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これを読めばすべてわかる! ブンデスリーガ 18-19シーズン「全クラブ通信簿」(10位~18位編)

[写真]=Getty Images

 明らかにネガティブだったのは、名門の低迷を置いてほかにない。昨シーズン2位のシャルケは14位、同7位のシュトゥットガルトはプレーオフの末に2部降格が決定。ドイツ北部の歴史あるハノーファーも1部に留まれなかった。一方で、2シーズン連続の16位から6位にジャンプアップしたヴォルフスブルク、昇格1年目に10位で終えたデュッセルドルフの健闘は称賛に値する。名門ケルン、3部から2年でトップリーグまで辿り着いたパーダーボルン、初昇格のウニオン・ベルリンが新たに加わる来シーズンは、7チーム(RBライプツィヒ、ボルシアMG、ヴォルフスブルク、ホッフェンハイム、ヘルタ・ベルリン、シャルケ、ケルン)が新監督の下でリスタート。フレッシュな風が吹き荒れそうだ。

■10位:デュッセルドルフ(90点)


 満点に近いシーズンだろう。第5節から6連敗を喫し、ニュルンベルクとともに降格候補の最右翼と目されたチームの命運は尽きたかと思われた。しかし、65歳のフリードヘルム・フンケル監督の下で結束力を失わず、第12節に敵地でバイエルンと引き分け、第16節には当時首位のドルトムントに初黒星をつけるビッグサプライズを提供。堅守速攻への切り替えが吉と出て、見事に3連勝でウインターブレイクを迎えた。
 自信をつけた昇格チームは後半戦も健闘。正確なフィードも光ったCBカーン・アイハンを中心に粘り強く守り、攻めてはバイエルン戦でハットトリックのドディ・ルケバキオや俊足のベニト・ラマンらウインガーが崩しとフィニッシュの局面で輝いた。特に前者の好調時は圧巻。爆発的なスプリントと華麗な足技で対峙した相手を翻弄した。
 左足のピンポイントパスでチャンスを演出したケヴィン・シュテーガーが、初挑戦の1部で通用したのも嬉しい誤算に。ただ、昨シーズンの2部得点王マルヴィン・ドゥクシュや覚醒が期待された宇佐美貴史が芳しい結果を残せなかったのも事実。前者はニュルンベルク移籍が有力視され、後者はアウクスブルクへのレンタルバックが決定的だ。

■11位:ヘルタ・ベルリン(50点)


 及第点がつけられないのは、ELとの掛け持ちを強いられた昨シーズンと同勝点(43)に終わったから。加入直後から攻守に奮闘したマルコ・グルイッチに加え、生え抜きのアルネ・マイアーが主力に成長し、課題だった中盤の構成力は高まった。怪我に泣かされてきたオンドレイ・ドゥダが11ゴールを挙げれば、ウインガーのヴァレンティ―ノ・ラザロが右SBへのコンバートに応えるなど、明るい話題が少なかったわけではない。
 上位進出を逃した大きな要因は詰めの甘さだ。ボール回しの質が高まり、攻撃的に振る舞う機会は増えたものの、勝負所で決めきれずに、同格以下の相手から取りこぼした試合が少なくない。ブレイクの兆しを見せていたウインガーのジャバイロ・ディルロスンや守備の要ニクラス・シュタルクの負傷離脱など誤算もあったが、チームに明確な上積みをもたらせなかったパル・ダルダイ監督の退任が決まったのは当然だろう。
 ミヒャエル・プレーツCEOが「ヘルタのDNAを誰よりも宿す」と称するOBで、13年11月からセカンドチームを率いていたアンテ・チョヴィッチが後任に決まっている。

■12位:マインツ(70点)


