏を狙う意図を持って長めのボールを入れた。実際に前半12分、2関根陸のフィードに、2列目の7池田友樹が裏に抜け出して決定機を迎える。しかしシュートは大きく枠を外してしまった。

「決めるべきところで決めていればここまでゲームが難しくなることはなかった」と鈴木監督は悔しがる。桐光学園が狙った形らしい形を作れたのはこの一度のみだった。2トップや前線で一緒に並ぶようにポジションを取った両サイドハーフの動きは、単調で四中工守備陣を混乱させるまでには至らなかった。その狙いが逆に「2トップに対して少しロングボールが多かった」(鈴木監督)と攻撃に偏りが生じてしまい、「DFとしては楽」(4坂)な状況を作っていた。

さらに「5中島駿はキックの精度が高いので蹴らせたくないというのはありました」(樋口監督)と、17井出川がチェイシングに奔走することで精度の高いフィードを簡単には送らせなかったことも桐光学園の攻撃を難しくさせた要因だった。

「本当にいい状態で1対1という場面はほとんどなかった」(樋口監督)という四中工の集中が最後まで切れることはなかった。試合後、4坂が「終わった瞬間は肩の力が抜けた」と語るほど、特に去年を知る選手にとっては大きなリベンジを果たし、ベスト8進出を決めた。

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