フォイクト氏に「悪い見本」と名指しされたクロップ監督 [写真]=Borussia Dortmund/Getty Images
ハノーファーの地元紙『ハノーファーシェン・アルゲマイネ』など複数メディアが報じたところによると、同都市のCユース(15歳以下)リーグの試合で、主審を務めていた18歳の少年が選手から暴力を受け負傷する事件が起きた。この件に関して、日本代表MF香川真司が所属するドルトムントのユルゲン・クロップ監督にも責任があるとされている。
同紙の取材に対し、ハノーファーで審判育成を行っているニルス・レネ・フォイクト氏は「例えばクロップや(昨年までマインツで指揮をしていた)トーマス・トゥヘルのような、テクニカルゾーンで飛び跳ねる監督は今回の事件の共犯者と言ってもいいだろう」とコメントしたという。
またドイツ紙『ビルト』からの質問に対して同氏は、そう考える理由を次のように話している。
「そのように(クロップやトゥヘルが共犯者であると)見ているのは私だけではなく、審判界の全員がそのように思っている。ただ、彼らはこうして公には話したがらないだろうけどね。クロップはカメラの前ではいつも親切な感じで話すが、ピッチの上では激昂している。その姿はアマチュア選手、子供たちなど、サッカーに携わる者全員に見られているんだよ。そうすると、それを見たアマチュア選手や子供たちは(同じことをした時に)なんと言うかわかるかい?『ブンデスリーガでもやっていることじゃないか』と言うんだよ。つまり、悪い見本でしかない。クロップは2010年11月に第4審判のシュテファン・トラウトマンに暴言を吐き、帽子のツバをトラウトマンの顔に押し当てるなどして詰め寄ったために1万ユーロ(約148万円)の罰金を受けたが、それだけでは本当に足りない。もしあのようなことをしたら、もっと高い罰金を科すべきだ」
ドイツサッカー連盟から処分を受けた際、クロップ監督は「私がバカだった」と反省の色を見せたが、その後もブンデスリーガやチャンピオンズリーグなど、国内外で審判に激怒している姿を見ることは少なくない。
クロップ監督は今のところ、フォイクト氏の発言に対してはノーコメントを貫いている。