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史上5人目に注目…チェルシーとトッテナムの両方を指揮した監督たち

2023.06.01

チェルシーとトッテナムを率いた監督たち [写真]=Getty Images

 チェルシーは5月29日、マウリシオ・ポチェッティーノ氏の新監督就任を発表した。ポチェッティーノ氏は2022年夏にパリ・サンジェルマンの監督を解任されて以来の現場復帰となるが、プレミアリーグファンの印象に残っているのは、2014年夏から2019年11月の間で魅力的なチームを作り上げたトッテナム時代だろう。チェルシーとは同じ街のライバルでもあるトッテナムだが、両クラブで指揮を執った経験のある指揮官は意外と多く、ポチェッティーノ氏はプレミア史上5人目になるという。そこで今回は、これまでの4人は一体どのように両チームを指揮し、どういった結末となったのかを紹介しよう。

[写真]=Getty Images

■グレン・ホドル

グレン・ホドル

チェルシー監督:1993年7月~1996年6月
トッテナム監督:2001年4月~2003年9月

 1992年に創設されたプレミアリーグで、最初に両チームを指揮することになったのはグレン・ホドルだ。トッテナムのユース出身のホドルはトップチームでも10年以上に渡って活躍し、公式戦300試合以上に出場した。その後、アーセン・ヴェンゲルに請われモナコへ移籍。しかし、ひざのケガを理由に1990年11月に契約を解除。イングランドへ戻ったホドルはフィットネスを整えるためにチェルシーと契約すると、そのまま試合に出場することはなく、1991年3月に当時2部だったスウィンドンのプレイングマネージャーとなった。

 ホドルはスウィンドンの3部降格を防ぐだけでなく、1992-93シーズンにクラブをプレミア昇格に導いたことで評価を高め、1993年6月にチェルシーのプレイングマネージャーに就任した。1年目の1993-94シーズンは、タイトルは逃したもののチェルシーを24年ぶりのFAカップ決勝に導いた。しかし、決勝で敗れたマンチェスター・Uが2冠を達成したためUEFAカップウィナーズカップへの出場権を獲得。翌1994-95シーズンにカップウィナーズカップで後に優勝するレアル・サラゴサに敗れたものの、見事ベスト4の成績を残した。

 ホドルのチェルシーは1995-96シーズンにもFAカップで準決勝に進出するなどカップ戦で強さを発揮し、リーグ戦では14位、11位、11位と奮わなかったにも拘らず高い評価を受け、ホドルはイングランド代表に引き抜かれることとなった。

 イングランド代表、サウサンプトンの監督を経たホドルは、2001年3月にジョージ・グレアムを解任した古巣トッテナムの監督に就任した。最初のフルシーズンとなった2001-02シーズンはリーグカップで準優勝を果たし、相変わらずの“カップ強者”ぶりを発揮したが、当初好調だったリーグは尻すぼみで9位。翌シーズンはカップ戦2つで早々に敗退し、リーグも10位となったことでホドルにプレッシャーがかかりはじめ、2003-04シーズンに開幕から6試合で勝ち点4しか取れなかったことを受け、解任の憂き目に遭った。

■アンドレ・ヴィラス・ボアス

アンドレ・ヴィラス・ボアス

チェルシー監督:2011年7月~2012年3月
トッテナム監督:2012年7月~2013年12月

 2人目は“モウリーニョ2世”とも呼ばれていたヴィラス・ボアスだ。攻撃的で魅力的なフットボールで2010-11シーズンにポルトをプリメイラ・リーガ、タッサ・デ・ポルトガル、ヨーロッパ・リーグ(EL)という歴史的な3冠に導き、注目集めたヴィラス・ボアスは、1500万ユーロ(約22億円)という監督に対しては当時の最高額となる違約金でチェルシーに引き抜かれた。しかし、プレミア史上2番目の若さとなる33歳という年齢もあってか、主にベテラン選手たちから力量に疑問を抱かれ、戦術や采配に対して不満を持たれているという報道が頻繁になされるようになった。結局は成績も伴わず、2012年3月に解任された。

 だからこそ、その夏にトッテナムがヴィラス・ボアスを招へいしたときには驚きの声もあった。同じ街のライバルクラブの直後ならなおさらだ。それでもヴィラス・ボアスのスパーズは2012-13シーズンに勝ち星を重ね、リーグは5位でチャンピオンズリーグ(CL)出場権こそ逃したものの、当時のクラブ史上最高となる勝ち点72を記録してみせた。しかし、その夏にチームの絶対的存在だったギャレス・ベイルがレアル・マドリードへ移籍。その移籍金でパウリーニョやクリスティアン・エリクセン、エリク・ラメラらの“マグニフィセント・セブン”と呼ばれた7人の大量補強を行ったが上手くハマらず、リヴァプールに0-5で大敗したことが引き金となり、2013年12月に解任された。

