カルムント氏はかつてレーバークーゼンでCEOを務め、現在は解説など多方面で活躍している
12月18日にブンデスリーガ第16節が終了し、2016-17シーズンのドイツサッカーも冬季中断期間に突入した。そこでブンデスリーガ独語版は、かつてレヴァークーゼンのCEOを務め、現在はサッカーの専門家として各方面で活躍しているライナー・カルムント氏との独占インタビューを実施。今季前半戦について語ってもらった。
――あなたにとって、この半年間で特に成長を見せた3クラブとはどこでしょうか?
カルムント氏 まずはアイントラハト・フランクフルトですね。彼らは昨季、下から3番目の順位でシーズンを終えましたが、今ではトップレベルのチームの1つです。しかも今夏、選手の売却額は1000万ユーロ(約12億2000万円)であったのに対し、補強に使ったお金は250万ユーロ(約3億500万円)しかありません。にもかかわらず、彼らは上の順位にいるのですから。フランクフルトの次はホッフェンハイムでしょうか。彼らもフランクフルトと同様、昨季大きな問題を抱えており、順位は下から4番目でした。そしてヘルタ・ベルリンにも驚かされましたね。彼らはチームとして非常に機能していますよ。
――では次の質問にいきましょう。特に印象に残っている3試合はどれですか?
カルムント氏 先日(第16節に)行われたホッフェンハイム対ドルトムント、あとは4-4で終わった第2節のマインツ対ホッフェンハイム、そしてレヴァークーゼン対ライプツィヒですね(ライプツィヒが3-2で勝利)。レヴァークーゼンは2-1でリードし、3-1にするのも時間の問題かと思っていましたからね。中立のファンにとって、これらの試合は非常に面白かったと思います。
――今度は、驚きを覚えた3クラブです。
カルムント氏 ライプツィヒ、ホッフェンハイム、フランクフルトですね。まずライプツィヒですが、彼らはチームを成長させるために、明確なプランと巨大な資本を持っていますが、多くの若い選手が素晴らしいパフォーマンスを見せて、上の順位に居座り続けることは、まったく予想していませんでした。ホッフェンハイムも、(昨季後半戦と今季前半戦を足した)2016年の成績はバイエルン・ミュンヘン、ドルトムント、レヴァークーゼンに次いで4番目に良い成績です。彼らは1年前、散々な内容だったのですがね。そしてフランクフルトは降格危機を乗り越え、今では欧州カップ戦出場権を獲得できそうな位置にいます。彼ら3クラブは最高のパフォーマンスを見せてますね。
――では、前半戦でトップパフォーマンスを見せた3人の選手をあげてください。
カルムント氏 ナビ・ケイタ、エミル・フォースベルク、ピエールエメリック・オバメヤンです。ケイタは21歳という若さながら、ライプツィヒの中心人物です。彼のプレーを見ていると、本当に驚かされます。しかも彼はこの夏にオーストリアから来たばかりで、すぐにブンデスリーガに順応しました。ライプツィヒの尋常ではなく速いサッカーを支えているのはケイタなのです。フォースベルクもケイタとともにチームを支えています。オバメヤンは、スピードとゴールゲッターとしてのクオリティーを活かし、とんでもなく活躍していますね。ドルトムントが彼をこれからもずっとチームにとどまらせてくれることを願っていますよ。
――最後に監督です。印象的な3人の名前をあげてくれませんか。
カルムント氏 ナンバーワンはもちろんユリアン・ナーゲルスマンです。ホッフェンハイムの好調をこれからもキープし、成功をもたらすことができれば、おそらく近いうちに彼のところにはビッグクラブからの誘いが来るでしょう。2番目はラルフ・ハーゼンヒュットルでしょう。インゴルシュタットでは、2部から3部への降格危機にあった同クラブを残留させ、さらにクラブ史上初のブンデスリーガ昇格を達成しましたが、ライプツィヒでも同じように、この前半戦では大成功をもたらしました。3番目はケルンのペーター・シュテーガー、フランクフルトのニコ・コバチ、ヘルタのパル・ダールダイのいずれかでしょうね。