FIFAによる子会社設立と株式売却計画が物議を醸している [写真]=Getty Images
アジアサッカー連盟(AFC)は31日、「FIFA Forward Enterprise(FFE)」設立計画への見解を示した。
FFEとはFIFAの商業やFIFAワールドカップ等の主催大会の運営を担い、放映権やスポンサーシップ、チケット販売、ライセンス事業などを一元的に管理する子会社。FIFAが経営権を維持したまま少数株式を長期投資家へ売却することで、今年後半までに最大42億ドル(約6700億円)の調達を目指し、それを原資に加盟協会すべてに今後4年間で少なくとも2000万ドル(約32億円)の開発資金を提供する計画となっている。
FFEはFIFA加盟国の過半数の支持とFIFA理事会による承認が設立条件となっているが、ワールドカップという世界最高峰の大会を含むFIFAの商業権の一部を民間投資家に売却するという前例のない計画は多くの反発を招いており、すでに欧州サッカー連盟(UEFA)と北中米サッカー連盟(CONCACAF)は反対姿勢を表明。両連盟に加盟しているすべての協会がFFE設立案を拒否したことが明らかになっている。
そんな中、AFCは「FIFAワールドカップを守るため、UEFAならびにCONCACAFと連帯する」と立場を示しつつ、計画に対する深刻な懸念を表明した。
「FFEの設立案をめぐるここ数日間の動きと、それによって世界のサッカー界に生じている不確実な状況を、深い懸念を持って注視している。AFCはFIFA主催大会への民間資本導入の提案およびFFEをめぐる意思決定プロセスに対し、UEFAやCONCACAFと同様に深刻な懸念を抱いており、両連盟との連帯の意を表明する。ワールドカップのボイコットという可能性が公の議論に上るほどの事態に至ったことは、サッカーの未来を憂うすべての人々にとって懸念すべき事態だ。サッカーはこのような状況に置かれるべきではない」
「こうした背景や、UEFAおよびCONCACAFが示した明確な立場、さらにはサッカー界に生じている前例のない分断を鑑み、AFCは提案されているFFE計画を推進するために不可欠な幅広い合意や結束を現実的に得られるとは考えていない。ワールドカップは世界のサッカーの頂点であり、すべての連盟や主要国の参加によって支えられている。大会の結束や普遍的性質を損なう恐れがある提案は再考されなければならない」
また、AFCは「この問題が単一の提案の枠を遥かに超えるものだと認識している」とした上で、不透明な意思決定プロセスを問題視。FIFAの組織改革の必要性を求めている。
「世界のサッカーの商業的、協議的、そして戦略的未来に影響を及ぼす可能性があるこれほど重要な提案が、連盟や加盟協会(MA)、さらには理事会を含むFIFA自身の統治機関さえも蚊帳の外に置くようなプロセスを経て浮上してはならない。世界のサッカーにとっての優先事項は、これほど重大な決定が透明性に基づき、信頼を得られるようなプロセスを通じて策定されるようにすることであるはずだ」
「主要なステークホルダーが、すでに方針が決定されたかのような段階になってから重要な取り組みに直面するのは今回が初めてではない。こうしたアプローチはFIFAのガバナンス体制への信頼を損ない、その規約に基づく機関の権威を低下させる。いかに善意に基づくものであっても、後から行われる協議プロセスがFIFAの適切な期間やサッカーファミリーとの早期の関わりに取って代わることなどできない」
「AFCは今こそ組織改革を強化する契機だと考えている。世界のサッカーの将来に影響を及ぼす提案を検討、決定する機会はすべてのMAに与えれらるべきだが、真の意味での民主主義は、単に投票の機会があるか否かだけで測られるべきではない。それは、透明性のあるガバナンス、適時の協議、十分な情報に基づく審議、そして意思決定プロセス全体への参加から始まるのだ」
「したがって、AFCは世界的に重要な提案が適切な協議、有意義な関わり、そしてFIFAの法定機関による適切な監督を経て策定されるよう、FIFAに対してガバナンスおよび意思決定の枠組みを早急に見直すよう求める」
By サッカーキング編集部
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