2018.10.23

世界を見据えるベトナムサッカーのカギを握る11人

サッカー総合情報サイト

文・写真=宇佐美淳(アジアサッカー研究所)
Text and photo by Jun USAMI(Institute for Future Asian Football)

AFC U-23選手権 準優勝の立役者

Nguyen Quang Hai
グエン・クアン・ハイ(ハノイFC)

AFC U−23選手権でチーム最多5得点を挙げてベトナム準優勝の立役者になったグエン・クアン・ハイ [写真]=宇佐美淳

ハノイFC育成組織で数々のチーム&個人タイトルに輝き、“神童”や“若き王”と呼ばれた時代を経て、今やベトナムで最も重要な選手の一人になった。2018年のAFC U-23選手権では、チーム最多5得点を挙げてベトナム準優勝の立役者に。今シーズンの国内リーグで首位を独走したハノイFCでも自慢の左足でチームを牽引。攻撃的な技術は総じてクオリティーが高いが、最大の武器は鋭く曲がるフリーキック。Jリーグやタイ、欧州、南米のクラブも獲得に興味を示しており、最近ではレノファ山口FCが獲得オファーを出して話題になった。

力強く進化したスーパースター

Nguyen Cong Phuong
グエン・コン・フオン(ホアン・アイン・ザライ)

かつてJ2水戸ホーリーホックに在籍していたグエン・コン・フオン [写真]=宇佐美淳

“ベトナムのメッシ”の異名でおなじみのスーパースター。“黄金世代”と呼ばれた、かつてのU-19ベトナム代表の絶対的エース。2016年にはベトナム1部ホアン・アイン・ザライからJ2水戸ホーリーホックに期限付き移籍したが、開幕前にケガで出遅れたこともあり、レギュラー奪取はならなかった。ベトナム復帰後は、日本での挫折からフィジカル強化に取り組み、うまく、力強いストライカーに変貌。“英雄”レ・コン・ビンが引退した後の“代表の顔”として、ふさわしい選手に成長を遂げつつある。

愚直にゴールを狙うスピードスター

Nguyen Van Toan
グエン・バン・トアン(ホアン・アイン・ザライ)

現在のベトナム代表ではスーパーサブでの起用が目立つグエン・バン・トアン [写真]=宇佐美淳

“スピードスター”という形容が最も似合う。右サイドを主戦場とし、縦への推進力に優れたアタッカーで、元ベトナム代表三浦俊也監督(前ホーチミン・シティ監督)からも高く評価されていた。現在のベトナム代表では、スーパーサブでの起用が目立つ。一瞬の加速で、対峙する相手を置き去りにして、バイタルエリアに侵入する。裏への飛び出しやシュートへの意識が強く、愚直にゴールを狙い続ける。

女性ファンをとりこにする若き守護神

Bui Tien Dung
ブイ・ティエン・ズン(FLCタインホア)

女性ファンの間で人気の高いブイ・ティエン・ズン [写真]=宇佐美淳

U-20ワールドカップ、AFC U-23選手権、アジア競技大会でも活躍した若き守護神。少数民族ムオン族で、弟も代表候補。ベトナム代表クラスをそろえた選手層の厚いFLCタインホアでは、正GKの座を確固たるものにしているとは言い難いが、アンダー世代の代表チームでは、安定感のあるセービングと勇気のある飛び出しで、存在感を発揮。U-23代表フィーバーでベトナム国内が盛り上がる中、そのルックスの良さも相まって、多くの女性ファンをとりこにしている。

精度の高いキックで局面を打開する司令塔

Luong Xuan Truong
ルオン・スアン・チュオン(ホアン・アイン・ザライ)

1本のパスから局面を打開できるルオン・スアン・チュオン [写真]=宇佐美淳

広い視野と精度の高いキックを持ち、中盤の底からゲームをコントロールする司令塔で、1本のパスから局面を打開することができる。華麗なパスサッカーを標榜するホアン・アイン・ザライにおいて、最も代えが利かない選手。過去2シーズンは、韓国1部の仁川ユナイテッド、江原FCに期限付き移籍。リザーブリーグでは結果を残したが、トップチームでは定位置を獲得できず、今シーズンからベトナムに復帰。昔から海外志向が強く、語学に堪能なことでも知られる。

欧州クラブも注目する大型左サイドバック

Doan Van Hau
ドアン・バン・ハウ(ハノイFC)

