先発香川は幻のゴール…ドルトムントが快勝でELプレーオフ進出

　ヨーロッパリーグ予選3回戦セカンドレグが6日に行われ、日本代表MF香川真司とMF丸岡満が所属するドルトムントはホームでヴォルフスベルガーと対戦した。

　30日に行われたファーストレグではヨナス・ホフマンが挙げた1点を守りきったドルトムントが先勝。ヴォルフスベルガーは勝ち抜けのために勝利が絶対条件となり、ドルトムントは引き分け以上でプレーオフ進出が決まる。なお、第1戦でベンチスタートだった香川はこの試合に先発出場している。

　序盤から主導権を握ったドルトムントに最初のチャンスが訪れたのは26分。マルコ・ロイスが左サイドからクロスを上げ、中央でピエール・エメリク・オーバメヤンが頭で合わせたがGKに阻まれた。続く28分にはクロスボールのこぼれ球に反応したマッツ・フンメルスが、飛び出していたGKの頭上を越すシュートで狙ったがDFにクリアされてしまう。

　立て続けにチャンスを作ったドルトムントは37分、左サイドを崩し最後はロイスがグラウンダーの折り返しに右足ダイレクトで合わせる。しかしGKの正面に飛んでしまった。さらに40分、そのロイスが今度はエリア内でGKに倒されたが、PKは与えられない。

　なかなか先制点が奪えないドルトムントにこの日最大の決定機が訪れたのは42分。エリア手前中央で相手ボールを奪った香川がドリブルを仕掛けると、一気にDFを振りきってエリア内に侵入。最後は左足で冷静にゴール左に流し込んでネットを揺らした。ところが、香川がDFをかわした際にオーバメヤンがオフサイドポジションでプレーに関与したとして、ゴールは認められなかった。この判定にホームの大観衆からはブーイングが起こり、トーマス・トゥヘル監督も第4審判に猛抗議したが結局得点は認められず、前半をスコアレスで終えた。

　ピッチへ戻った主審が大ブーイングを浴びるなか後半がキックオフすると、直後の48分に試合が動く。中盤でボールを持ったイルカイ・ギュンドアンが左サイドの裏に抜けだしたヘンリク・ムヒタリアンにスルーパスを通すと、ムヒタリアンはダイレクトで中央へラストパス。エリア内でパスを受けたロイスがGKとの一対一を制してゴール左隅にしっかりと決め、ドルトムントが先制に成功する。

　ファーストレグと合わせて2点のリードを得たドルトムントはさらに64分に試合を決定づけるゴールを奪う。ギュンドアンから完璧なタイミングでDFの裏をとったオーバメヤンにスルーパスが渡ると、飛び出したGKの頭上を抜くループシュートでダメ押しゴールを決めた。追加点の直後、ゴンサロ・カストロが投入され、香川はピッチを退いた。

　なんとか一矢報いたいヴォルフスベルガーは68分、ロランド・プッチェに代えてタデイ・トルディナをピッチに送り前線の枚数を増やす。

　しかし選手交代後もチャンスが作れないヴォルフスベルガーをドルトムントが突き放す。73分、エリア手前左でボールを受けたムヒタリアンが左足のミドルシュートをゴール右隅に決めリードを広げた。ドルトムントは77分にロイスを下げてヨナス・ホフマン、ギュンドアンに代えてスヴェン・ベンダーを投入し交代カードを使い切る。

　すると82分、ムヒタリアンが今度は右足でこの日2点めとなるミドルシュートを決め4－0とし、さらに86分、またもムヒタリアンが右足ミドルをゴール左隅に決めハットトリックを達成した。

　試合はこのまま5－0で終了。接戦となったファーストレグとは一変、ホームで圧倒的な強さを見せつけたドルトムントが快勝を収めている。勝ったドルトムントはこれでプレーオフに進出。7日に組み合わせ抽選が行われ、20日にファーストレグ、27日にセカンドレグを戦う。

【スコア】
ドルトムント　5－0（2戦合計6－0）ヴォルフスベルガー

【得点者】
1－0　48分　マルコ・ロイス（ドルトムント）
2－0　64分　ピエール・エメリク・オーバメヤン（ドルトムント）
3－0　73分　ヘンリク・ムヒタリアン（ドルトムント）
4－0　82分　ヘンリク・ムヒタリアン（ドルトムント）
5－0　86分　ヘンリク・ムヒタリアン（ドルトムント）