2015.12.01

ブンデス公式戦を中国で開催? HSVの仰天プランに反対意見多数

毎試合のように多くの観客が訪れるジグナル・イドゥナ・パルク [写真]=Getty Images
ドイツ在住。ライター兼サッカー指導者

 近年、バイエルンや日本代表MF香川真司が所属するドルトムントがプレシーズン中にアジアツアーを行うようになり、またDF内田篤人所属のシャルケが中国との関係を深めていくなど、ブンデスリーガのクラブも海外市場獲得へ積極的に乗り出すようになった。

 そんな中、DF酒井高徳が所属するハンブルガーSVのマーケティング担当取締役ヨアヒム・ヒルケ氏が、国外におけるブンデスリーガの存在感を高めるための仰天プランを提案した。

 先週末、ドイツ紙『ビルト』が報じたところによると、ヒルケ氏は人口もサッカーファンも非常に多い中国でブンデスリーガ公式戦を開催すれば、同国の顧客を獲得できると見ているようで、「ダルムシュタット対HSVを上海で行う――これを聞いた人は『頭がおかしくなったのか』と思うだろうし、(ドイツ国内の)地元ファンに対して失礼にあたるかもしれない。しかしこういう考えは今までどこにもなかった。今後のブンデスリーガ発展につながるかもしれない」と話したという。

 しかし、この提案に対して各クラブからは一様に否定的な意見が聞こえてくる。

 まずは日本代表MF長谷部誠が所属するフランクフルトのスポーツ・ディレクター、ブルーノ・ヒュブナー氏であるが、同SDは「賛成できないね。移動の難しさなどを考えれば、意味のないことだ」とバッサリ。レヴァークーゼンのルディ・フェラーSDも「プレシーズンマッチなら分かるが、ブンデスリーガの試合を中国でやるというのは、ベストな考えだとは思えないね」と反対している。

 また、日本代表FW武藤嘉紀が所属するマインツのクリスティアン・ハイデルSD、FW大迫勇也とMF長澤和輝が所属するケルンのヨルク・シュマトゥケSDらも、それぞれ「ブンデスリーガは観客の熱狂とともに生きている。その観客とは、ドイツ国内のスタジアムに訪れる人々のことであり、上海にいる中国人のファンではない。試合がただのイベントになってしまうだろうね」(ハイデルSD)、「我々は色んなことで議論しあうことができる。(前年のブンデスリーガ王者とDFBポカール王者が対戦し、リーグ開幕前に行われる)ドイツ・スーパーカップなどはその例だろう。でもブンデスリーガやDFBポカール決勝などは除外しなければならない。なぜなら、それらはドイツサッカーの基礎部分なのだから」(シュマトゥケSD)と話し、国内ファンを差し置いてのリーグ戦開催は現実的でないと考えているようだ。

 また、実際にプレーする側であるバイエルンのドイツ代表DFジェローム・ボアテングも「今はまだ何と言ったらいいか分からない」としながらも、「スーパーカップをそこでやるというのならまた別の話だけど、僕たちは普段から遠征ばかりだからね。もちろん運営のためにお金が大事だということは十分理解している。でも、選手の健康も同じくらい大事なことだと思うよ」と話した。

 なお『ビルト』によると、ブンデスリーガを運営するドイツ・フットボールリーグ社(DFL)の関係者も「通常のリーグ戦を外国で開催するという案は、現在我々の議題には上がっていません」とコメントしている。

 アメリカのメジャーリーグ・ベースボール(MLB)などは以前から、日本やメキシコ、プエルトリコ、オーストラリアなどで公式戦を行っているが、サッカーにおけるリーグ戦の国外開催は異例のこと。上記のようにブンデスリーガ内には反対意見が圧倒的であるため、この実現はだいぶ先になりそうだ。

文=鈴木智貴

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