2018.01.23

【コラム】台頭する“二世”たち…クリスティアン・カンナヴァーロ、その実力やいかに

ファビオ・カンナヴァーロ
2006年にイタリア代表としてW杯を制したカンナヴァーロ氏 [写真]=Getty Images
イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

 昨シーズンから名プレーヤーの“二世”がセリエAでデビューすることが多くなった。前線ではフィオレンティーナに所属する23歳のジョバンニ・シメオネ(アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督)と、20歳のフェデリコ・キエーザ(元イタリア代表のエンリコ・キエーザ氏)、すでに父子対決を果たしたボローニャのフェデリコ・ディ・フランチェスコ(ローマのエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督)らが次世代を担う注目株だ。シメオネは第21節までにチーム最多の7得点を叩き出しており、キエーザもここまで4得点。23歳のディ・フランチェスコもすでにゴールを決めている。

 しかし、注目は前線の選手だけではない。虎視眈々とセリエAデビューを狙っているのが18歳のクリスティアン・カンナヴァーロだ。1999年生まれの代表的な選手といえばミランのGKジャンルイジ・ドンナルンマだが、クリスティアンも同じ99年組である。そして、あのアッズーリのキャプテンも務めたファビオ・カンナヴァーロ氏を父に持つ。2006年のFIFAワールドカップ ドイツで当時7歳だったクリスティアンは、父の雄姿を見つめていた。叔父は昨年末で現役を引退したパオロ・カンナヴァーロ氏。パオロは広州恒大(中国)のファビオ監督の下で指導法を学ぶ選択をした。

 父も叔父もそうだったように、カンナヴァーロ・ファミリーの伝統はセンターバック。だが、クリスティアンは右サイドバックを務めている。叔父であるパオロの縁でサッスオーロのプリマヴェーラにいたが、今シーズンからベネヴェントに移籍した。2018年の元旦、自身のSNSにアップされたスリーショットでは、口元から鼻筋にかけてが親子そっくりだ。

 もちろん新天地・ベネヴェントでの戦いが厳しくなることは、本人も分かっている。「トリノ、マドリード、ドバイと父は様々な街でプレーしてきたが、その度に僕は父に付いていった。各地で僕もゼロからスタートしなければならなかった。学校にサッカー……。持続力という問題点もある。今のサッカーのプレーについてもそうだ」と自らを冷静に分析した。

 ベネヴェントの下部組織で指導するディエゴ・パレルモ氏も「名字は関係ない」と、特別扱いはしない構えだ。2月にはイタリア国外からも数々のクラブが参加するユースチームの登竜門、ヴィアレッジョ・カップが行われる。この大会には多くのスカウトたちが“宝”を発掘すために集まってくる。もちろんクリスティアンがどのようなプレーをするかによって、今後の道のりが変わってくるだろう。

 06年に世界一となったイタリア代表の選手たちが、監督として着々とその地位を高めていくのにシンクロして、二世選手たちがトップチームで成長していく。ロシアW杯出場権こそ逃したが、イタリアサッカー界の未来は明るいと信じたい。

文=赤星敬子

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