[写真]=Getty Images
UEFAチャンピオンズリーグの本戦となるリーグフェーズが現地時間16日からいよいよスタートする。今シーズンもWOWOWではヨーロッパを代表する強豪クラブによって争われる世界最高峰の大会を、リーグフェーズから決勝まで独占生中継(放送・配信)する。
2025年10月31日までの期間限定でお得なシーズンパス販売中!
『サッカーキング』では、サッカー解説者として活躍中で、WOWOWでも試合の解説を務める林陵平氏に、王道から一歩踏み込み、『チャンピオンズリーグで活躍が期待できる21歳以下の選手』をテーマに、5選手をピックアップしてもらい、ニュースター候補の注目点を解説してもらった。
インタビュー=小松春生

現代サッカーでは若くても身体的なアスリート能力が発達し、15、6歳くらいでもトップレベルでプレーできる選手が多くいます。もちろん、まずは年齢関係なくトップレベルの基準値に達しているかが一番大切で、そこからプラスアルファの特徴があれば、監督も「使う」となります。それがヨーロッパでは当たり前の流れになっています。
チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ、カンファレンスリーグといったヨーロッパの大会では、普段のリーグ戦では見ることのできないチームを見ることができますし、いい選手が絶対にいるので、そこで「いい選手だな」で終わらせず、その選手を調べ、そこから少しでも追いかけることが大事になります。今回挙げるような選手や、ビッグクラブの試合をきっかけに、さらにサッカーへの理解や興味を深めてもらえたらうれしいです。
■リオ・ングモハ
(リヴァプール、2008年8月28日生まれ、17歳)

[写真]=Getty Images
チェルシーのアカデミー育ちで、2024年にリヴァプールへやってきました。縦に速く、中にカットインできる左ウイングのドリブラーです。8月末に17歳になったばかりの選手ですが、パワーもあるところが魅力ですね。右足の細かいタッチと、シザースがすごくうまくて、それを生かすためのボディフェイントも抜群。体は縦に行っているのに、タッチはカットインしているような。そのカットインからのシュートもパンチ力があって精度も高い。今夏の横浜F・マリノスとの親善試合でも見せてくれました。体はまだ細いですが、パワーもあって、ドリブルはゴリゴリ行く。球際でぶつかっても相手と入れ替わるように前進できる、すごく魅力的な選手です。
左サイドはコーディ・ガクポがいますが、夏にルイス・ディアス(バイエルン)が移籍したので、選手層を考えてもチャンスはあると思います。そのチャンスを生かせるだけの選手ですし、プレミアリーグ第2節のニューカッスル戦で終了間際の劇的決勝弾を決めるようなスター性もある。ボールロストや、プレー選択などはこれから学んでいく部分もあると思いますが、積極性があり、戦術理解度も高そうなので、アルネ・スロット監督の求める左ウイングの要素を多く持っていると思います。リヴァプールは右サイドバックのジェレミー・フリンポンが高い位置に出て、左サイドバックのミロシュ・ケルケズが中に入るので、左ウイングでワイドに張って1対1を仕掛けられるングモハのようなタイプの選手はすごくハマると思います。
2025年10月31日までの期間限定でお得なシーズンパス販売中!
■マックス・ダウマン
(アーセナル、2009年12月31日生まれ、15歳)

[写真]=Getty Images
ングモハは17歳ですが、ダウマンはもっと若い15歳。日本で言えば高校1年生。もう意味がわからないですよね(笑)。だけど、その年齢であっても振る舞いがいいんです。堂々としていて物怖じしないですし、立ち居振舞い、佇まいから感じる雰囲気が素晴らしいです。若い選手にとってすごく大事なことですね。ウイングの選手で、右で起用されることが多いですが、一つ内側のハーフスペースでのプレーができる。2ライン間でボールを受けて前を向けるし、外側から自分で縦に行ってカットインもできます。15歳にして、すでにプレーの幅が広く、何よりも常にゴール方向を意識している。PK奪取もプレシーズンからあり、後ろ向きでボールを受けても前を向こうとする。相手に脅威となる選手です。
右サイドの大外だけではなく、ユリエン・ティンバーやベン・ホワイトといった右サイドバックの選手がサイドを上がってきたら内側でプレーできますし、アーセナルは右サイドでローテーションのような形を使うので、マルティン・ウーデゴールとの関係性もできるので面白いですよね。アーセナルは選手層も厚く、まず試合に出ることが難しいですが、ゴールとアシストで2桁に乗せる可能性がある選手だと思います。下部組織出身選手ですし、サポーターの期待も大きいようですが、まだ15歳。彼自身は期待を背負っても「関係ないよ」というようなメンタリティの強さを見せてくれますが、周囲は親のような気持ちで、過剰なプレッシャーはかけないようにすることも大切ですね。
2025年10月31日までの期間限定でお得なシーズンパス販売中!
■ルーカス・ベリヴァル
(トッテナム・ホットスパー、2006年2月2日生まれ、19歳)

