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批判の声相次ぐ中…英環境相、片ひざ立ちへのブーイングを擁護

片ひざ立ちを行うミルウォールの選手たち [写真]=Getty Images

 イギリス環境・食糧・農村地域省のジョージ・ユースティス大臣が、5日に行われたチャンピオンシップ(イングランド2部)第16節ミルウォール対ダービー・カウンティ戦での出来事に言及した。6日、イギリス紙『ガーディアン』が伝えた。

 イングランドのプロリーグでは6月のリーグ再開以降、5月にアメリカで黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警察官に頸部を圧迫され亡くなった事件を受け広がりを見せた「Black Lives Matter」運動に賛同し、キックオフ前に人種差別に反対の意思を示す片ひざ立ちのポーズを取っている。だが、新型コロナウイルスによる中断後から約9カ月ぶりに本拠地『ザ・デン』へ集まったミルウォールのサポーターは、選手たちの“テイク・ア・ニー”が始まった瞬間に猛烈なブーイングを浴びせた。

 ミルウォールのサポーターは以前から暴力行為や人種差別的なチャントなどで物議を醸してきたが、今回の“事件”も大きな波紋を呼ぶことになる。ネット上でブーイングへの非難が相次ぐ中、イングリッシュ・フットボールリーグ(EFL)やイングランドサッカー協会(FA)は、「反人種差別的な活動に対して能動的な批判を行う観客の振る舞いを非難する」との公式声明を発表した。

 キックオフ前に片ひざ立ちをせず、一人だけ立って拳を高く突き上げていたダービーのFWコリン・カジム・リチャーズは、自身の公式Twitterで『ザ・デン』の観客を非難。「何度でも言うよ。僕は誇りを持って立っているんだ」とキックオフ前のポーズが持つ意味を主張し、ブーイングを「絶対的な恥」と表現した。また、同クラブの暫定監督を務めるウェイン・ルーニーも「誰もその行動を容認しない」とブーイングに否定的な立場を取った。

 一方、「Black Lives Matter」については運動が広がった当初の理念が失われているとの指摘もなされており、片ひざ立ちポーズへのブーイングを支持する声があるのも事実。ユースティス大臣は「過去のサッカーの人種差別には明らかな問題があり、差別に対して挑むのは正しいことだ」と語りつつ、「私の個人的な見解としては、BLMは実際のところ、平等を支持する私たちのほとんどが信じているものとは異なる政治運動だ。これにどう向き合うかは、個人が自由に選択できる。(ミルウォールのサポーターがブーイングという)特定の手段で自らの意見を示すことを選んだのなら、それは常に尊重されるべきだ」とブーイングに一定の理解を示した。

 ミルウォールのギャリー・ローウェット監督は試合後、「選手たちは(BLMについて)政治的な側面は支持しないと言っているものの、差別に反対する側面は支持している」とコメントし、選手と観客の思惑が同じことではないと強調。また、ミルウォールも6日にクラブ公式サイトを通じて、次のような公式声明を発表している。

「ここ数カ月、サポーターの復帰に備えてたゆまぬ努力をしてきましたが、ポジティブでエキサイティングであったはずの場面は完全に影が薄くなりました。それらの努力に貢献した人々の間には、計り知れない失望と動揺が広がっています。この事件の影響は選手は経営陣だけでなく、ミルウォールの評判を高めるため日々熱心に取り組むクラブやコミュニティトラストのスタッフ・ボランティアにも及んでいます。今後数日間、クラブ、アカデミー、コミュニティトラストのスタッフは、Kick It Out(※反差別のNGO団体)などの団体と話し合い、短期的および長期的な解決策を模索します」

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