パリオリンピック2024で開催中のサッカー競技
イギリスメディア『スカイスポーツ』は28日、国際オリンピック委員会(IOC)がサッカー競技を男女同じチーム数参加させるのは難しいと回答したと報じた。
オリンピック(五輪)におけるサッカー競技は、男子が1900年、女子が1996年から導入された。男子は全団体競技のなかで唯一、最多16チームの参加が認められており、女子は男子よりも4チーム少ない12チームで行われている。
『スカイスポーツ』によれば、国際サッカー連盟(FIFA)は五輪の参加機会(チーム数)を男女平等にし、女子も男子に合わせて12チームから16チームへ拡大したい意向を持っているという。
しかし、IOCは『スカイスポーツ』の取材に対し、「男子サッカーは例外であり、IOC現幹部が尊重する長年の合意に基づき、16チームが参加する唯一の団体競技になっている」と声明を送り、「女子サッカーのチーム数を増やすことは、他のチームスポーツからの要望を誘発する可能性があり、大会のコスト、複雑性、規模、持続可能性に大きな影響を与える可能性がある」と、チーム数増加に否定的な見解を示したようだ。
パリオリンピック2024は、史上初めて男女同数の出場枠で開催されるなど、ジェンダー平等を理念の一つに掲げている。28日にパリで行われたIOCの記者会見でも、サステナビリティー担当ディレクターであるマリー・サロワ氏が『スカイスポーツ』からの質問に対し、「方向性は定まっています。我々は“過程”の途中であり、これからも続けていく必要がある」と、サッカー競技の男女格差(参加チーム数)をなくしたいという願望があることをほのめかしていた。
だが、『スカイスポーツ』がIOCから受け取ったという声明には、「IOCはコストと複雑性を軽減するため、オリンピックを一定の枠組み内に収めて開催することに取り組んでいます。パリオリンピック2024の選手枠は10,500人に設定されています。一般的なルールとして、いずれかの国際競技連盟が出場枠を増やしたい場合、IOCはその競技に割り当てられている既存の出場枠から割り当てるか、もしくは他の競技の出場枠を削らなければなりません。パリ五輪ではそれが不可能だったため、(男女異なる)出場枠が設けられています」と書かれており、今後女子サッカーの出場枠を拡大する“過程”には、大きな障壁が残っていることが明確に記されていたようだ。
なお、パリ五輪のチケットはすでに870万枚以上売れており、これまでの最多記録である830万枚(1996年アトランタ大会)を更新している。16チームが参加する男子サッカーは、大きなスタジアムで開催されるうえ、試合数も多く、人気競技の一つのため、同競技のチケット販売は有力な収益源となっている。
By サッカーキング編集部
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