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大会連覇を狙うスペイン代表のメンバー構成から見えるデル・ボスケの思惑とは?

2014.06.02

大会連覇を狙うスペイン代表デル・ボスケ監督 [写真]=Getty Images

 今月12日に開幕するワールドカップで、連覇を狙うスペイン代表のメンバーがついに出揃った。スペイン代表の今回のW杯のメンバー選考は、少し変わったプロセスが採られた。ビセンテ・デル・ボスケ監督はまず、先月13日に予備登録リスト30名を発表したものの、その直後にバイエルンのMFチアゴ・アルカンタラが負傷離脱したため、メンバーは29名に変更された。

 デル・ボスケ監督はさらに、現地30日に行われたボリビア代表との国際親善試合に向けては、チャンピオンズリーグ決勝を戦い終えたばかりのレアル・マドリードとアトレティコ・マドリードの8選手に加え、ユヴェントスのFWフェルナンド・ジョレンテ、マンチェスター・CのFWアルバロ・ネグレドおよびMFヘスス・ナバスの3選手がリストから除外。その一方で、故障が完全に回復していないJ・ナバスの代わりとして、来シーズンはローン先のエヴァートンからバルセロナに戻ってプレーするFWジェラール・デウロフェウを追加招集し、19名でテストマッチに臨んだ。

 そして、ボリビア代表を2‐0で下した一戦から一夜明けた現地31日、デル・ボスケ監督はついに最終メンバー23名を発表。一旦招集リストを外れた首都2チームの8選手からは、故障がまだ完全に回復していないアトレティコのFWジエゴ・コスタおよびDFフアンフランを含む7選手がメンバーに戻る一方、レアルのDFダニエル・カルバハルが落選。同様に、ジョレンテ、ネグレド、J・ナバスも返り咲きはならなかった。また、デウロフェウも最終メンバーには残れず、これにセビージャのDFアルベルト・モレーノおよびアスレティック・ビルバオのMFアンデル・イトゥラスペを加えた3選手がリストから漏れた。

 デル・ボスケ監督は今回、チームの最大の武器である中盤のメンバーを厚くする反面、通常4名を準備するサイドバックには、フアンフランにバルセロナのDFジョルディ・アルバおよびチェルシーのDFセサル・アスピリクエタを加えた3名のみを選出。アスピリクエタが両サイドバックをこなせるうえ、レアルのDFセルヒオ・ラモスやバイエルンのMFハビ・マルティネスも同ポジションをこなせることから、メンバーを絞った模様だ。

 一方、J・ナバスもデウロフェウもリストから外れたため、サイドアタッカー・タイプの選手はバルセロナのFWペドロのみとなった。このデル・ボスケ監督の判断が吉と出るのか凶と出るのか、大会では少なからず注目を集めそうだ。

 また、最大の関心事となっていた前線のメンバー争いは、状態が不安視されているジエゴ・コスタが招集される一方、ジョレンテとネグレドが落選し、アトレティコのFWビジャとチェルシーのFWフェルナンド・トーレスがメンバー入りするという、大方の予想通りの決着となった。これにより、センターフォワード3名は、アトレティコの新旧ストライカーで固められる形となった。

 なお、3選手の中でスタメン最右翼と見られているジエゴ・コスタは、「状態はかなり良くなってきた。来週のエルサルバドル戦には出場できると期待している」と現地7日に行われるW杯前最後のテストマッチでの実践復帰に自信を見せ、長らく代表を離れていたものの昨年のコンフェデレーションズカップに続き大舞台で招集を受けたトーレスは、「誰とでもポジションを争う」とレギュラー奪取への決意を示した。

 一方、当落線上にいると見られながらも最終リストに入ったビジャは、アトレティコとは今月一杯で満了する契約を延長せず、噂されているニューヨーク・シティ移籍を決意したことを暗に認めるなど、W杯前に自身の去就を固めている。

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