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オーストラリアが最多3名、日本からは2名が選出…2022年のU20アジアベストイレブン!

2023.02.13

2022年のU-20アジア年間ベストイレブン [写真]=Getty Images

 国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)が2022年のU-20アジア年間ベストイレブンを発表しているので紹介しよう。
 
 IFFHSは、データなどを元に各大陸連盟におけるU-20世代のベストイレブンを発表。いわゆる次世代の“スター候補生たち”を選出したのだ。とはいっても、同部門のUEFA(欧州)ベスト11には既に大舞台で活躍する一流プレーヤーがずらり。ドルトムント所属のイングランド代表MFジュード・ベリンガム(19歳)を始め、スペイン代表でもコンビを組むバルセロナ所属のMFガビ(18歳)とMFペドリ(20歳)など昨年のワールドカップでも代表チームの中心として活躍したタレントが選出された。
 
 さらに、そのワールドカップで大注目を集めることになったクロアチア代表DFヨシュコ・グヴァルディオル(21歳)もベスト11入り。そして前線にはバルセロナのFWアンス・ファティ(20歳)やバイエルン所属のドイツ代表DFジャマル・ムシアラ(19歳)といった才能が名を連ねた。
 
 そんなU-20世代のベストイレブンの「アジア版」はどうなっているのか見てみよう。

[写真]=Getty Images
 

■GK佐々木雅士(日本) 柏レイソル所属/2002年5月1日生まれ(20歳)


 
 アジア最高の若手ゴールキーパーに選出されたのは、柏レイソルに所属するプロ3年目の20歳だ。クラブ生え抜きの佐々木雅士は、昨年5月にGKキム・スンギュが移籍したことで出番を掴むと、昨シーズンはJ1リーグで20試合に出場して一気に飛躍。今シーズンも守護神としての活躍が期待される。
 
 各年代の世代別代表にも選出されており、昨年はU-21代表として活動。6月に行われたU-23アジアカップではメンバー入りしながらも出場機会がなかったが、その後の親善試合で起用されるなど、GK鈴木彩艶(浦和)やGK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)等と熾烈な定位置争いを繰り広げている。というわけで、アジアの若手ベストキーパーは2024年のパリ五輪を目指す柏のショットストッパーだ。

■CBチェイス・アンリ(日本) シュトゥットガルト所属/2004年3月24日生まれ(18歳)

(写真は2021年)


 
 今回のベストイレブンには日本から2選手が選ばれた。それがGK佐々木雅士とDFチェイス・アンリである。尚志高校で全国高等学校サッカー選手権大会に出場して優秀選手に選ばれたチェイス・アンリは、卒業後にJリーグではなくドイツのシュトゥットガルトに入団。今シーズンは、トップチームでの出場こそないがドイツ4部に所属するシュトゥットガルトのセカンドチームで定期的に試合に出て経験を積んでいる。
 
 187㎝の高さと圧倒的な身体能力を活かした対人守備、さらにはセットプレー時の攻撃にも期待が寄せられるセンターバックは、既に飛び級でU-21日本代表でも活躍している。前述のU-23アジアカップでは4試合に出場してチームの3位に貢献した。このまま欧州で研鑽を積み、来年のパリ五輪ではチームの中心として世界の頂点を狙うだろう。
 

■右SBジョシュア・ローリンズ(オーストラリア) ユトレヒト所属/2004年4月23日生まれ(18歳)


 
 右サイドバックに選出されたのはオーストラリアU-23代表のジョシュア・ローリンズ(18歳)だ。オーストラリアのパース・グローリーでキャリアを歩み始めたローリンズは、2020年11月に16歳でプロデビュー。アジアチャンピオンズリーグの最年少記録となる「16歳272日」でピッチに立った。その後、昨年7月にオランダのユトレヒトに移籍すると、今季は同クラブのセカンドチーム(オランダ2部)で定期的に試合に出ている。パリ五輪の予選も兼ねている2024年U-23アジアカップでは日本の好敵手になりそうだ。

■CBジャッセム・ガベル(カタール) アル・アラビ所属/2002年2月20日生まれ(20歳)


 
 チェイス・アンリと共にセンターバックで選出されたのはカタールの若手DFジャッセム・ガベルだ。同国の名門アスパイア・アカデミー出身のガベルは、2019年から所属するアル・アラビで17歳から試合に出ており、母国開催となった昨年のワールドカップでも出番こそなかったがカタール代表に選出されていた。今回唯一、2021年版に続いて2年連続での『IFFHSアジアU-20ベストイレブン』選出となった。