■ジョゼ・モウリーニョ

ジョゼ・モウリーニョ

チェルシー監督:2004年7月~2007年9月、2013年7月~2015年12月
トッテナム監督:2019年11月~2021年4月

 モウリーニョがチェルシーで残した功績を再確認する必要はないだろう。2004年7月から2007年9月、2013年7月から2015年12月と2度チームを率いた中で8つのトロフィーを獲得し、今でもクラブ史上最も成功を収めた監督となっている。

 そんな“スペシャル・ワン”はチェルシーの他にもインテル、レアル・マドリード、マンチェスター・Uといったクラブを指揮し、その全てのクラブでタイトルを獲得。2019年11月にマウリシオ・ポチェッティーノを解任したトッテナムが2008年以来の悲願のタイトルを獲るために満を持して連れてきたのがモウリーニョだった。

 就任から4カ月余りでパンデミックによる中断を余儀なくされるなどイレギュラーな形となった最初のシーズンは、タイトルは獲れなかったが、プレシーズンから準備ができた2020-21シーズンはカラバオ・カップ決勝まで勝ち進む。しかし、マンチェスター・Cとの決勝を6日後に控える中で電撃解任。当初はその直前に発表された欧州スーパーリーグ構想に反対したためとの報道もあったが、『BBC』などの大手メディアは「解任はチームの成績によるもので、スーパーリーグとは関係ない」と報じた。

 真相は闇の中だが、これでスパーズは、モウリーニョが2002年以降に指揮を執った中で唯一トロフィーを獲得できなかったクラブとなった。モウリーニョは次の職場であるローマで2021-22シーズンのヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)制覇を達成。今シーズンもEL決勝に勝ち進んでおり、その試合に向けた記者会見では「キャリアの中で唯一深い愛情を抱かなかったクラブはトッテナム。会長が多くのものを与えてくれず、決勝でトロフィーを掲げさせてくれなかったから」とトッテナムに当てつけのように語った。よっぽど悔しかったのだろうか…。

■アントニオ・コンテ

アントニオ・コンテ

チェルシー監督:2016年7月~2018年7月
トッテナム監督:2021年11月~2023年3月

 2016年夏にチェルシーの監督に就任したアントニオ・コンテは、序盤戦でリヴァプールとアーセナルに敗れたことで一部では解任報道も出たが、そのタイミングで3バックを導入。するとチームはそこからクラブ記録となる13連勝を含む快進撃を見せ、コンテもプレミア史上初となる月間最優秀監督賞を3カ月連続で受賞。結局、2試合を残してリーグ優勝を決め、当時のプレミア1シーズンの最多勝利記録(30)を樹立した。翌2017-18シーズンもFAカップで優勝。しかし、シーズン中にフロントとの確執が報じられ、リーグ戦で5位に終わりCL出場権を逃したことで夏に解任となった。

 その後、2020-21シーズンにインテルの指揮官としてチームをセリエA優勝に導き、ユヴェントスの連覇を9でストップ。しかし、ここでもフロントとの対立が表面化したことで、2021年5月に辞任が発表。それ以降、フリーになっていた同監督を招へいしたのが、同年11月にヌーノ・エスピリト・サント監督を解任したトッテナムだった。

 これまで何度もフロントとの問題でクラブを去ってきたコンテの起用には不安の声もあったが、ロンドンに戻ってきたコンテはシーズン途中の就任ながらもプレミア9位だったチームを最終的に4位に導き、クラブにCL出場権をもたらした。

 期待に満ちた初のフルシーズンだった今季は、トップ4をキープするなど健闘していたが、3月にFAカップ、CLで敗れて立て続けに大会から姿を消すと、先制しながらも追いつかれ、さらに2点突き放すも結局追いつかれて3-3のドローとなったサウサンプトン戦の試合後に「選手たちは言い訳ばかり。私にとっては受け入れがたい。なぜならこのような状況はキャリアで初めてだからだ」と怒りを爆発させ、「選手たちは重要なもののためにプレーしていないし、プレッシャーやストレスの中でやりたくない。これがトッテナムの物語だ。20年、このオーナーでやってきて、何も勝てていない」と選手と上層部を痛烈に批判。その8日後、コンテとトッテナムは双方合意のもとで契約を解除した。

 今回、両クラブを指揮した5人目の監督となるポチェッティーノ氏だが、これまでの4人は紹介したように、全員がチェルシーを指揮した後にスパーズへ行っている。これまでとは逆の方向に進むアルゼンチン人指揮官は、今季リーグ戦12位と沈んだ“ブルーズ”を立て直せるだろうか?

(記事/Footmedia)

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