 特筆すべきは補強の成功だろう。強化部門のトップであるルーベン・シュレーダーの眼鏡に適った新戦力が軒並みヒットを飛ばしたのだ。その最たる例がクラブのシーズン得点記録にあと1と迫る14ゴールを量産したジャン・フィリップ・マテタ。力強さとしなやかさを兼備する大型CFは、前線の確固たる基準点として十全に機能した。
 チームスタイルは不変。激しいプレスやスプリントに象徴されるマインツらしいハードワークを欠かさず、いわば質より量で対戦相手を苦しめた。アグレッシブな姿勢はシュート数にもよく表れている。ドルトムントやボルシアMGを上回る計489本を放ったのだ。マテタを含む全員の決定力がもう少し高ければ、もっと上の順位で終えていたはずだ。
 プレミア行きの夢を公言してはばからない主軸のジャン・フィリップ・グバマンの流出に備え、クラブはすでにスイス代表のMFエジミウソン・フェルナンデスを獲得。来シーズンもこうした新顔の力を取り込みながら、地道に残留を目指すことになるだろう。

■13位:フライブルク(60点)


 長期政権を築くクリスティアン・シュトライヒ監督の下、一致団結したチームは戦力値の低さを補うハードワークで奮闘。それを如実に物語るのが走行距離で、レヴァークーゼンに次ぐ4090.7kmに達した。バイエルンが相手でも引いて守るのではなく、果敢にゲーゲンプレスを仕掛ける勇敢さも兼備。とりわけホームで勝点を積み重ねた。
 得点源のニルス・ペーターゼンが不振だった前半戦は、新戦力のルカ・ヴァルトシュミットが救世主的な存在に。左足の技術が光った。その俊英以上に輝きを放ったのは1月に加入したヴィンツェンツォ・グリフォだ。1年半ぶりに古巣復帰を果たしたアタッカーは、得意のドリブルやプレースキックで違いを作り出した。縦への鋭い突破が光った左SBのクリスティアン・ギュンター、魂のシュートブロックが冴えたドミニク・ハインツ、気迫のこもった好セーブを連発したアレクサンダー・シュボロフの働きも印象的だ。
 ホームより守備を強く意識し、わずか2勝に終わったアウェーでの戦いぶりが反省点だが、目標の残留を危なげなく決めたのは高く評価できるだろう。

■14位:シャルケ(20点)


 最も失望を残したチームだ。攻撃のバリエーションが少なく、自慢のセットプレーからもゴールを奪えなくなったルール地方の雄は、開幕から一度も一桁順位に入れずに14位に沈み込んだ。組み立てからフィニッシュまでミスがとにかく多く、3月にドメニコ・テデスコからフーブ・ステフェンスに監督を代えても改善の兆しは見られなかった。
 セバスティアン・ルディにマルク・ウート、オマール・マスカレルと即戦力の触れ込みだったニューカマーが軒並み期待を裏切り、その責任を問われる形で強化部長のクリスティアン・ハイデルはクラブを追われた。ピッチ内外でドタバタ劇を繰り広げ、CLではマンチェスター・Cに0-7。歴史的な惨敗を喫し、シャルカーを激怒させた。
 明るい話題と言えば、敵地でドルトムントを破ったルールダービー(第31節)、実力者のラルフ・フェーアマンから定位置を奪った22歳のGKアレクサンダー・ニュベルの台頭くらい。2位躍進を遂げた昨シーズンの面影はすっかりなくなり、来シーズンはデイビッド・ワグナー新監督とともに再建を目指すことになる。

■15位:アウグスブルク(30点)


 勝点32は例年なら降格でも不思議ではなく、下位3チームの不甲斐なさに救われた格好だ。前半戦は決して悪くなかった。チーム一丸で粘り強く戦い、2点差以上で敗れたのは一度だけ。バイエルンとは引き分け、当時絶好調のドルトムントにも3-4と堂々と渡り合った。ただ、後半戦に入ると、ディフェンスが完全に崩壊する。きっかけはマヌエル・バウム前監督を批判したCBマルティン・ヒンターエッガーを放出したことだ。
 ディフェンスリーダーを失ったチームは最後のところで踏ん張りが利かなくなり、ブレーメンに4失点(第21節)、フライブルクに5失点(第23節)、ニュルンベルクに3失点(第27節)、ホッフェンハイムに4失点(第28節)と、明らかな格上以外からも悲惨なまでにネットを揺らされた。最終的にリーグワーストタイの71失点を記録している。
 慌てたフロントは第28節終了後に監督交代に踏み切る。この決断が吉と出た。バウムの跡を継いだマルティン・シュミット新監督が攻撃サッカーを打ち出すと、新風が吹き込んだチームはすぐに2連勝。ここで稼いだ勝点6に物を言わせる形で、辛うじて降格を免れた。