■CBジョーダン・コートニー・パーキンス(オーストラリア) ブリスベン・ロアー所属/2002年11月6日生まれ(20歳)


 
 最終ラインの最後の1人は、センターバックと左サイドバックをこなすオーストラリアの若手が選出された。ブリスベン・ロアーの最年少記録となる「16歳276日」でプロデビューを果たしたコートニー・パーキンスは、2021年6月にポーランドのラクフへ移籍。リーグ戦の第2節に初出場を果たしたが、その後は出番が限られたためローン移籍。今季は古巣ブリスベン・ロアーに戻って左ウィングバックなどで活躍している。

■MFキャメロン・パーピオン(オーストラリア) ブライトン所属/2002年9月23日生まれ(20歳)


 
 今回のベスト11にはオーストラリアから最多3名が選出されており、その3人目が日本代表MF三笘薫のチームメイトでもあるブライト所属のパーピオンだ。シドニーFCでキャリアをスタートさせたパーピオンは、2020年にブライトンのアカデミーに加入。今のところプレミアリーグでの出番はないが、今季8月のリーグカップで遂にトップチームデビューを果たした。ウィングやトップ下など、様々なポジションをこなせるMFは今後が楽しみな若い才能だ。

■MFアレクサンダー・アオラハ(イラク) QPR所属/2003年1月17日生まれ(20歳)

 
 イラク人の父の元、ロンドンで生まれ育ったアオラハは、イングランド2部のQPRで研鑽を積んでいる。同クラブのアカデミーを経て、現在はU-21チームに所属しながら、たまにトップチームの練習に参加している。守備的MFやセントラルMFを任されることの多いアオラハは、昨年6月のU-23アジアカップにも出場すると、昨年11月にはA代表デビューまで果たした!
 

■MFジャスールベク・ジャロリディノフ(ウズベキスタン) ロコモティフ・タシュケント所属/2002年5月15日生まれ(20歳)

 
 国内の強豪ブニョドコル時代にはウズベキスタン・スーパーリーグの最年少記録となる「16歳80日」でゴールを決めた若きタレント。2020年にロシアのロコモティフ・モスクワに引き抜かれたが、現在は母国ウズベキスタンに戻ってロコモティフ・タシュケントに所属している。母国開催となった昨年6月のU-23アジアカップでは、主将として出場して大会最多タイの3ゴールを決めてウズベキスタンの準優勝に貢献した。

■FWオム・チソン(韓国) 光州FC所属/2002年5月9日生まれ(20歳)

(写真は2019)


 
 今回のベスト11で唯一、韓国から選出されたのがFWオム・チソンだ。若きウィンガーは、2022年シーズンにKリーグ2(韓国2部)で28試合に出場。9ゴールを叩き出して光州FCの1部復帰に貢献した。昨年4月の試合ではサイドからカットインして豪快なシュートを決め、それがKリーグ2の年間ベストゴールの8位に選ばれた。2019年のU-17ワールドカップにも出場したオム・チソンは、昨年1月に19歳にしてA代表デビューも果たしており、今後の飛躍が期待される。

■FWアブドゥラー・ラディーフ(サウジアラビア) アル・タアーウン所属/2003年1月20日生まれ(20歳)

(写真は2021年)


 
 サウジアラビアの期待の若手もベスト11に選出された。国内の名門アル・ヒラルでキャリアを歩み始めたアブドゥラー・ラディーフは、2021年12月に若手主体で臨んだアラブカップでA代表デビュー。その後は世代別代表でプレーしており、昨年9月にはU-20アジアカップ予選で5ゴールを量産して本選出場権の獲得に貢献した。今シーズンは、経験を積むためにアル・ヒラルからアル・タアーウンにローン移籍している。

■FWハリブ・アブダラー・スハイル(UAE) シャバーブ・アル・アハリ所属/2002年11月26日生まれ(20歳)

 
 ベスト11の最後の1人は、既にUAEのフル代表でも活躍しているウィンガーだ。元UAE代表DFを父に持つスハイルは、昨年のワールドカップ・アジア予選でも活躍。3次予選の最終節となった韓国戦では、DFラインの裏に抜け出して得意の左足で冷静に流し込んで決勝ゴールをマーク。6月に開催されたアジア予選プレーオフのオーストラリア戦でも1アシストを記録したが、残念ながらチームは1-2で敗れてワールドカップ出場を逃した。スピードとテクニックを併せ持つ注目のタレントだ。

(記事/Footmedia)

By Footmedia

「フットボール」と「メディア」ふたつの要素を併せ持つプロフェッショナル集団を目指し集まったグループ。

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