アタランタではEL初優勝に貢献したムッソ [写真]=Getty Images
アトレティコ・マドリードは27日、アタランタからアルゼンチン代表GKフアン・ムッソが完全移籍加入することを発表した。
契約期間は2024-25シーズン限りの2025年6月30日まで。スペインメディア『マルカ』によると、150万ユーロ(約2億4000万円)での有償レンタル契約が結ばれたという。また、契約には一定の出場時間数を得た場合の買い取り義務が含まれており、完全移籍へ移行する場合の移籍金は700万ユーロ(約11億円)の見込みだ。なお、背番号は「1」に決まった。
アトレティコ・マドリードのゴールマウスには長年にわたってスロベニア代表GKヤン・オブラクが君臨している。昨シーズン前半戦はクロアチア代表GKイヴォ・グルビッチがバックアッパーを務めていたものの、同選手は今年1月にシェフィールド・ユナイテッドへ完全移籍。同時期に入れ替わりで完全移籍加入したルーマニア代表GKホラツィウ・モルドヴァンは、今夏の移籍市場でサッスオーロへ買い取りオプション付きのレンタル移籍へ出ていた。このような状況から、アトレティコ・マドリードは経験豊富なバックアッパーの確保を目指していたが、現役のアルゼンチン代表GKを迎え入れることが決定。ムッソは、これまでどんな状況でも定位置を譲らなかったオブラクに“挑戦状”を叩きつける立場として、“ロヒブランコス”に加わる。
既にアトレティコ・マドリードへの入団記者会見も行われており、『マルカ』がその様子を伝えた。そのなかで、ムッソは移籍を決めた理由、オブラクとの定位置争い、そして“恩師”であるディエゴ・シメオネ監督への思いなどを次のような言葉で語った。
「歓迎してくれた会長に感謝したい。アトレティコに来るという選択肢があると聞いて、迷う必要はなかった。多くのアルゼンチン人が在籍しているだけでなく、世界最高レベルのアトレティコでプレーすることができるのだからね。僕にとって大きなチャレンジではあるけれども、夢が叶った気分だよ。イタリアでのキャリアも素晴らしいものだったけど、アルゼンチン人にとって、アトレティコでプレーすることは特別なことなのさ。温かい歓迎に対して、僕は自らの献身性とエネルギーで応えられたらと思う」
「このクラブに来たことを決めた理由は簡単で、1番は“挑戦”があるからさ。僕のキャリアはここまで決して順風満帆なものではなかった。けれども、周囲に誇れるものを成し遂げられていると思っているし、競争相手のレベルについてはもちろん理解しているけれども、ここで世界最高のGKと競い合いたい。アトレティコのようなビッグクラブならば、ヤンのようなレベルのGKがいるのは当然のこと。僕はクラブに手を貸すために、個人として競争するために、そしてチャンスを生かすためにここに来た。アタランタを去るのは難しかったけれど、このチャンスを逃すことはできなかった。良いシーズンになることを願っているよ」
「彼(シメオネ監督)とは加入前にメッセージでやり取りをした。彼は、ラシンの育成組織にいた16歳の僕をトップチームのプレシーズンに連れて行ってくれた存在だ。彼のもとでプレーしたこともあるし、彼がどのようなチームを作り、選手に何を求めるかは少なからず理解している。彼が必要としていることはアトレティコが必要としていること。その要求に応えることこそ僕に与えられた役割で、ピッチの上で全力を尽くしたい」
ムッソは1994年5月6日生まれの現在30歳。母国の名門ラシン・クラブでキャリアをスタートさせ、2018シーズンより定位置を確保すると、同年夏にウディネーゼへ完全移籍加入。欧州上陸1年目のシーズン途中から守護神として活躍を続け、ウディネーゼでは3年間の在籍で公式戦通算104試合に出場した。
2021年夏には、トッテナムへ移籍した元イタリア代表GKピエルルイジ・ゴッリーニの後釜としてアタランタへ完全移籍し、即座に正GKに定着。だが、昨季からはイタリア代表GKマルコ・カルネセッキにポジションを譲ることも多くなっていた。それでも、昨季はヨーロッパリーグ(EL)で正守護神を務め、初優勝に大きく貢献。今季も14日に行われたUEFAスーパーカップのレアル・マドリード戦(●0-2)、19日に行われたセリエA開幕戦のレッチェ戦(○4-0)には出場していたが、開幕直後のタイミングで新天地を求めることとなった。アタランタでは公式戦通算99試合でゴールマウスを守った。
また、2019年3月にはアルゼンチン代表デビューも飾る。以降は正GKとして活躍しているわけではないものの、コパ・アメリカ2019と2021ではメンバーに選出されており、これまで国際Aマッチ通算2試合に出場。9月のインターナショナルマッチウィークでもメンバーに選出されていた。
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