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ヨルダン、初のアジアカップ決勝進出! 16大会ぶりの優勝を目指した韓国は4強敗退

2024.02.07

アル・ターマリは1得点1アシストで勝利の原動力に [写真]=Getty Images

 AFCアジアカップカタール2023・準決勝が6日に行われ、ヨルダン代表韓国代表が対戦した。

 グループEで同居していた両チームが、決勝行きの切符を懸けた舞台で再び激突する。今大会、ヨルダン代表はグループステージ第1節でマレーシア代表に4-0と大勝するも、続く第2節では韓国代表との一戦を2-2のドローで終え、第3節ではバーレーン代表に0-1で敗れた。最終節でグループEの3位に転落したものの、各グループの3位チームの中では成績がトップとなり、2大会連続のグループステージ突破が決定。決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)では日本代表を抑えてグループDを首位通過したイラク代表を、後半アディショナルタイムの劇的な2得点により3-2で下す。3大会ぶりのベスト8入りを果たすと、準々決勝では大会初出場で快進撃を続けていたタジキスタン代表を1-0で破り、史上初の準決勝へ辿り着いた。

 一方、韓国代表はグループステージ第1節でバーレーン代表を3-1で下すと、第2節は前述の通りヨルダン代表と2-2のドロー。最終節ではマレーシア代表との一戦を撃ち合いの末に3-3で終え、最終的に1勝2分の2位でグループステージを通過した。ラウンド16ではサウジアラビア代表との、FIFAワールドカップカタール2022出場国同士の対戦に臨み、PK戦の末に勝利。準々決勝では優勝候補の一角だったオーストラリア代表を相手に追い込まれながら、後半アディショナルタイムにソン・フンミンが獲得したPKをファン・ヒチャンが決めて同点に追いつくと、延長前半にはソン・フンミンが直接フリーキックを叩き込み、2-1と逆転勝利を飾った。4試合連続で後半アディショナルタイムに得点を記録し、2大会ぶりの準決勝進出を果たしている。

 ヨルダン代表はタジキスタン代表との一戦からスターティングメンバー3名を入れ替えて準決勝へ臨む。負傷の影響でメンバー外が続いていたヌール・アル・ラワブデが、第1節マレーシア代表戦以来の先発に復帰した。一方、韓国代表はオーストラリア代表戦から2名を変更。“守備の要”キム・キンジェが出場停止のため、センターバックにはかつてサガン鳥栖や鹿島アントラーズで活躍したチョン・スンヒョンを2試合ぶりに先発起用。GKチョ・ヒョヌと最終ラインの4枚が、蔚山現代の選手で揃えられた。最前線にはソン・フンミンが入っている。

 試合は立ち上がりからヨルダン代表が勢い良く攻撃に出る。開始30秒ほどで左コーナーキックからこの試合最初のシュートを放つと、以降も効果的にロングボールを用いながらフィニッシュまで持ち込むシーンを構築。18分にはピッチ中央でボールを奪ったところからパスを繋ぎ、ムサ・アル・ターマリが持ち運んでスルーパスを狙う。ここは通らなかったものの、こぼれ球を拾ったアル・ラワブデがダイレクトで右足一閃。シュートは枠をとらえたが、GKチョ・ヒョヌに阻まれた。続く26分には敵陣中央でセカンドボールを拾ったヤザン・アル・ナイマトが強引な突破から左足を振るも、またもGKチョ・ヒョヌが立ちはだかる。

 対する韓国代表は4-1-4-1のような布陣で試合に入り、セントラルハーフの運動量を活かしつつ、基本的には相手にボールを持たせても陣形を崩すことなく試合を進める。攻撃面ではなかなか崩し切るシーンを作り出せなかったものの、29分には左サイドバックのソル・ヨンウが、ファン・ヒチャンとのワンツーでボックス左へ侵入。ヤザン・アル・アラブと接触し、PKが与えられたものの、ソル・ヨンウの足が先にアル・アラブに入っていたため、OFR(オンフィールドレビュー)を経てPKは取り消しに。

 続く32分には中央でソン・フンミンが起点となり、敵陣右サイドでファン・インボムがボールを受けると、ボックス内へ斜めのボールを入れる。収めたソン・フンミンはフィニッシュまで持ち込めなかったものの、うまくボールをキープして再び右サイドへ。ファン・インボムがセンタリングを送ると、中央で待っていたイ・ジェソンが頭で合わせたが、ヘディングシュートはポストに嫌われた。

 前半はこのままスコアレスで終盤に差し掛かったものの、42分にはヨルダン代表がこの日最大の決定機を作り出す。自陣でボールを奪ったところから、アル・ターマリが一気にスピードアップ。敵陣まで持ち運び、スルーパスを送ると、ボールはボックス右のアル・ナイマトへ。パク・ヨンウとチョン・スンヒョンに囲まれながら、巧みなボールタッチで置き去りにすると、カバーに来たイ・ジェソンもかわし、右足アウトサイドでシュート。ここはGKチョ・ヒョヌの顔面セーブに防がれる。こぼれ球にアル・ラワブデが詰めたが、立ち上がろうとしたGKチョ・ヒョヌのかかとにブロックされた。

 前半はこのままスコアレスで終了。後半に入ると、53分に遂に均衡が破れる。ピッチ中央でパク・ヨンウからのバックパスを狙っていたアル・ターマリが、ボールを掻っ攫って一気に加速。ボックス右のスペースへスルーパスを送ると、走り込んでいたアル・ナイマトは、飛び出していたGKチョ・ヒョヌの位置を見てループシュートを沈めた。立ち上がりから良い攻撃を見せていたヨルダン代表がGKチョ・ヒョヌの壁をこじ開け、先手を取っている。

 1点ビハインドとなった韓国代表は、直後の56分にパク・ヨンウを下げてチョ・ギュソンを投入。本職のセンターフォワードをピッチへ送り出した。すると60分、右コーナーキックからチョ・ギュソンがヘディングシュートを放つも、シュートはわずかにクロスバーの上へ外れる。

 ヨルダン代表は先制してからも戦い方に迷いが見られず、64分には背後からのボールをうまく収めたアル・ターマリが左足で狙うも、シュートはGKチョ・ヒョヌに弾き出される。それでも66分には、自陣でのボール奪取からアル・ターマリが長い距離を持ち運び、ペナルティエリア手前から左足でシュート。狙い澄ました一撃はファーサイドに吸い込まれ、ヨルダン代表が大きな追加点を手にした。

 韓国代表は4試合連続で後半アディショナルタイムにゴールを挙げている中、この試合のアディショナルタイムは8分間。ソン・フンミンやイ・ガンインが個人で打開を試みたものの、この試合ではなかなか決定的なシーンが作り出せない。

 試合はこのままタイムアップ。ヨルダン代表が初めてアジアカップ決勝行きの切符を掴み取った。一方、韓国代表の戦いはここで終戦。16大会ぶりのアジア制覇は成し遂げられなかった。

 今大会の決勝は、日本時間で2月10日の24:00(11日の0:00)に『ルサイル・スタジアム』にてキックオフ。勝利したヨルダン代表は、イラン代表対カタール代表の勝者と対戦する。

【スコア】
ヨルダン代表 2-0 韓国代表

【得点者】
1-0 53分 ヤザン・アル・ナイマトヨルダン代表
2-0 66分 ムサ・アル・ターマリヨルダン代表

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By サッカーキング編集部

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