[写真]=Getty Images
昨シーズン加入して、途中出場も多かったですが、負傷者が続く中でチームに貢献しました。中盤の真ん中のポジションであればいろいろなことができる選手で、守備ではタフに戦え、戦術理解度もあり、攻撃でボールを運ぶ能力もあります。一番の魅力は躍動感ですね。前に運ぶ力に面白いものがあり、これからどれだけ伸びていくかを見ていきたいです。トーマス・フランク新監督のやり方にもマッチする選手だと思います。プレミアリーグの開幕戦でスタメン起用されたことに理由があると思っていて、セカンドボールを拾う、戦うといった基準をクリアしているし、調子のいい時に見せるプレス回避能力、前に運ぶ能力は求められていると思います。
ポジションは4-3-3のインサイドハーフが一番合うと思います。今のスパーズは4-2-3-1から、攻撃時に4-3-3気味になるので、ベリヴァルにとってはすごくハマるシステムです。2ボランチの一角もできますが、守備と前線をつなぐ間くらいが、一番フィットすると思います。そして何よりも甘いマスクがある。これは推しておきたいです(笑)。それでいてハートがあって、チームのために戦える。見ていて応援したくなるタイプの選手です。まだまだ試合ごとの安定感にはばらつきがありますし、シャビ・シモンズの加入もあって、ポジション争いはし烈ですが、若く、ハートのある選手なので、より伸びていくと思います。
2025年10月31日までの期間限定でお得なシーズンパス販売中!
■ジャン・ウズン
(フランクフルト、2005年11月11日生まれ、19歳)

[写真]=Getty Images
一昨年、2部のニュルンベルクでリーグ戦30試合16得点と活躍し、昨シーズンにフランクフルトに移籍したトルコ代表のゲームメイカーです。昨シーズンは途中出場が多かったですが、今シーズンはトップ下の選手として開幕戦から活躍しています。両足の使い方がうまく、186センチとサイズもありますが、足元のしなやかさがある。技術が高い選手にありがちなボールの持ちすぎもまったくなく、周囲を使え、効果的なプレー選択ができる選手です。トルコの選手はテクニックレベルが基本的に高いですし、アルダ・ギュレル(レアル・マドリード)やケナン・ユルディズ(ユヴェントス)といった2列目に若くていい選手がいますが、ウズンもトルコ代表の中心選手になっていくと思います。
フランクフルトは今夏に堂安律が加入したことで、彼をきっかけに見る方も多いと思います。その時にはぜひトップ下のウズンも一緒に見てほしい。絶対に目に入る選手です。プレーはシンプルですが、ミスが少なく、ゴール前では仕掛けることも、ミドルシュートもあります。フランクフルトはウズン、堂安に加えて左サイドにジャン・マテオ・バホヤがいて、この2列目がかなり面白そうです。前線にはマインツで活躍したヨナタン・ブルカルトを獲得してきているので、この攻撃陣を操るウズンに期待です。要注目!
2025年10月31日までの期間限定でお得なシーズンパス販売中!
■ミケル・ハウレギサール
(アスレティック・ビルバオ、2003年11月13日生まれ、21歳)

[写真]=Getty Images
この選手に注目したのが、昨シーズンのヨーロッパリーグのアウェーでのマンチェスター・ユナイテッド戦でした。鮮やかなミドルシュートを決めた試合で、僕もWOWOWで解説をしていたんですが、すごくいい選手だなと。まだ知らない方に向けてプレースタイルをイメージしてもらうなら、シャビのようにボールを受けて、シンプルに前へつなぐ、チームがスムーズに動くための潤滑油のような中盤の選手です。今で言えばマルティン・スビメンディ(アーセナル)。受けたら前方向にどんどんパスを出せます。その配球も素晴らしいですし、視野が広く、キックもうまい。後ろからゲームを作れる選手です。ビルドアップの出口になりますし、守備でもタフに戦えて前からガンガンつぶしに行けます。基本は4-2-3-1のダブルボランチの一角ですが、アンカーもできます。
サッカーは前線の選手といったわかりやすいポジションにどうしても目が行きがちですが、彼のようなピッチの真ん中にいることでチームがうまく回り出す選手を見つけられると、サッカーの見方が深くなり、さらに面白くなります。チームにはニコ・ウィリアムズやイニャキ・ウィリアムズ、オイアン・サンセトのようなタレントが前線にいますが、その後ろにハウレギサールがいることで中盤が安定し、配球によって全体が動き、前線が活性化する仕組みになっています。「俺、ハウレギサール知っています」と言えば、サッカー好きだなと思わせられるでしょうし、その1名としてぜひ注目してほしいですね。この記事を読んだからと言わなくていいので(笑)、自分が知っていたかのように、周りに勧めてほしい選手です。
【PR】チャンピオンズリーグは
WOWOWが独占配信!
「WOWOW」は、テレビやBS視聴環境がなくてもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・、UEFAヨーロッパリーグ(EL)をはじめとしたさまざまなコンテンツを月額2,530円(税込)で楽しめるサービス。
CL、ELのリーグフェーズの注目試合と決勝トーナメントの全試合を放送・配信するほか、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)の決勝や注目試合も視聴できる。
欧州最高峰のサッカーを楽しみたいなら、今すぐ加入しよう!
- ① CL・ELの注目試合&決勝トーナメント全試合を堪能できる!
- ② 「WOWOW」はいつでもどこでも好きなデバイスで視聴可能!
- ③ スポーツ、映画、音楽、ドラマなど幅広いコンテンツが楽しめる!
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長
