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ベイルやウォルコットら…サウサンプトンのアカデミーが輩出した現役選手たち

サウサンプトンのアカデミーが輩出した8人の現役選手たち [写真]=Getty Images

 サウサンプトンに所属するイングランド代表MFジェームズ・ウォード・プラウズは、21日に行われたバーンリー戦で、プレミアリーグ通算300試合出場を達成した。1989年から2005年までサウサンプトンに所属したジェイソン・ドッドに続くクラブ史上2人目の快挙で、アカデミー出身選手としては初めてとなる。

ジェームズ・ウォード・プラウズ

 8歳でサウサンプトンのアカデミーに加入し、16歳でトップチームでのデビューを飾ったウォード・プラウズ。プレースキックの名手として知られ、数々の名キッカーを指導してきたマンチェスター・Cのジョゼップ・グアルディオラ監督からも、「今まで見てきた中で最高のフリーキッカー」と絶賛されたほどの実力の持ち主だ。

 育成力には定評のあるサウサンプトン。プレミアリーグ歴代最多スコアラーの座に君臨する元イングランド代表FWアラン・シアラーを輩出したのも、同クラブのアカデミーだ。しかし能力を開花させた選手たちの多くはビッグクラブへ羽ばたいていくため、サウサンプトンだけでプレミアリーグ300試合に到達する選手の出現には時間を要した。

 2020年にはキャプテンに任命されたウォード・プラウズは、複数クラブから関心を寄せられる中、2021年夏にサウサンプトンと新たに5年契約を締結した。イングランド代表MFは今後、この契約期間を全うすることになるのか、それともステップアップの道を選ぶのか。

 今回は、サウサンプトンのアカデミー出身の主な現役選手8人を紹介する。

※カッコ内は(現所属クラブ/ポジション/現年齢)
[写真]=Getty Images

■セオ・ウォルコット(サウサンプトン/FW/33歳)

セオ・ウォルコット

 サウサンプトンのトップチームでデビューを飾ってからわずか5カ月。アーセナルに引き抜かれた当時、セオ・ウォルコットはまだ16歳だった。2005年にチームをFAユースカップ決勝に導いたウォルコットは、同年8月にクラブ史上最年少となる16歳143日でトップチームの試合に初出場。2006年1月にアーセナルへ移籍し、17歳で同年夏のワールドカップのメンバーに登録された。

 アーセナルで出場機会が減り、退団を決意した2018年1月の移籍市場ではサウサンプトンも獲得に動いたとのこと。しかし最終的にはイングランド代表で共にプレーをしたウェイン・ルーニーに誘われエヴァートンを選択した。マンチェスター・Uを離れてキャリアのスタート地点であるエヴァートンに戻って来ていたルーニーの生き様はウォルコットに少なからず影響を与えたかもしれない。

 2020-21シーズンはエヴァートンからローンの形でセインツに復帰。シーズン終了後、正式に移籍を完了させた。今季はあまり出場機会には恵まれていないものの、若手選手たちは経験豊富なウォルコットから大いなる刺激を受けているようだ。ユース出身で22歳のMFネイサン・テラは「彼は僕たち若手を大いに助けてくれる。多くのことを経験してきた選手だからね」とウォルコットへの役割を明かしている。

■ギャレス・ベイル(レアル・マドリード/FW/32歳)

ギャレス・ベイル

 セインツのアカデミーが生んだ史上最高のタレントの一人であることは間違いないだろう。9歳でアカデミーに加入し、2006年4月に16歳275日でトップチームでのデビューを飾ったギャレス・ベイル。翌シーズンには早くもレギュラーの座を確保。当時2部リーグで戦っていたセインツがベイルを留めることは不可能だった。2007年にトッテナムへ移籍したベイルは、世界のビッグクラブが触手を伸ばすタレントに成長。24歳になった夏、当時史上最高額となる移籍金1億100万ユーロ(当時レートで約139億円)でレアル・マドリードに移籍した。

 スペインではファンの心を掴むことができなかったウェールズ代表FW。2020-21シーズンはトッテナムにローンの形で復帰。公式戦34試合に出場し、16得点3アシストの結果を残した。今季はマドリードに戻ってプレーをしているが、ケガや新型コロナの影響でここまでわずか7試合の出場に留まっている。

