2016.04.01

スアレスvsベンゼマ…ゴールに祝福された世界最高峰の「9番」

世界最高峰の「スペインサッカー リーガ・エスパニョーラ」を2018−19シーズンも毎節最大5試合生中継!

 リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドが攻撃の中心となって久しいバルセロナとレアル・マドリードにおいて、今シーズンほど「9番」の存在感が際立つシーズンは過去になかった。

 バルセロナの9番、ルイス・スアレスはここまでメッシの37ゴールを上回るシーズン43ゴールを積み重ねている。メッシがシーズン序盤に2カ月の離脱を強いられたことを差し引いても、これは特筆すべきことだ。なにせ2007-08シーズンのサミュエル・エトオ(アンタルヤスポル)を最後に、メッシを上回るゴールを挙げたバルセロナの選手は一人もいないのだ。

 ジョゼップ・グアルディオラ監督(現バイエルン)がメッシを攻撃の中心に据えて以降、バルセロナの9番には自らのゴール以上にメッシが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作るべく、前線でスペースメイクやポストプレーをこなす潰れ役に徹することが求められてきた。ゆえにズラタン・イブラヒモヴィッチ(パリ・サンジェルマン)やボージャン・クルキッチ(ストーク)、ダビド・ビジャ(ニューヨーク・シティFC)、アレクシス・サンチェス(アーセナル)ら過去の9番たちはみな、メッシのためにプレーすることでメッシとの共存は可能にできても、平行して自分自身を輝かせる術までは見いだすことができなかった。

 しかし、スアレスは加入1年目からメッシを生かし、かつバルセロナ特有のフットボールの中でも自身を生かせるプレーを見いだすに至った。

GettyImages-515989588

バルセロナで輝きを放つスアレス [写真]=Getty Images

 メッシと家族ぐるみで付き合うほどの友情を築いたこと、またメッシが以前ほど中央でのプレーや自身のゴール数にこだわらなくなってきたことなど、過去の9番たちは享受できなかった幸運に恵まれた面もある。とはいえ、ただでさえライバルに守備を固められ、スペースのない状況で厳しいマークを受けながらプレーすることを強いられるバルセロナにおいて、メッシのために己を犠牲にしながら、自身の輝きも保ち続けることは簡単ではない。その意味でスアレスは単に優れたストライカーであるだけでなく、優れた順応力を持った柔軟で器用な選手でもあると言える。

 器用さではレアル・マドリードの9番、ベンゼマも負けてはいない。より本能的、直感的にプレーするスアレスに対し、彼は正確な状況判断に基づいて常に最適なプレーを選択できる聡明な選手だ。ゆえにC・ロナウドを筆頭に強烈な個が揃ったレアル・マドリードでは個と個をつなげる潤滑油として重宝される一方、気が利き過ぎるために自分自身の個を全面に出し切れない器用貧乏な側面を批判されてもきた。

GettyImages-516743602

チームメイトとゴールを祝うベンゼマ(中央) [写真]=Getty Images

 そんなベンゼマが今シーズン、過去にないペースでゴールを量産している。これまでリーガ・エスパニョーラでは21試合出場で20ゴール、チャンピオンズリーグでも5試合で4ゴールと、ほぼ1試合1ゴールのペースを維持しているのだ。これまでレアル・マドリードでのベストシーズンが52戦で32ゴール(1試合平均0.62ゴール)であることを考えれば、これは大きな変化である。しかも大差のついた試合で固め取りすることが多いC・ロナウドとは違い、今シーズン彼が決めた24ゴール中11ゴールはスコアレスや同点の状況で生まれている。つまり均衡状態を破る重要なゴールをいくつも決めているのだ。

 当たりの強さ、繊細なテクニック、多彩なシュートパターン、戦術理解力に周囲との連携力。現代フットボールに求められるあらゆる要素を兼ね備えた2人の9番は、頭の中では全く異なる青写真を描きながらゴールへの道筋を歩んでいるから面白い。スアレスは常に自分で決めるイメージを描きながら、自分でフィニッシュするのが不可能、もしくはより良い状態の味方を確認した際に初めてパスを選択する。一方、ベンゼマにとってはシュートもパスも同等の選択肢であり、その都度ゴールへ至るための最適解だと判断したプレーを選んでいるだけなのだ。

 喜怒哀楽の感情をむき出しにしながらボールに食らいつくスアレスと、時に無感情な印象を与えるほど黙々とプレーするベンゼマ。対照的な性格を持つ2人は、それぞれの方法で絶えずゴールへの突破口を模索している。4月2日のクラシコでは、世界最高峰の9番が繰り広げる駆け引きの醍醐味が存分に味わえるはずだ。

(文=工藤拓/記事提供=WOWOW)

欧州リーグ順位表

マンチェスター・C
20pt
チェルシー
20pt
リヴァプール
20pt
欧州順位をもっと見る
ドルトムント
17pt
ライプツィヒ
14pt
ボルシアMG
14pt
欧州順位をもっと見る
アラベス
17pt
セビージャ
16pt
バルセロナ
15pt
欧州順位をもっと見る
ユヴェントス
24pt
ナポリ
18pt
インテル
16pt
欧州順位をもっと見る