2017年のASEAN最優秀若手選手、ドアン・バン・ハウ [写真]=宇佐美淳

18歳の若さでA代表のレギュラーをつかんだ185センチの大柄な左サイドバック。2017年のASEAN最優秀若手選手。豊富な運動量とスピードを生かした抜け出しで、攻撃にアクセントをつける。守備でも一対一に強く、フィジカル自慢のVリーグのアフリカ人ストライカーたちとも互角に渡り合う。U-20ワールドカップやAFC U-23選手権でもレギュラーとして活躍し、国際大会での経験が非常に豊富。ダイナミックな攻撃参加と、若さに似合わぬ老練な守備技術を併せ持ち、ヨーロッパのクラブも獲得に関心を示す逸材。

代表チームを再建した国民的英雄

Park Hang Seo
パク・ハンソ(ベトナムA代表/U-23代表監督)

ベトナム代表の監督を務めるパク・ハンソ [写真]=宇佐美淳

フース・ヒディンク監督の右腕として韓国代表のアシスタントを務めた経験豊富な指導者(写真左)。2017年10月にベトナム代表監督に就任。同年夏のSEA Gamesでグループリーグ敗退という苦い挫折を味わったベトナムを、わずか数カ月の間に見事に立て直した。チームの競争意識を刺激し、ハードワークを徹底させたことが奏功して、AFC U-23選手権では準優勝を達成。戦術面では、それまでベトナムがこだわってきたポゼッション重視の戦術を放棄し、カウンター主体に切り替え。これが見事にはまって結果を残したことで、選手たちのメンタリティーが劇的に変化した。その功績により、ベトナムで国民的英雄の扱いを受けており、彼を帰化させようという声まである。

ドイツ仕込みの理論派指導者

Hoang Anh Tuan
ホアン・アイン・トゥアン(U-19ベトナム代表監督/PVFヘッドコーチ)

U-19ベトナム代表監督のホアン・アイン・トゥアン [写真]=宇佐美淳

ベトナムで唯一のドイツサッカー連盟A級ライセンス保持者。ベトナムをU-20ワールドカップ初出場に導いた理論派監督として知られ、昨年からはサッカーアカデミー「PVF」のヘッドコーチも務めている。ドイツ仕込みのエリート参謀として、ベトナム代表のコーチに招へいされることも多い。指揮官としての顔は、現実的なアプローチを好むタイプ。堅守速攻のスタイルで、アジアの舞台を戦ってきた。近い将来、ベトナム人がA代表の指揮を執るなら、彼以外に適任はいないだろう。

フットサル界からVリーグまで幅広く貢献

Tran Anh Tu
チャン・アイン・トゥ(VPF会長兼社長)

Vリーグを運営するベトナムプロサッカー株式会社「VPF」の会長兼社長を務めるチャン・アイン・トゥ [写真]=宇佐美淳

今年のAFCフットサルクラブ選手権で準優勝したタイソンナムFCの会長で、ベトナムサッカー連盟フットサル委員長も務めているため、“フットサル畑の人”というイメージが強い。だが、長年にわたるフットサル界での貢献が高く評価されて、昨年末、Vリーグを運営するベトナムプロサッカー株式会社「VPF」の会長兼社長に抜擢された。Vリーグでは以前から、ラフプレーの横行や、低レベルな審判、八百長の存在などが問題視されており、新会長の下でリーグ運営の改善に向けて改革を進めている。

若手育成に力を注ぐ元日本代表監督

Philippe Troussier
フィリップ・トルシエ(PVFテクニカルダイレクター)

今年8月にPVFのテクニカルダイレクターに就任したフィリップ・トルシエ [写真]=宇佐美淳

元日本代表監督のフランス人指導者(写真右から2人目)。今年8月にPVFのテクニカルダイレクターに就任した。PVFはベトナム屈指の強豪アカデミーで、国内外の大会で幾度となく優勝している。卒業生の中にはすでにVリーグでプレーしている者も多く、年代別のベトナム代表も多数輩出。トルシエ氏は現在、ベトナムのワールドカップ初出場を目指して未来の代表選手を育てることを理念に掲げる同組織で、日々、若手育成に励んでいる。

若手育成に積極投資するクラブオーナー

Doan Nguyen Duc
ドアン・グエン・ドゥック(ホアン・アイン・ザライ会長)

若手育成に積極投資してきたドアン・グエン・ドゥック [写真]=宇佐美淳

農業・不動産開発大手ホアン・アイン・ザライのオーナーで、ベトナム1部ホアン・アイン・ザライFCの会長。グエン・コン・フオンらを育てたHAGLアーセナルJMGアカデミーを下部組織に開設するなど、若手育成に積極投資してきた。会長が情熱を注ぐサッカーは順調だった一方、HAGLグループはこの数年、経営危機にあった。しかし、政府の働き掛けもあり、自動車組み立て生産大手チュオンハイ(THACO)の全面的支援を受けることが決まり、破綻を回避した。

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  • 発売日:2018年10月17日

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