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「明日の朝は学校!」「英国新記録」「歴史的初白星」…先週の各国リーグで輝いた“若手”たち

2022.09.20

左からムココ、ヌワネリ、パッラディーノ [写真]=Getty Images

 先週の欧州サッカー界では、これ以上ないほど若手の活躍が目立った。それでは、各リーグでどんな記録が生まれたのか見ていこう。

[写真]=Getty Images

■プレミアリーグ

イーサン・ヌワネリ

 まずは、何と言ってもプレミアリーグで生まれた最年少記録だろう。18日のブレントフォード戦で終了間際に途中出場したアーセナルのU-17イングランド代表MFイーサン・ヌワネリが、「15歳181日」でプレミアリーグの最年少出場記録を樹立した。

 これまでの最年少記録は、当時フルアムに所属していたハーヴェイ・エリオット(現リヴァプール)が2019年5月に打ち立てた「16歳30日」。それを1歳近くも更新するという、信じられないような新記録となった。出場時間は3分ほどだったが、今後に期待が持てる超新星のデビュー戦となった。

 15歳をピッチに送り出せるのは、今季ここまで首位をキープしている好調チームに許された特権とも言えるだろう。3-0のリードを奪って上機嫌だったアーセナルのサポーターもヌワネリを大歓迎。「明日の朝は学校、明日の朝は学校!」と陽気なチャントを送った。もちろん、彼らはすぐに気づいたはずだ。翌朝、ヌワネリが学校に登校しないことを。19日(月)は崩御したエリザベス女王の国葬のため、英国の学校はどこも休校になったのだ。

■北アイルランド

 北アイルランドでは、ヌワネリの記録がかすんで見える“イギリス記録”が生まれた。今月13日に行われた北アイルランドのリーグカップ1回戦で、1部リーグに所属するグレンエイボンのクリストファー・アサートンが後半途中から出場。なんとアサートンは「13歳329日」でピッチに立ったのだ。これは北アイルランドのみならず、英国プロフットボール界の最年少記録。1980年にブラックプールのイーモン・コリンズが打ち立てた「14歳323日」を42年ぶりに更新したことになる。

 しかも、75分から投入されたアサートンは、最初のタッチでチームの6点目をアシストした。普段グレンエイボンのアカデミーに所属しているアサートンだが、既に昨シーズンから何度かトップチームの練習に呼ばれていたそうだ。「昨年、トップチームの練習に招いたが、他の選手と比べて遜色なかった」と、グレンエイボンのギャリー・ハミルトン監督も絶賛。同選手のプレースタイルについて聞かれたハミルトン監督は、比較対象としてワールドクラスの若手選手の名前を出した。

「ストライカー、両ウィング、トップ下、セントラルMFとしてもプレーできる。アサートンは自らゴールも決めるが、何より視野の広さに驚かされる。(マンチェスターCの)フィル・フォーデンのような感じだろうね。ボールを持ったら非常にうまいし、スペースを見つけることもでき、ゴールまで決める。フォーデンと同じとは言わないが、タイプは似ている。このまま順調に成長すれば、彼は世界中のどのクラブでもプレーできるだろう」

■ブンデスリーガ

ユスファ・ムココ

 ブンデスリーガで2年ぶりに開催されたドルトムントとシャルケによる“レヴィア・ダービー”でも新たな記録が生まれた。今月17日の注目の一戦で、アウェイのシャルケは劣勢ながらも、日本代表DF吉田麻也を中心に何とか無失点で耐えていた。しかし、79分に決勝ゴールを奪われてしまい、0-1で宿敵の前に屈した。その決勝点を決めた選手が、ドルトムントのU-21ドイツ代表FWユスファ・ムココだ。

 ムココは昨年11月に「16歳1日」でブンデスリーガ最年少出場記録を打ち立てた逸材である。既にドルトムントで結果を残しており、これまでブンデスリーガで36試合7ゴール。その7点目が、ブンデスリーガのレヴィア・ダービーにおける最年少ゴール記録となる、今回の「17歳301日」でのゴールなのだ。

 ムココはその他にも、ブンデスリーガ最年少ゴールやチャンピオンズリーグ最年少出場、U-21ドイツ代表最年少出場など様々な最年少記録を保持している。

■チャンピオンズリーグ

アントニオ・ヌサ

 ムココが最年少出場記録を持つチャンピオンズリーグ(CL)でも若い才能が輝きを見せた。今月13日に行われたグループステージ第2節のポルト対クラブ・ブルッヘで、超新星が見事なゴールを決めたのである。クラブ・ブルッヘに所属するU-17ノルウェー代表FWアントニオ・ヌサが「17歳149日」でゴールネットを揺らして4-0の勝利に貢献したのだ。CLデビュー戦となったヌサは75分に投入されると、終了間際の89分、敵のDFラインの裏に抜け出して冷静にフィニッシュ。

 バルセロナのFWアンス・ファティが持つ「17歳40日」には惜しくも届かなかったが、ヌサはCL歴代2位の得点者となった。ちなみにCLの最年少ゴールのトップ10には、マテオ・コヴァチッチ(現チェルシー)、セスク・ファブレガス(現コモ)、ボージャン・クルキッチ(現ヴィッセル神戸)、ジュード・ベリンガム(ドルトムント)、アーロン・ラムジー(現ニース)などの名選手が名を連ねている。

■ラ・リーガ

オーレリアン・チュアメニ

 スペインでは18日に“マドリード・ダービー”が行われ、レアル・マドリードが敵地で2-1の勝利を収めて今季公式戦での全勝をキープした。その注目の一戦でFWロドリゴの先制ゴールをアシストしたのが22歳のフランス代表MFオーレリアン・チュアメニ。今夏にモナコから加入したチュアメニは、これがラ・リーガで2度目のアシストとなった。少々強引だが、21世紀に入ってからのラ・リーガのアトレティコ・マドリード戦でアシストを記録したレアル・マドリード史上2番目に若い選手だそうだ。ちなみに最年少は13年前のカリム・ベンゼマで当時21歳だった。

■セリエA

ラッファエレ・パッラディーノ

 セリエAの最年少記録は、最年少といっても「38歳」だ。今季、クラブ史上初のセリエAに昇格したモンツァは、開幕5連敗を喫する苦しいスタートを切り、今月13日に監督を交代。54歳のジョヴァンニ・ストロッパを解任し、同クラブでユースチームを率いていたラッファエレ・パッラディーノをトップチームの監督に昇格させた。

 パッラディーノは現役時代にユヴェントスやパルマなどで活躍した元イタリア代表の38歳。2019年まで選手だった彼がトップチームの監督を務めるのは今回が初めて。ジョゼ・モウリーニョやルチアーノ・スパレッティ、マウリツィオ・サッリといった熟練の名将たちが手腕を振るう、今シーズンのセリエAにおいて最年少監督となったのだ。

 するとパッラディーノは、初陣となった18日のセリエA第7節で古巣であるユヴェントスをホームに迎えて見事に勝利。モンツァにセリエAでのクラブ史上初勝利をもたらすと共に、ユヴェントスに今季リーグ戦の初黒星をつけた。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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