2015.04.15

エースとの軋轢、新会長就任濃厚…バルセロナ指揮官の不透明な来季

ルイス・エンリケ
練習中、ボールに座るルイス・エンリケ [写真]=Getty Images
フリーライター&フォトグラファー。スペインで活動中。

文=座間健司

 リーガ・エスパニョーラ、チャンピオンズリーグ、そして5月30日に本拠地カンプ・ノウで決勝が行われるコパ・デル・レイ。シーズン三冠の期待が高まるバルセロナだが、ベンチで指揮する監督の未来はそれほど明るくはない。ルイス・エンリケは来シーズン、バルセロナを指揮できない。そんな予想が地元メディアでも公にされ始めている。

 ルイス・エンリケがバルセロナで監督として続けられない理由が、地元紙にいくつか挙げられた。1つはその安定しない戦績、戦いぶりだ。第10節のホームでのセルタ戦、アウェーでの第17節レアル・ソシエダ戦、そして記憶に新しい第24節のホームでのマラガ戦とチームは思わぬところで黒星を重ねた。

 最近でもレアル・マドリードとの“エル・クラシコ”を勝ちはしたが、ピッチ上でのパフォーマンスは悪かった。レアル・マドリードの決定力のなさとルイス・スアレスのタレントに助けられた。その後セルタ戦、ラージョ・バジェカーノ戦、セビージャ戦と負けてはいないが、内容は褒められたものではない。不安定な戦いが続投できない理由して挙げられている。とはいえ、リーグ戦での度重なるつまづきも、もし三冠を達成すればクレ、バルセロニスタの誰もが忘れることだろう。

 続投できない理由として頻繁に挙げられるのが、今シーズン終了後の会長選挙だ。現会長のジョゼップ・マリア・バルトメウは立候補するが、当選はしないだろうという見方が強い。もし前会長だったジョアン・ラポルタが立候補すれば、すんなりと勝つだろうという見方が大半を占めている。ネイマール獲得時の脱税疑惑、未成年移籍の規定違反によりFIFAから補強禁止を言い渡された現体制よりも、クラブ史上最大の黄金期をもたらしたラポルタに多く票が流れるのは確実だ。

 現会長の退任に伴い、ルイス・エンリケも追い出されるというのが自然な考えだ。もしくは選挙戦で、現会長を含めた各立候補者がユルゲン・クロップ、もしくはジョゼップ・グアルディオラなどソシオの票を集めそうな監督招聘を公約に掲げるので、ルイス・エンリケはどちらにせよ、はじき出されるという見方もある。

 チームのエースであるリオネル・メッシとの関係も忘れてはならない。バルセロナはリーグ戦で首位を奪還し、チャンピオンズリーグも勝ち進んでいる。その快進撃を語る上でメッシの存在は欠かせない。ベストフォームを取り戻しつつあるアルゼンチンの天才は2015年最初のトレーニング、そして最初のゲームのレアル・ソシエダ戦でルイス・エンリケと衝突した。2人の関係は改善されておらず、ひとまずはチームのタイトル獲得のために冷戦という状態だ。クレも、フロントも仮にエースと監督の二者択一を迫られれば、迷わず大エースを選ぶことは間違いない。このようにメッシとの関係により、ルイス・エンリケは追い出されるという予想もある。

 実際にルイス・エンリケは上手くグループをコントロールできていない。ネイマールやルイス・スアレスは途中交代を命じられれば、隠しもせず、公然とその不満を交代時に体現した。メッシは出場すれば、途中交代はなく、パフォーマンスに関係なくフル出場。アンタチャブルな存在だ。その一方で試合に出られないペドロ・ロドリゲスは来夏での退団を模索しているという。

 ルイス・エンリケも来シーズンの自分の将来が、バルセロナにはないことを悟っているようだ。最近の会見で「新シーズンに向けて、(スポーツディレクターの)アリエド・ブライダと(技術委員会)カルロス・レシャックとプランを立てているのか?」と質問され、こう返答している。

「いいや。私は明日の試合のためだけの仕事をしている」

 つまり将来について、何も話をしていないことを指揮官は認めている。このようにルイス・エンリケが来夏にバルセロナのベンチに座っていない可能性は高い。そして悲しいことに、たとえ三冠を達成したとしても、地元メディアの報道、バルセロニスタの反応を見るかぎり、その未来を書き換えられる可能性は低い。

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