2017.04.19

“エル・クラシコ”展望/レアル優勢の状況をバルサは打破できるか?

世界中から熱視線が注がれる“エル・クラシコ”が現地23日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる [写真]=© 2017 Liga de Fútbol Profesional
サッカー総合情報サイト

 フットボール界に数あるナショナル・ダービーの中で屈指の注目度を誇る、スペインの2大クラブによる伝統の一戦“エル・クラシコ”が、現地23日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる。

 今回のリーグ後半戦の直接対決は、3連覇を目指すバルセロナが敵地でライバルを撃破してタイトル争いに生き残るのか、5シーズン振りの優勝に突き進むレアル・マドリードが本拠地で宿敵に引導を渡すのかという、近年とは立場が逆転した構図となっている。

 両チームは現在、消化が1試合少ないながらも首位に立つレアル・マドリードが23勝6分2敗、2位で追走するバルセロナが22勝6分4敗と、残り6節で3ポイントの開きがある。その一方で、得失点差に目を向けてみると、91得点・30失点とプラス61点のバルセロナが、82得点・33失点とプラス49点のレアル・マドリードを上回っている。

 順位と得失点差が乖離するこの状況は、勝負強さにおいてレアル・マドリードバルセロナを凌駕している事を示している。その反面、プレーの質においては両者とも大差がないことも表しており、実際に双方とも万全な内容の試合は殆ど見せられていない。

 レアル・マドリードはFWクリスティアーノ・ロナウド、FWカリム・ベンゼマ、MFギャレス・ベイルによる“BBC”、バルセロナはFWリオネル・メッシ、FWルイス・スアレス、FWネイマールによる“MSN”と、共に看板トリオを擁する両者は、これまでは3選手のパフォーマンスが試合に大きな影響を与えて来た。しかし、今シーズンは様相が大きく異なっており、それが現在の順位に反映されている。

 レアル・マドリードは、“BBC”が不発に終わる試合も意外に多いものの、そうなってもチーム全体でカバーすることができている。対するバルセロナは、“MSN”は圧倒的な力を見せているが、そこを防がれると打つ手が無くなってしまっている。すなわち、選手層の厚さの差が成績の差となって表れており、ベストメンバーが揃わなくても“BBC”に頼らなくても勝てるレアル・マドリードに、ベストメンバーを揃えたうえで“MSN”に頼らなければ勝てないバルセロナという対比ができる。

 実際、直近のアウェイでの公式戦2試合を見ても、この両チームの現状は顕著に表れている。レアル・マドリードは、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグのバイエルン戦ではベストメンバーを揃えて2‐1で先勝すると、前節のスポルティング・ヒホン戦ではレギュラーの殆どに休養を与えながらもMFイスコの2ゴールとFWアルバロ・モラタの1ゴールにより3‐2で逆転勝ちした。一方のバルセロナは、前々節のデポルティーボ戦ではMFアンドレス・イニエスタを温存して0‐2で惨敗し、CL準々決勝1stレグのユヴェントス戦ではMFセルヒオ・ブスケツが出場停止により欠場する中で0‐3と完敗した。

“BBC”に依存していないレアルと“MSN”に頼らないと勝てないバルサの現状は顕著に表れている [写真]=©2017 Liga de Fútbol Profesional

 そして、両者とも直前のCL準々決勝2ndレグを受けての選手起用となる今回の直接対決だが、FWネイマールが出場停止となるバルセロナは“MSN”を結成することができない。従って、全面に押し出して行きたい前線の力比べでもレアル・マドリードを圧倒できるか未知数となったバルセロナとしては、前半戦の不振から脱却したFWパコ・アルカセルの働きがカギとなりそうだ。対するレアル・マドリードは、出場が回復次第となっているMFベイルが欠場する恐れがあるが、その場合には好調のMFイスコが起用できるため、怪我の功名となる可能性もある。

