韓国代表を率いるパウロ・ベント監督(写真は2021年11月のイラク戦のもの) [写真]=Getty Images
27日に行われたFIFAワールドカップ・カタール2022アジア最終予選の第7節で、日本代表は中国代表に2ー0で勝利した。後半には最大5人の交代枠をフル活用し、途中出場のDF中山雄太がMF伊東純也の追加点をアシストするなど、交代選手の活躍が見られた。
一方、同日にレバノン代表を1ー0で下した韓国代表は正反対のベンチワークを見せた。90分を通して1人も選手交代を行わなかったのだ。
韓国代表はFWソン・フンミン、FWファン・ヒチャンの主力2枚を負傷で欠いたなか、アウェイの劣悪なピッチに苦しみながらも勝利をもぎ取った。この試合ではGKキム・スンギュ、DFイ・ヨン、DFキム・ミンジェ、DFキム・ヨングォン、DFキム・ジンス、MFチョン・ウヨン、MFファン・インボム、MFイ・ジェソン、MFクォン・チャンフン、FWチョ・ギュソン、FWファン・ウィジョが先発出場した。
控えには、不在のソン・フンミンに代わり背番号7を付けたFWチョン・ウヨンのほか、直前の強化試合(アイスランド代表戦、モルドバ代表戦)で連続得点を挙げて好調ぶりをアピールしたバルセロナ下部組織出身MFペク・スンホ、ガンバ大阪の新加入DFクォン・ギョンウォンなど、実力ある選手が名を連ねていた。ただ、チームを率いるパウロ・ベント監督は一度も交代カードを切ることはなかった。
韓国サッカー協会によると、韓国代表が国際Aマッチで一度も交代枠を使わなかったのは、2006年10月11日にソウルワールドカップ競技場で行われたアジアカップ予選のシリア代表戦以来、実に15年3カ月ぶりのこと。
その試合は開始早々に韓国代表が先制するも、前半のうちにシリア代表に同点に追いつかれ1ー1の引き分けに終わっていた。今回のレバノン代表戦も韓国代表が前半に先制しただけに、交代ゼロのままドローに持ち込まれるようなことがあれば、自国メディアやファンから厳しい指摘が飛んだことだろう。
何はともあれ、韓国代表は先発11人だけでアウェイゲームを戦い抜き、勝ち点3を獲得した。来る2月1日に中立地UAEで行われる第8節のシリア代表戦で勝利すれば、10大会連続11回目の本大会出場が確定する。
今節にアジア勢1番手で本大会出場を決めたイラン代表に続き、韓国代表も次節でカタール行きのチケットを確保できるのか。重要な一戦となる次節では、ベント監督がどんな采配を見せてくれるのかにも注目したい。
文=ピッチコミュニケーションズ