初先発となった一戦で
セリエA第17節が23日に行われ、ユヴェントスとフロジノーネが対戦した。
4シーズンぶりのスクデットに向けて、今季のユヴェントスは悪くないスタートを切った。15日に行われた前節ジェノア戦は1-1と勝ちきれなかったものの、現在は11試合負け無しを維持。11勝4分わずか1敗という成績で、首位を走るインテルを勝ち点差「4」で追っている。今節はここまで5勝4分7敗のフロジノーネと敵地で対戦。ユヴェントスはアドリアン・ラビオが2試合ぶりにスターティングメンバーに復帰したが、フェデリコ・キエーザはひざを痛めた影響で今節の出場を回避している。
試合は序盤の12分に動く。ユヴェントスは高い位置で網を張り、ハイプレスでフロジノーネのビルドアップを捕まえに行くと、GKステファノ・トゥラーティが蹴り出したボールをフィリップ・コスティッチが回収。縦に繋ぐと、ボールを受けたケナン・ユルディズは細かいタッチで相手の間をドリブルで切り裂く。ペナルティエリア左からニアサイドを撃ち抜き、ユヴェントスが先制に成功。トップチームで初スタメンに抜擢された新星が、セリエAでの鮮烈な初ゴールを記録した。
幸先良く先手を取ったユヴェントスだったが、25分にはアクシデントが発生。アレックス・サンドロが足を痛めてプレー続行不可能となり、代わってフェデリコ・ガッティがピッチへ送り出される。ガッティは3バックの右に入り、A・サンドロが務めていた左のポジションにはダニーロが回ることとなった。対するフロジノーネも30分、アルカディウシュ・ミリクとの1対1対応で右足を負傷したポル・リロラが交代を要求。急きょハイメ・バエズが投入された。
前半はこのままユヴェントスの1点リードで終了。後半に入ると立ち上がりの51分、スクランブルで出場したバエズが大仕事をやってのける。フロジノーネは敵陣へ押し込んだ状況の中でパスを繋ぎ、攻撃の隙を探ると、右サイド大外に張っていたバエズが一瞬の動き出しでコスティッチの背後へ抜け出す。ボックス右でイラーリオ・モンテリージからのスルーパスを呼び込むと、飛び出してきたGKヴォイチェフ・シュチェスニーの位置を見て冷静に流し込み、フロジノーネが試合を振り出しに戻した。
同点に追い付かれたユヴェントスはここからチャンスの数を増やしていく。63分には右サイドでボールを持ったウェストン・マッケニーがクロスボールを送ると、ミリクが頭で繋ぎ、途中出場のドゥシャン・ヴラホヴィッチがボックス内でボールをキープ。強靭なフィジカルを活かして相手を振り切り、強引に左足を振ったが、シュートはGKトゥラーティに阻まれる。続く75分にはヴラホヴィッチのポストプレーから、左サイドを駆け上がったラビオがクロスボールを供給。ニアサイドで相手に先に触られたものの、ルーズボールはファーサイドで待っていたマッケニーの元へ。ジャンピングボレーを狙ったものの、強烈な一撃はクロスバーに嫌われた。
攻め込みながらも勝ち越しゴールを挙げられないユヴェントスだったが、81分には途中出場のストライカーが自らの仕事をやってのける。81分、敵陣右サイド深い位置でロングフィードを引き出したマッケニーが、ティモシー・ウェアとのパス交換から右足でクロスボールを放り込む。このボールがボックス内で待っていたヴラホヴィッチの頭にピタリ。相手2枚と競り合いながらも、高いジャンプからのヘディングシュートでゴールネットを揺らした。ヴラホヴィッチの4試合ぶり今季6点目で、ユヴェントスが勝ち越しに成功した。
勢いに乗ったユヴェントスは89分、敵陣左サイドで前を向いたサミュエル・イリング・ジュニオールからのスルーパスで最終ラインの背後へ抜け出したヴラホヴィッチが左足で強烈な一撃を叩き込む。ヴラホヴィッチのゴールでトドメを刺したかに思えたが、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)チェックの末にオフサイドが確認され、得点は認められない。それでも、ユヴェントスは最後まで1点のリードを守り切り、このままタイムアップの笛が吹かれた。
ユヴェントスはセリエAで2試合ぶりの白星を記録。ホームゲームではここまで5勝2分1敗と好成績を残し、19日に開催されたコッパ・イタリアのラウンド16ではナポリを4-0で破るなど、勢いに乗っていたフロジノーネを破った。
次節、ユヴェントスは30日にホームでローマと、フロジノーネは29日に敵地で鎌田大地所属のラツィオと、それぞれ対戦する。
【得点者】
0-1 12分 ケナン・ユルディズ(ユヴェントス)
1-1 51分 ハイメ・バエズ(フロジノーネ)
1-2 81分 ドゥシャン・ヴラホヴィッチ(ユヴェントス)
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