 また、中盤に目を向けると、MFルカ・モドリッチ、MFトニ・クロース、MFカジミーロが精彩を欠いたとしても、MFイスコ、MFコヴァチッチ、MFハメス・ロドリゲスといったタレントが控えるレアル・マドリードが、MFアンドレス・イニエスタ、MFイヴァン・ラキティッチ、MFセルヒオ・ブスケツが本来の調子に無いうえ、MFアンドレ・ゴメスやMFデニス・スアレスが期待外れに終わっているバルセロナを戦力面で上回る。

 一方、最終ラインに関しては、双方とも若干不安を抱えている。レアル・マドリードは、両サイドバックのDFマルセロとDFダニエル・カルバハルは好調をキープしている。しかし、DFラファエル・ヴァランとDFペペの故障中のセンターバックは、一回り力が劣るDFナチョ・フェルナンデスが、DFセルヒオ・ラモスのパートナーを務めることになる。対するバルセロナは、センターバックのDFジェラール・ピケとDFサムエル・ユムティティのコンビは安定している。だが、両サイドバックは、DFジョルティ・アルバは攻撃面の持ち味が影を潜め、MFセルジ・ロベルトは守備面で綻びを見せている。

 両者はお互いに手の内を知り尽くしており、戦術面で相手の意表を突くのはなかなか難しい。しかし、セットプレーにおいては、決定的なゴールを連発するDFセルヒオ・ラモスを筆頭に強烈なヘディングを誇る選手が揃うR・マドリードが、空中戦に強い選手が少ないバルセロナを圧倒しており、勝負を分ける可能性は大いに有り得る。

 これらの要素を勘案すると、リーグ戦無敗を誇るホームで引き分けでも問題のないレアル・マドリードの優勢は揺るぎなく、公式戦2連敗中のアウェイで勝利しなければならないバルセロナの劣勢は否めない。しかし、両者の順位や調子が試合の結果や内容に反映されない事も多いのが“エル・クラシコ”だけに、戦前の予想は当てにならないとも言える。

セットプレーの強さではレアルがバルサを頭一つ抜けている [写真]=©2017 Liga de Fútbol Profesional

 そういった意味で、今回の一戦に向けて出方が注目されているのは、就任2年目を迎えたジネディーヌ・ジダン監督を頂点に悠然と構えるレアル・マドリードよりも、今シーズン限りでの退任が決まっているルイス・エンリケ監督が最後の宿敵との対決を迎えるバルセロナの方だ。ここに来て4バックと3バックを併用しているバルセロナが、どちらのシステムを採用するのかが、試合展開を大きく左右することになるだろう。

 なお、両チームが最終的に勝ち点で並んだ場合、直接対決の成績で順位が決定するが、バルセロナレアル・マドリードをホームに迎えた前半戦の直接対決は1‐1のドローに終わっている。この点を考慮すると、レアル・マドリードは勝利もしくはスコアレスドロー、バルセロナは勝利もしくはアウェイゴールを2点以上決めてのドローがそれぞれ必要となる。従って、レアル・マドリードは慎重に、バルセロナは大胆に、それぞれ戦うケースも考えられる。

 レアル・マドリードが有利な状況を前面に押し出すのか、バルセロナが失う物の無い強みを見せるのか、両雄が意地とプライドを賭けて激突する伝統の一戦。レアル・マドリードはコパ・デル・レイで既に姿を消し、バルセロナもチャンピオンズリーグで敗退の危機を迎えているため、今シーズンはこれが最後の直接対決となる可能性が高いだけに絶対に見逃せない。

 世界中から熱視線が注がれる“エル・クラシコ”は、日本時間24日午前2時45分より、スポナビライブで無料放送! また、“エル・クラシコ”開催前日の4月22日にはバルセロナのホーム、カンプ・ノウで行われた前回対戦の再放送を実施する。

 スポナビライブでは現在、会員登録をするだけで“エル・クラシコ”も含めて5月末までの間、リーガ残り全節が無料で視聴できるキャンペーンを実施中。無料視聴のラインナップはリーガはもちろん、優勝争いが注目されているイングランドのプレミアリーグも無料で視聴可能だ。

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