2015.06.30

結果が全て…敗れたレアル・マドリード、初夏に流れるネガティブな話題

移籍の噂が浮上しているカシージャス(左)とセルヒオ・ラモス [写真]=Real Madrid via Getty Images
フリーライター&フォトグラファー。スペインで活動中。

文=座間健司

 初夏、レアル・マドリードの周囲にはネガティブな情報が多い。

 ひとつは指揮官の交代に関する話題だ。クリスティアーノ・ロナウド、セルヒオ・ラモスら選手たちが最終節直後に自身のソーシャル・ネットワークで公にカルロ・アンチェロッティ監督の続投を支持した。しかし、そんな選手の声も虚しく、フロレンティーノ・ペレス会長は悲願だった10度目の欧州制覇を達成したイタリア人指揮官を更迭した。

 記者会見で理由を問われたが、具体的な答えを明言しなかった。「う~ん、知らない」と返答し、その後にとってつけたように“レアル・マドリードの重圧と要求の高さ”ともっともらしい言い訳を並べ立てた。明確な“回答”がなければ、憶測が地元メディアの紙面を埋める。

「リーガ・エスパニョーラ、チャンピオンズリーグといった主要タイトルをとれなかった」

「バルセロナ、アトレティコ・マドリードの国内の強豪、ユヴェントスといった欧州の強豪とのビックゲームにことごとく負けた」

 このような真っ当な主張もあれば「クラブが9100万ユーロ(約130億円)と巨大な投資をしたガレス・ベイルを重視しなかったこと。特にアウェーのバレンシア戦で1-2と負けている71分にベイル交代という決断に会長は納得いかなかった」と、ペレス会長が単純に嫌いという動機が透けて見える記事もあった。あまりにも的はずれな主張が噴出するのも、会長が明確な返答をしなかったからだ。

 主要タイトル獲得なしという“失敗”を犯したら、その周囲はネガティブな情報で埋め尽くされる。象徴的なのが、2人のキャプテンに関するニュースだ。

 マンチェスター・Uからの加入が有力視されるスペイン代表GKダビド・デ・ヘアだが、このニュースには必ずイケル・カシージャスがついて回る。カシージャスはサブとしてのベンチ要員を受け入れないから、キャプテンの退団が成立しなければ、デ・ヘアはやって来ない。デ・ヘアもカシージャスの退団を望んでいる。スペイン代表活動で2人は会話をしておらず、冷戦状態にあるなど。

 レアル・マドリードで一時代を築き、レジェンドであり、今でも世界で有数の実力を持つGKは邪魔者扱いされている。確かにデ・ヘアは若く将来性もあり、今のパフォーマンスもカシージャスを上回っているかもしれない。だが、その報道の大きな動機は失敗したシーズンの責任をカシージャスに押しつけ、早く新たな時代の扉を押し開きたいからだ。

 年俸を巡って、契約延長の交渉が難航するセルヒオ・ラモスの話題もそうだ。2017年まで契約が残っており、まだ交渉する時間はたっぷりあるが、まるで今夏に契約延長しないとすぐにでも退団するような報道だ。しまいにはほとんど馬鹿げた可能性でしかないのに、バルセロナの会長選挙のネタとして扱われる始末だ。

 バルセロナは三冠を達成した。偉大なチームを手にしている。しかし、レアル・マドリードも陣容が劣っているわけではない。彼らは今夏に補強ができる。バルセロナは2016年まで補強しても公式戦に登録できない。戦力は来年の1月まで、できて現状維持だ。会長選挙も控えており、未来は不透明。来シーズンに向けて、レアル・マドリードが圧倒的に優位な条件を揃えている。なのに、なぜこうも報道がネガティブなのか。タイトルを1つも奪えなかった上にバルセロナが三冠を達成したからだ。それゆえに何をやってもネガティブな空気が彼らの周囲を覆っている。セルヒオ・アグエロ、ポール・ポグバといったビッグネームを獲得しないかぎり、この重い空気は吹き飛ばせないかもしれない。

 スペインサッカー、やはり結果が全てなのだ。

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