今冬バルセロナに移籍したコウチーニョ [写真]=NurPhoto via Getty Images
リーガ・エスパニョーラの首位を走るバルセロナが、冬の移籍市場で積極的な補強を敢行している。出場機会を求めて中国への移籍が濃厚なハビエル・マスチェラーノの代役として、コロンビア代表DFジェリー・ミナをパルメイラスから獲得した。バルセロナにとって今冬2人目の補強だ。1人目は昨夏に地元紙を賑わすだけ賑わせて、リヴァプールと移籍金の折り合いつかず、獲得できなかったブラジル代表FWフィリペ・コウチーニョ。移籍金は合計でリーガ史上最高となる1億6000万ユーロ(約218億円)と報道された。
バルセロナは最大のライバルである昨季王者レアル・マドリードに第19節終了時点で19ポイント差をつけて首位に立っている。2位アトレティコ・マドリードとの勝ち点差は「9」。エルネスト・バルベルデ監督が率いるチームは、開幕からリーガだけでなく、チャンピオンズリーグ(CL)、コパ・デル・レイと公式戦無敗の快進撃を続けている。昨夏に獲得した期待の新戦力ウスマン・デンベレを負傷で3カ月欠きながらも、チームは順調に勝利を重ねている。
コウチーニョはリヴァプールの選手としてCLに出場しており、今シーズンは欧州王者を目指す舞台ではプレーできない。出場できる試合は、首位独走中のリーガとコパ・デル・レイだけ。コパ・デル・レイはバルセロナBで活躍し、クラブの将来を担うカルラス・アレニャーなど若い選手にとって貴重な場となっているが、コウチーニョの加入はそのチャンスを奪うことも意味する。クラブ史上最高額の移籍金を支払ってまで獲得した選手を起用しないわけにもいかないので、アンドレ・ゴメスやデニス・スアレスなどベンチから出場機会を伺っている選手たちの士気が低下するリスクもある。それでもシーズン途中にブラジル出身のクラッキを迎え入れた。
バルセロナは、なぜ今コウチーニョが必要なのか。
スペインのラジオ番組『ラルゲーロ』の討論コーナーで、ある記者は冬の移籍市場で獲得した要因の一つとしてこう話していた。来夏まで獲得を待てば、コウチーニョの移籍金はさらに高くなる。ネイマールのパリ・サンジェルマン移籍以降、市場はバブルを迎えており、来夏となればコウチーニョの獲得には2億ユーロ(約270億円)必要となる。確かにこの言い分は的外れではない。リヴァプールはサウサンプトンのファン・ダイクに7500万ポンド(約113億円)を支払って獲得したのが好例だ。センターバックの選手にこれだけの移籍金が必要となることを1、2年前に誰が想像できただろうか。誰もが予想できないほど市場は高騰している。今買わなければ、半年後にコウチーニョの価格がさらに高くなっている可能性は大いにあるのだ。
他の記者はコウチーニョ獲得を「カンプ・ノウに観衆を取り戻すため」と説明した。バルセロナは現在結果を残しているが、その一方で“結果しか”残していない。パフォーマンスは称えられるものではないからだ。もう誰もが「あんな時代は来ない」と口を揃えるが、ジョゼップ・グアルディオラが指揮したチーム、もしくはMSN(リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)が爆発したルイス・エンリケの初年度後半戦のチームと比較するとスペクタクル、迫力、もしくは華が今シーズンのチームにはない。チームに足りないのは誰もが見たいスターであり、メッシやスアレスと共にチームパフォーマンスを高めてくれるクオリティを備えたタレントだ。またコウチーニョは、今年5月で34歳になるアンドレス・イニエスタの後釜としても理想的だ。イニエスタはもう3試合連続で高い水準のパフォーマンスをできるコンディションではない。ドリブルで仕掛ける回数もかつてに比べれば減った。
バルセロナ寄りのスペイン紙『スポルト』もコウチーニョは、シャビ・エルナンデスやイニエスタの正当な後釜となるので、その移籍金以上の価値があると主張している。
歴史を作った選手の後任を探すのは難しい。たとえばGKビクトル・バルデスの後釜を見出すのは、容易ではなかった。2014年夏に将来有望なGKではあるものの、まだそれほど名前は知られていなかったマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンを獲得した。それから3年を経た2018年の今、バルセロナのゴールマウスはテア・シュテーゲンと共に安定し、数年はもうこのポジションの心配はしなくてもいいと誰もが思えるほどになった。
コウチーニョもテア・シュテーゲンと同じような道のりを辿るのではないか、と期待されている。イニエスタは5月で34歳になる。終身契約を結んだとはいえ、イニエスタがいつまでも万全のパフォーマンスを発揮できるわけではなく、欧州でトップレベルを維持するのは難しい。ならばイニエスタがまだ機能している今の内から彼の後釜を来シーズン以降も見据えた上で獲得し、クラブに慣らすべきではないか。たとえCLで戦力にならなくてもコウチーニョを早く適応させるために冬に獲得したのは的確な決断だったという主張だ。
確かにそう聞くと、冬の移籍市場でのコウチーニョの獲得はもっともだなと納得してしまうが、同時にこうも考えてしまった。バルデスにしても、シャビにしても、イニエスタにしても歴史を作った名手の後釜をバルセロナはカンテラではなく、外から大金を払ってでも獲得することにした。
ただそうしなければならない事情があることも確かだ。なぜなら今のバルセロナは選手の給与高騰もあって、シーズンを通して必ず莫大な利益を生み出さなければならない立場となっている。それは自動的にリーガであろうが、CLであろうが、毎シーズン優勝争いをしなければならないことを意味する。そうなったからこそバルデス、シャビがトップチームに定着し始めた時に与えられた時間や忍耐力の余裕を現代のバルセロナは持てないのが現状だ。
移籍金の額だけではなく、サッカーではいろんなことが年々変わっている。
文=座間健司
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By 座間健司