4月14日に会長職を辞任したウリ・ヘーネス元会長 [写真]=Bongarts/Getty Images
25日、ドイツ紙『ズュートドイチェ・ツァイトュング(南ドイツ新聞)』が伝えたところによると、約3000人の税務署員が1年以上にわたり、バイエルンの元会長ウリ・ヘーネス氏の税金カードを閲覧していたが、そこに新たな問題が浮上しているとのことだ。
多岐にわたって商業活動を行っていた同氏だけに、その納税記録を調べられる権限を持った税務署職員は8130人に上るそうで、これまで462人が同氏の税金カードをチェックしていたことが記録に残っている。
しかし、最近になって同職員の1人が管理システムに不備を発見。さらに2487人がヘーネス氏のカードを閲覧していたことが明らかになり、果たして誰がチェックしていたのか、そして誰がヘーネス氏の税金記録をプリントアウトしたのかが、分からない状態となっているという。
先日、何者かが専門誌『Stern』にヘーネス氏の税金カード情報を密告する事件が起きたことで発覚した今回のシステム不備。税務署のずさんな管理体制が明らかになり、各方面からは責任追及の声が上がっている。
ウリ・ヘーネス氏は、以前2720万ユーロ(約38億4000万円)の脱税が発覚。3年6カ月の禁固刑(執行猶予なし)がミュンヘンの地方裁判所から言い渡され、4月14日にバイエルンの会長職および役員職を辞任していた。