 同じ1989年生まれのウォルコットとは、アカデミーの寮生活時代に同部屋だったというベイル。いたずら好きで「部屋のドアの上に水を仕掛けて置いて、入って来る人がずぶ濡れになるようなバカげたこと」をして、ルームメイトを困らせていたことをウォルコットに暴露されている。

■タイロン・ミングス(アストン・ヴィラ/DF/29歳)

タイロン・ミングス

 準優勝に終わったEURO2020のグループステージ3試合で、イングランド代表のセンターバックを務めたタイロン・ミングスもサウサンプトンのアカデミーに在籍した過去を持つ。8歳でサウサンプトンの下部組織に入ったミングスだったが、16歳の時にクラブから退団を勧告される。理由は「小さすぎる」から。身長196センチでフィジカルの強い現在の姿からは想像もつかないが、当時のミングスはわずか173センチで細身の体形だったという。

 イプスウィッチで頭角を現したミングスは、2015年にアーセナル等も獲得を狙っていると伝えられる中、プレミアリーグに昇格したばかりのボーンマスと契約。しかしボーンマスでのデビュー戦となったホームでのレスター戦で、ピッチに送り込まれてからわずか6分で負傷交代。内側靭帯と前十字靭帯断裂の重傷を負ってしまい、1年以上も戦列を離れることになった。

 その後もケガによる離脱が多く、定位置を取れなかったミングスは、2019年1月に当時2部のアストン・ヴィラへローン移籍。同クラブのプレミア復帰に貢献し、夏に完全移籍を果たして以降、ヴィラの不動のセンターバックとして活躍。今季からはキャプテンも務めている。

■アレックス・オックスレイド・チェンバレン(リヴァプール/MF/28歳)

アレックス・オックスレイド・チェンバレン

 1つ年下のウォード・プラウズにとっては、お手本であり、常に背中を追う存在だったという。7歳でサウサンプトンのアカデミーに加わり、2010年に16歳199日でトップチーム初出場。当時3部リーグに所属していたサウサンプトンでレギュラーポジションを与えられたアレックス・オックスレイド・チェンバレンは、18歳の誕生日を迎える1週間前にアーセナルへ移籍した。

 1年目から公式戦26試合に出場するチャンスを与えられ、シーズン終了後にイングランド代表デビューを果たし、EURO2012にも参加。当時セインツで売り出し中だったウォード・プラウズは、「アレックスとは仲が良かったから、彼の成功を見ると自分もやってやろうと刺激になる」と話していた。

 契約期間が残り1年となった2017年の夏、チェンバレンはアーセナルからの好条件の契約延長のオファーも、チェルシーからの誘いも拒否してリヴァプールへ移籍。今季は加入してから初めて、ケガなくシーズンを送ることに成功している。

■ルーク・ショー(マンチェスター・U/DF/26歳)

ルーク・ショー

 2013-14シーズンをマウリシオ・ポチェッティーノ氏の下で当時クラブ史上最高位タイの8位で終えたサウサンプトンは、シーズン終了後に主力の大半を失うことになった。その中の一人が、8歳からサウサンプトンで育った左サイドバックのルーク・ショーだった。

 2012年にトップチームでデビューを飾り、2014年3月にイングランド代表でも初キャップを取得。同年のワールドカップには18歳で参加したショー。マンチェスター・Cやチェルシーも獲得を狙っていると報じられた中、契約にこぎつけたのはマンチェスター・Uだった。

 しかし2015年9月のチャンピオンズリーグ(CL)PSV戦で左足を重複骨折。ルイ・ファンハール当時監督を「今季はルーク・ショーのシーズンになると思っていた。素晴らしいスタートを切ったのでね。彼の離脱は大きな損失だ」と嘆かせた。その後も度重なるケガに泣かされ、コンディション面に関して元監督のジョゼ・モウリーニョ氏から公の場で批判されることも珍しくなかったショー。今月に入り、6年半前の手術で埋め込まれたボルトを除去する手術を受け、現在は戦列を離れている。

■アダム・ララーナ(ブライトン/MF/33歳)

