2016.06.26

【データで見るユーロ2016】ウェールズ、クロアチア、ハンガリーが予想外のグループ首位突破を果たした理由

ウェールズ、クロアチア、ハンガリーは本命国を押しのけてグループ首位突破を果たした
「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

 群雄割拠のユーロ2016。そんな今大会を象徴するのが、22日をもって全日程を消化したグループリーグで、各グループ1位となった国々の顔ぶれではなかっただろうか。

 各組1位で決勝トーナメント進出を果たしたのは、グループAから、フランス、ウェールズ、ドイツ、クロアチア、イタリア、ハンガリーの6カ国。フランス、ドイツ、イタリアは常連の強豪国だが、これが初出場のウェールズ、ベスト8が過去最高成績のクロアチア、1972年大会以来の出場となるハンガリーが、イングランド、スペイン、ポルトガルといった同組の“本命”たちを差し置いて首位突破を決めるとは、いったい誰が予想しただろうか。

 では、彼らがサプライズを提供できた要因は、どこにあったのだろうか。今回も、ユーロ2016全51試合を生中継しているWOWOWで公開されている「WOWOW UEFA EURO 2016™ データセンター」のスタッツを用いながら、検証したい。(注:スタッツ、ランキングは、すべてグループリーグ終了時点でのもの)

■ウェールズ(グループB 1位)

Wales v Northern Ireland - Round of 16: UEFA Euro 2016

 ユーロ初出場国が、グループリーグを首位で突破したのは、1992年大会でのスウェーデン以来のこと。そんなウェールズを牽引したのは、やはりギャレス・ベイルだった。不動のエースは、グループリーグ3試合連続でゴールをマーク。これは、2004年大会のルート・ファン・ニステルローイ(元オランダ代表)とミラン・バロシュ(元チェコ代表)以来の快挙である。決して攻撃的なチームとは言えないウェールズがグループリーグ最多タイのゴール(6)を挙げられたのも、ベイルという突出した選手の存在があったからだろう。

 とはいえ、ウェールズは決してベイルだけのチームではなかった。ベイルと共に攻撃の中心を担ったアーロン・ラムジーは、3試合で1ゴール2アシストを記録。一方で、アシュリー・ウィリアムズ、ベン・デイヴィス、ジェームズ・チェスターで構成される3バックは、グループリーグを通じてタックル成功率100%を誇るなど、体を張った守備でチームの勝利に貢献した。ベイルへの依存度が高かったのは事実だが、彼らの好パフォーマンスもまた、「堅い守備からの素早いカウンター」という得意のスタイルを十二分に発揮できた要因だ。

 ちなみに、ウェールズがグループリーグで奪った6ゴールのうち、4ゴールは前半に記録したものだった(そのうち2ゴールがベイルの得点)。一方、3失点は全て56分以降に喫したもの。その結果、グループリーグ3試合で相手にリードを許した時間は、第2節イングランド戦の後半アディショナルタイム、2分31秒間だけだった。先制ゴールを挙げて優位に試合を進められたことも、好成績を挙げられた理由かもしれない。

■クロアチア(グループD 1位)

UEFA Euro 2016 round of 16 - "Croatia v Portugal"

 王者スペイン相手に逆転勝利を収めて、グループ首位突破を決めたクロアチア。アップセットを演じた彼らの特長は、サイド攻撃と球際の強さにあった。

 グループリーグでのクロス成功数(18)は、フランスと並ぶ最多タイ。そのうち約40%にあたる7本のクロスを成功させたのが、右サイドバックのダリヨ・スルナだった。スルナはアシストこそ記録しなかったものの、そのプレーぶりを評価され、データ会社『Opta(オプタ)』が選出するグループリーグのベストイレブンに選出されている。また、チェコ戦、スペイン戦で連続ゴールをマークしたイヴァン・ペリシッチも、同ベストイレブンに名を連ねた1人だ。クロアチアと言えば、ルカ・モドリッチ、イヴァン・ラキティッチ、マリオ・マンジュキッチと、センターラインの充実ぶりに目がいきがちだが、両翼に配置された彼らの活躍ぶりがチームに大きな成功をもたらしたと言える。

 またクロアチアは、1対1で勝利した回数(178)が全体の2位で、その勝率(58.6%)は堂々のトップだった。さらにタックル成功数(45)は、スイス(50)に次ぐ2位タイ。とりわけスペイン戦では、17回のタックルのうち、16回で成功を収めていた。相手にパスを回させつつも、ボールを奪えるチャンスがあれば、強烈かつ的確なタックルを決めていたことが分かる。ジャイアントキングは決して偶然によるものでなかったと言えそうだ。

 25日に行われた決勝トーナメント1回戦でポルトガルに0-1で敗れて、大会から姿を消すこととなったクロアチア。だが、サイド攻撃と球際の強さ、という、現代サッカーに不可欠な要素を高いレベルで兼ね備えた好チームであったのは間違いない。

■ハンガリー(グループF 1位)

Hungary v Portugal - Group F: UEFA Euro 2016

 ポルトガルとのグループリーグ最終戦で3-3の激闘を演じて、グループFを首位で通過したハンガリー。彼らは欧州予選でプレーオフの末に本大会出場を決めたチームであり、ウェールズやクロアチアのように、予選時からある程度の力を示していた訳ではない。実際、英国ブックメーカー「ウィリアムヒル」が今大会開幕前に発表した優勝オッズでは、北アイルランドと並んでワースト2位の261倍という高倍率が設定されていたくらいだ。

 そんな彼らがベスト16まで辿りつくことができた理由の1つが、ロングシュートの精度の高さだった。ポルトガル戦では、ペナルティエリア外から放ったシュート6本のうち、半分がゴールネットに吸い込まれた。一方で、その他の2試合は、エリア内からのシュートで2得点、そしてオウンゴールで1得点と、ロングシュートが実を結ぶことはなかったが、それでもハンガリーは興味深いスタッツを残している。

 グループリーグ終了時点で計35本のシュートを記録したが、うち25本はペナルティエリア外から打たれたもの。その割合(71%)は、同グループ内のライバルであった、オーストリア(56%)、ポルトガル(51.4%)、アイスランド(17.3%)と比較しても、突出していた。

 一般的に、エリア外からのシュートがそれだけ多いと、得点率も低くなると考えられる。だが、ハンガリーのシュート決定率(20.7%)は、アイスランド(23.5%)に次ぐ全体2位。そして、ウェールズと並んでグループリーグ最多タイの6ゴールを挙げたのだ。

 26日には、ベルギーとの決勝トーナメント1回戦を戦うハンガリー。自慢の長距離砲が再びさく裂するのか、目が離せない。


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