2015.03.09

元独代表の名選手が戦友の要請で決意…湖畔の町の7部クラブで現役復帰

日韓W杯決勝でロナウジーニョ(中央)を挟み込むメッツェルダー(奥)とハマン(左) [写真]=Bongart/Getty Images
ドイツ在住。ライター兼サッカー指導者

文=鈴木智貴

 日本代表DF内田篤人の所属するシャルケが拠点を置くゲルゼンキルヘンから北へ約30kmのところに、ハルターン・アム・ゼー(※日本語訳「湖沿いのハルターン」)という都市がある。その名の通り、ハルターナー・シュタウ湖の湖畔に作られた町で、夏には保養目的に訪れる観光客で賑わっている。しかしその歴史は非常に古く、ローマ帝政期から存在し、紀元9年に起こった『トイトブルク森の戦い』の舞台にもなった場所。人口約3万8000人で落ち着いた雰囲気を持つ現在の姿からは、当時の激戦の様子など微塵も想像できない。

 ところで、この町はサッカーの世界でもそれなりに知名度が高い。なぜならここにホームグラウンドを持つトゥス・ハルターンというクラブは、内田の同僚であるドイツ代表DFベネディクト・ヘーヴェデス、元ドイツ代表DFクリストフ・メッツェルダー、2007年から2013年までハノーファーに在籍していたMFセルジオ・ピントらを輩出しており、また田坂祐介が所属するボーフムの元監督ペーター・ノイルーラーや、今月1日に53歳の若さで亡くなった元ドイツ代表10番ヴォルフラム・ヴトゥケらが指導者のキャリアを始めたところでもあるからだ。

 このクラブ、現在トップチームが7部リーグに属しているという、一見普通のアマチュアチームにも見えるが、2008年から上述のメッツェルダー氏が財政支援に着手し、昨年7月1日をもって同氏はクラブの選手兼会長に就任。彼は貧困層の子供たちを救う慈善プロジェクトを10以上も手掛け、CS放送『sky』でサッカー中継のコメンテーターを務めるなど多忙な日々を送っているが、クラブの経営にもきちんと携わっているそうだ。

 そんなメッツェルダー氏の誘いを受け、往年の名選手が現役復帰を決意した。その名はディートマー・“ディディ”・ハマン。バイエルンでリーグ戦100試合以上、リヴァプールでも200試合近くに出場した元ドイツ代表の大型ボランチだ。トゥス・ハルターンの公式ツイッター(https://twitter.com/TuSHaltern)では、選手証を作るための契約書にハマンが自ら記入している写真なども掲載されている。

 ハマンは今回の決定についてこう話した。

「難しい決断では全くなかったね。もう一度クリストフ・メッツェルダーとプレーできることは、私にとってとても嬉しいプレゼントだよ」

 現在34歳のメッツェルダーと41歳のハマンがピッチで共にプレーする姿を間近で見る……まるで10~15年前にタイムスリップしたかのような気分を味わいたい方は、ぜひハルターン・アム・ゼーを訪れてみるといいだろう。

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