正式監督としては2年間ドルトムントを率いたテルジッチ監督 [写真]=Getty Images
ドルトムントは13日、同クラブを率いるエディン・テルジッチ監督の辞任を発表した。
クラブの発表によると、テルジッチ監督側から即時契約解除の申し出があり、クラブとの話し合いの結果、要求に応じることを決断したという。
現在41歳のテルジッチ監督は、若くして選手から指導者へと転身した人物。2010年夏にドルトムントの一員となり、当時はユルゲン・クロップ監督が率いるチームのスカウトを担当。その傍らで、ドルトムントの各年代アカデミーチームのコーチや監督も務めた。
一時期はスラヴェン・ビリッチ氏の右腕としてベシクタシュやウェストハムでアシスタントコーチを務めたが、2018年夏に当時のリュシアン・ファーヴル監督のアシスタントコーチとしてドルトムントへ復帰。2020年12月、成績不振によりファーヴル監督が解任されると、暫定監督を託され、2020-21シーズンはDFBポカール優勝と翌シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に導いた。
その後、2021年夏にマルコ・ローゼ監督が就任すると、本人の希望によりコーチングスタッフには残らず、テクニカルディレクター(TD)に就任。ドルトムントは2021-22シーズンのブンデスリーガを2位で終えたものの、わずか1年で双方合意のもとでローゼ監督との契約解除が発表。後任には大きな注目が集まったが、テルジッチ氏が正式監督の座に就いていた。
2022-23シーズンはブンデスリーガで最後まで優勝を争ったが、最終節のアウクスブルク戦を2-2のドローで終えたことにより、土壇場でバイエルンに首位の座を明け渡した。ブンデスリーガ2位、CLベスト16、DFBポカールベスト8という成績でテルジッチ体制1年目を終えると、2023-24シーズンはブンデスリーガで5位、DFBポカールはベスト16と、国内での成績は今ひとつだったが、CLではドルトムントを11シーズンぶりに決勝の舞台へ導いた。ただし、決勝では素晴らしい戦いを見せながらも、レアル・マドリードに0-2で敗北。1996-97シーズン以来、27年ぶりの優勝とはならなかった。
辞任に際し、テルジッチ監督はクラブを通してコメントを発表。「親愛なるボルシアの皆さんへ」と題し、自らの率直な心境を記すとともに、クラブの“進化”を考えた上で今回の決断を下したことを明かした。
「正直、今の心境はとても辛いものですが、今日をもってドルトムントを退団することをお知らせします。この偉大なクラブをDFBポカールで優勝へ導き、今季はチャンピオンズリーグ決勝の舞台で戦えたことは、私にとって大きな名誉でした」
「ウェンブリーでのCL決勝の後、私はクラブの責任者たちに話し合いの場を要求しました。ドルトムントでの10年間、そのうち5年間はコーチングスタッフの一員として、そして2年半は監督として働いてきました。このクラブが新しいスタートを切るためには、タッチラインの外に立つ新たな人物が必要だと感じたのです」
「私を知る人なら誰でも知っていると思いますが、この数週間、私は2つの思いを持って戦ってきました。ですが、このような話し合いの後でも、私の人間としての基本的な気持ちは変わっていません。私はボルシア・ドルトムントのベストを祈るだけなのですから。『さようなら』とは言うつもりはありません。ヘヤ、BVB!」
By サッカーキング編集部
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