ブンデスリーガ史に名を刻むスピードスターたち [写真]=Getty Images
ドルトムントのドイツ代表FWカリム・アデイェミが、ブンデスリーガにおける最速スプリント記録を打ち立てた。
アデイェミは今月4日の第19節フライブルク戦に先発出場すると、後半の立ち上がりにチームの2点目を奪って5-1の勝利に貢献した。同試合で若きアタッカーは、スルーパスを追いかけて左サイドを疾走し、「時速36.65キロメートル」という圧倒的なスピードを披露。選手の走行スピードが集計されるようになった2011-12シーズン以降のブンデスリーガで歴代最速記録を打ち立てたのだ。
もちろん、ブンデスリーガには他にも多くのスピードスターがいる。それではブンデスリーガの歴代スピードランクのトップ10を見てみよう。
■10位:ナタン・ングム(ボルシアMG) 時速36.17km
10位にはフランス出身の快速ウインガーがランクイン。22歳のFWナタン・ングムは、昨夏フランスのトゥールーズから5年契約でボルシアMGに加入すると、自慢の快足を飛ばしてサイドを疾走している。U-21フランス代表歴を持つアタッカーは、ブンデスリーガ初挑戦ながら11月のウニオン・ベルリン戦で「時速36.17キロメートル」という驚異的な俊足を披露。今シーズンに限ればリーグ3位となるスピードを記録した。
■9位:アーリング・ハーランド(元ドルトムント)時速36.30km
9位に入ったのはノルウェーの“怪物”だ。今季イングランドのマンチェスター・Cでゴールを量産して次々に記録を更新しているFWアーリング・ハーランドは、全てを兼ね備えたストライカーだ。身長195センチメートルの高さとフィジカル、プレミアリーグで得点ランクを独走する圧倒的な決定力。それだけではなく欧州屈指のスピードまで併せ持つのだ。
ドルトムント時代の昨年3月には、昨季のスピードランクで4位となる「時速36.30キロメートル」の快足を披露。しかも、試合終盤にそれを記録したのだから、やはりハーランドは“怪物”以外の何物でもない。
■8位:ケヴィン・シャーデ(元フライブルク)時速36.37km
9位のハーランドに続き、8位にもプレミアリーグに活躍の場を移した選手がランクイン。U-21ドイツ代表FWケヴィン・シャーデは、今年1月にフライブルクからブレントフォードに移籍。最初は期限付き移籍契約だが、夏にブレントフォードのクラブ記録となる2500万ユーロ(約35億円)で完全移籍に移行する予定だ。
そのシャーデはフライブルク時代の昨シーズン、第10節グロイター・フュルト戦で「時速36.37キロメートル」のスピードを見せつけた。新天地ブレントフォードでは途中出場に留まっているが、今後が楽しみなドイツのスピードスターである。
■7位:シェラルド・ベッカー(ウニオン・ベルリン)時速36.39km
7位にランクインしたのは、今季バイエルンやドルトムントと熾烈な優勝争い演じているウニオン・ベルリンのエースストライカーだ。オランダ生まれのスリナム代表FWシェラルド・ベッカー(28歳)は、今季ここまでブンデスリーガで7ゴール。過去3シーズンの合計ゴール数に並ぶ活躍を見せている。
そのベッカーは、昨シーズンのシュトゥットガルト戦で「時速36.39キロメートル」のスプリントを見せた。これは昨シーズンのリーグ2位の記録で、歴代7位にランクインしている。
■6位:レオン・ベイリー(元レヴァークーゼン)時速36.40km
6位は世界最速の男であるウサイン・ボルトを輩出した国のウインガーだ。ジャマイカ代表FWレオン・ベイリーは、ベルギーのヘンクでプロキャリアをスタートさせると、2017年からはレヴァークーゼンで活躍し、2021年夏に3200万ユーロ(約45億円)でアストン・ヴィラに引き抜かれた。レヴァークーゼン時代の2019-20シーズンには、当時リーグ歴代3位となる「時速36.40キロメートル」の猛スピードを記録している。
■5位:アクラフ・ハキミ(元ドルトムント)時速36.49km
トップ5に入ったのは世界屈指の右サイドバックだ。FIFAワールドカップカタール2022でモロッコ代表のベスト4進出に貢献したDFアクラフ・ハキミは、ドルトムント時代にブンデスリーガの当時最速スプリント記録を打ち立てた。2020年2月のウニオン・ベルリン戦で「時速36.49キロメートル」を記録し、当時の同僚MFマルコ・ロイスに「信じられないスピード…」と言わしめた。
その後、ハキミは2021年夏に移籍金6000万ユーロ(約86億円)でパリ・サンジェルマンに移籍。圧巻のスピードで右サイドを支配しており、2022年の『FIFA FIFPRO男子ワールド11』というベストイレブンの最終候補にノミネートされている。
■4位:アルフォンソ・デイヴィス(バイエルン)時速36.51km
王者バイエルンの最終ラインに欠かせない存在となっているカナダ代表DFアルフォンソ・デイヴィスは、2019年1月にバンクーバー・ホワイトキャップスからバイエルンに加入すると、翌19-20シーズンからレギュラーに定着。そして同シーズンの第32節ブレーメン戦で「時速36.51キロメートル」という驚異的なスピードを見せつけて、当時のブンデスリーガ最速記録を打ち立てた。ちなみに、デイヴィスも2022年の『FIFA FIFPRO男子ワールド11』で最終候補に残っている。
■3位:ムサ・ディアビ(レヴァークーゼン)時速36.52km
トップ3に入ったのはブンデスリーガを代表する快速ウィンガー、レヴァークーゼンのFWムサ・ディアビだ。2019年にパリ・サンジェルマンから加入したディアビは、自慢の快足を飛ばしてサイドから好機を演出。昨シーズンはブンデスリーガで13ゴール12アシストという結果を残した。そして今シーズン第11節のヴォルフスブルク戦で「時速36.52キロメートル」というスピードを披露。わずか「0.01」差だが、デイヴィスを抜いて3位に入った。
■2位:ジェリー・シン・ジュステ(元マインツ)時速36.63km
2位にランクインしたのは快速アタッカーではなく、守備を専門とするセンターバックだ。現在すポルティングでプレーする元オランダ代表DFジェリー・シン・ジュステは、ヘーレンフェーンやフェイエノールトを経て2019年にマインツに加入。そして昨シーズンの第7節ウニオン・ベルリン戦で、当時の歴代最速記録となる「時速36.63キロメートル」の俊足ぶりを見せつけた。
■1位:カリム・アデイェミ(ドルトムント)時速36.65km
冒頭で説明した通り、ブンデスリーガの歴代最速記録を持つのはドルトムントのFWカリム・アデイェミだ。昨夏、ザルツブルクから加入した21歳のスピードスターは、加入当初こそ馴染むのに時間がかかったが、徐々に結果を残し、出場機会こそなかったがカタールW杯のドイツ代表メンバーにも選出された。そして今月15日に行われたチャンピオンズリーグ・ラウンド16のチェルシー戦では、素晴らしい決勝弾をマーク。コーナーキックの守備から一気にカウンターを仕掛け、自陣からドリブルを開始。快足を飛ばして約65メートルも一人でボールを運んでそのままゴールネットを揺らした。
そんなアデイェミが今月4日のフライブルク戦で記録した「時速36.65キロメートル」がブンデスリーガの最速記録となっている。スピードの秘訣についてアデイェミは「父から良い遺伝子を受け継いだ。そして“フーフー”というナイジェリアの料理も食べているからね」と明かしている。
(記事/Footmedia)
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