アダム・ララーナ

「私がこのクラブを率いてきた間のアダム・ララーナの重要性を的確に説明する言葉を英語で見つけることができない」。リヴァプールで5年間、同選手と共に過ごしたユルゲン・クロップ監督の言葉に、セインツのファンも賛同するだろう。

 12歳でサウサンプトンのアカデミーに入り、ウォルコットやベイルと共に2004-05シーズンのFAユース杯準優勝の立役者となったララーナ。2008年からレギュラーとしてプレーをし、2012年にはキャプテンに就任。2013年11月にイングランド代表初キャップを獲得。2013-14シーズンのプレミアリーグのベストイレブンに選出され、2014年ワールドカップの全3試合でピッチに立ち、大会終了後にリヴァプールと長期契約を交わした。

 迷うことなくサウサンプトン時代と同じ背番号「20」を選択したララーナは、長年サポートしてくれたファンに感謝の気持ちを伝える為に地元紙『デイリーエコー』に全面広告を掲載。「決して忘れることのない14年間、思い出は生涯消えることはない。セインツ・ファンの皆、絶え間ないサポートをありがとう。永遠に忘れない」とメッセージを送った。

 コロナ禍により2019-20シーズン終了のタイミングが、契約満了日を過ぎることになったララーナ。最終的に1カ月の契約延長に合意したが、その際に何より気にしていたのは「他の選手の成長や出場機会の妨げになること」だったとか。ララーナを加えたブライトンは現在リーグ10位と健闘を見せている。

■カラム・チェンバース(アストン・ヴィラ/DF/27歳)

カラム・チェンバース

 2014年にアーセナルに移籍するまでは完璧なキャリアだった。7歳でセインツのアカデミーに入り、17歳でトップチーム初出場。2014年にアカデミーの先輩であるオックスレイド・チェンバレンとウォルコットも所属していたアーセナルへ移籍した当時、まだ19歳だった。

 開幕戦からスタメンの座を確保し、最初の月のクラブ月間最優秀選手にも選ばれたチェンバース。イングランド代表からも初招集を受け、2014年の間に3キャップを取得。しかし早咲きのユーティリティープレイヤーのキャリアはここから下降線に入る。アーセナルで徐々に出場機会を減らしたチェンバースは、2016-17シーズンはミドルズブラ、2018-19シーズンはフルアムにローン移籍。実践を積んでアーセナルに戻った後もピッチに立つ機会は増えず。

 今季開幕戦ではブレントフォードを相手に右サイドバックで、第3節マンチェスター・C戦ではスリーバックの一角で先発のチャンスを与えられたが、いずれも結果を出すことができず。その後はベンチにさえ入れない日々が続いたチェンバースは、冬の移籍市場でアストン・ヴィラにフリートランスファーで加入。ここまで6試合でピッチに立っている。サッカー界で酸いも甘いも味わったチェンバースだが、まだ27歳。もう一花も二花も咲かせる時間は十分に残されている。

■ベン・ホワイト(アーセナル/DF/24歳)

ベン・ホワイト

 2021年度のシンデレラボーイと言っても良いだろう。ミングスと同様に、セインツアカデミーでは落第生だったベン・ホワイト。16歳でサウサンプトンから放出された際には、母親がサッカー選手になりたいのかと意思確認をした上で、他のクラブに電話をかけてトライアルをアレンジしてくれたのだとか。その後、ブライトンの下部組織からトップチームに昇格し、他クラブから注目を集めるようになったホワイト。ビッグクラブへの移籍が確実視されていた2021年夏にEURO2020の候補に未キャップのまま選出。本戦のメンバーから一度は外れるも、リヴァプールDFトレント・アレクサンダー・アーノルドの離脱により追加登録された。

 息子のサッカー人生をつないだ母キャロルさんによれば、幼い頃のホワイトは免疫システムが機能せずに何度も感染症にかかるほど病弱で、病院で過ごす日々が多かったという。ユース世代の代表歴さえなかったDFの抜擢は大きな話題となった。EURO2020でピッチに立つ機会はなかったが、大会終了後に5000万ポンド(約84億円)でアーセナルへ移籍。トップ4入りを目指すガナーズの最終ラインを支えている。

(記事/Footmedia)

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