爆買いの象徴でもある上海上港のオスカル(左)やフッキ(中央)[写真]=Getty Images
中国の夏の移籍市場が19日にオープンした。だが、近年注目を集めている”爆買い“は影を潜めるかもしれない。
中国サッカー協会(CFA)は今シーズン開幕前の1月16日、自国出身選手の育成と自国リーグの発展および代表チームの成長促進のため、中国スーパーリーグにおける外国籍選手枠の削減を発表。以前までは外国籍選手枠「4」+アジアサッカー連盟(AFC)加盟国籍選手枠「1」だったが、AFC加盟国籍選手を含めて「3」に縮小された。外国籍選手の保有上限数は「5」のままとなったが、ベンチ入りメンバーに23歳以下の中国籍選手2名以上を登録し、1名以上の先発出場を義務付けている。
5月には“爆買い”への規制を強めた。イギリスメディア『BBC』によると、CFAは巨額な投資による浪費に歯止めをかけるため、外国籍選手の移籍金に100パーセントの税金を課すことを決定。この夏の移籍市場から対象となるようで、税金は政府のサッカー発展基金に納められるという。
中国は前回の冬の移籍市場で総額3億3100万ポンド(約470億円)を投じ、プレミアリーグ20クラブの総額2億1500万ポンド(約305億円)を超えて世界一となった。最高額はチェルシーから上海上港へ移籍したブラジル代表MFオスカルで6000万ポンド(約85億円)。これが今回の移籍市場だと、移籍金と同額の税金を払わなければいけないため、オスカル獲得には倍の1億2000万ポンド(約170億円)が必要ということになる。
これまで、マンチェスター・Uのイングランド代表FWウェイン・ルーニーや、チェルシーのスペイン代表FWジエゴ・コスタ、ドルトムントのガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤンなど、ビッグネームの中国移籍が相変わらず報じられているが、規制強化により移籍市場の動きに影響が出る可能性は高い。
中国の夏の移籍市場は6月19日から7月14日の約1カ月。“爆買い”が終焉を迎えるのか、それとも、規制を物ともしない大型投資でビッグネームの移籍が実現するのか。今夏の中国の動きに注目が集まる。
By サッカーキング編集部
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