■16位:シュトゥットガルト(10点)


 EL出場圏内でのフィニッシュが期待された名門は、ウニオン・ベルリンとのプレーオフの末に降格が決定。マリオ・ゴメスやゴンサロ・カストロ、クリスティアン・ゲントナーらドイツ代表歴を持つベテランから、ベンジャマン・パヴァールやサンチャゴ・アスカシバル、ニコラス・ゴンサレスなど期待の俊英まで大半の主力が期待を裏切った。
 稚拙なミスが目立てば、個を活かす組織も整備されていなかった。第7節まで指揮を執ったタイフン・コルクトは攻撃のメカニズムを確立できず、守備に重きを置くサッカーを志向した後任のマルクス・ヴァインツィールは、就任14試合で10敗とまるで結果を残せなかった。ラスト4試合とプレーオフ2試合を託されたニコ・ヴィリヒ暫定監督は、守備の立て直しにこそ成功。だが遅きに失し、残留には導けなかった。
 ヴォルフガンク・ディートリヒ会長は「全てがうまくいかなかった」とコメント。来シーズンは攻撃サッカーの信奉者で、今シーズンは2部キールを率いていたティム・ヴァルターを新監督に迎え、最短期間での1部返り咲きを目指す。

■17位:ハノーファー(20点)


 守備の要だったサリフ・サネ、チャンスメーカーのフェリックス・クラウスが退団した穴を埋められなかった。ターゲットマンの前者、プレースキッカーの後者が抜け、セットプレーのクオリティーも低下。さらには得点源のニクラス・フュルクルクが怪我でトップフォームを維持できず、リーグで2番目に少ない31得点と前線の迫力を欠いた。
 明らかに失敗だったのは監督人事だ。第20節から指揮を執ったトーマス・ドルは公の場で「何から手をつければいいのか」と弱音を吐くほどで、モチベーターとしても戦術家としても不満を残した。いたらずにシステムやスタメンをいじってはチームの混乱を招くばかりで、就任から10試合で9敗。2008年5月以来、久しぶりにブンデスリーガの舞台に戻ってきたドルは、今シーズン限りでの解任が決まっている。
 後任はハノーファーで一時代を築いたミルコ・スロムカで、新スポーツディレクターには元ドイツ代表FWのヤン・シュラウドラッフが就任する。

■18位:ニュルンベルク(30点)


 下馬評を覆せず、最下位での降格が決定。昇格チームの限界を露呈し、第15節以降は一度も降格ゾーンを抜け出せずに命運が尽きた。可能性を感じさせたのは1勝2分け1敗とまずまずのスタートを切った開幕当初だけ。なりふり構わずに守るような1部仕様の戦術を採用しなかったミヒャエル・ケルナー前監督の選択が誤りで、ドルトムントに0-7、RBライプツィヒに0-6、シャルケに2-5など、真っ向勝負を挑んでは大敗を喫した。
 2月途中から指揮を執ったショマース暫定監督が守備を立て直したことで、終盤戦は接戦に持ち込むゲームが増えた。だが、チャンスメーカーのマテウス・ペレイラを中心に攻めても、最後のところで決定力不足を露呈。エースのミカエル・イシャクが1部で通用せず、期待の新戦力だった久保裕也もわずか1ゴールと結果を残せなかった。
 総得点は得点王のレヴァンドフスキより4つだけ多い26、総失点はリーグで4番目に悪い68。タレント力も攻守どちらの組織力もトップリーグの水準になく、落ちるべくして降格が決まった。来シーズンはオーストリア人のカナディ新監督の下で1部復帰を狙う。

文=遠藤孝輔
写真=ゲッティイメージズ

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