2014.09.10

8シーズンで獲得した101選手は全て無料…ラージョの驚くべき補強戦略

ラージョ・バジェカーノ
移籍金ゼロの補強戦略でリーガ中位に定着するラージョ [写真]=Getty Images

 今夏、リーガ・エスパニョーラには、コロンビア代表MFのハメス・ロドリゲスやウルグアイ代表FWのルイス・スアレスなど、ブラジル・ワールドカップでお茶の間を賑わせたスターたちが次々とやってきた。前年度優勝クラブのアトレティコ・マドリードも補強費に1億ユーロ以上を投じるなど、例年になく、羽振りの良さが目立つ夏だったと言える。

 そんな中、スペイン紙『アス』は、最近8シーズンもの間、一銭も支払うことなく次から次へと選手を獲得するクラブがあると紹介している。そのクラブとは、首都マドリードの“第三勢力”と言われるラージョ・バジェカーノ。同紙によれば、彼らが最近8シーズンで獲得した選手、計101名にかかったコストは“ゼロ”だという。またこの間、彼らはレンタル料すら支払っていないそうだ。

 2007年夏、元スペイン代表MFフェリペ・ミニャンブレス氏がクラブのスポーツディレクターに就任した時から、今に続く補強術は始まった。当時3部に在籍したラージョは、8名の選手を移籍金ゼロで獲得。すると同シーズン、クラブは2部昇格を達成し、翌シーズンは9名の選手を無料でチームに加えた。ちなみに現在もチームに在籍するGKダビド・コベーニョは、この時に加入した選手である。その後、移籍金ゼロでの選手獲得数は、毎シーズン2桁に達するようになった。

 なお同期間内には、この補強術をより一層、定着させる出来事があった。それが、2011年6月の倒産法申請である。ラージョはそのわずかひと月前、9シーズンぶりの1部昇格を実現させたばかりだったが、クラブ財政は火の車で、一転して存続の危機に立たされた。それ以後、“コストゼロ”かつ“単年契約”での選手獲得は、図らずしも生き残りをかけた処世術となったのだ。

 実際、倒産法申請後の選手獲得数は、2011-12シーズンを皮切りに、15名、14名、16名とトップチーム登録メンバーの約3分の2を占めるまでになり、今シーズンはついに過去最多の17名を記録。もちろん、全員が移籍金ゼロでの加入である。もっとも、この17名は夏の移籍市場のみの数であり、冬の移籍市場でさらにその数が増える可能性もある。

 一方で、ラージョは選手売却の面でも、やり繰り上手を発揮している。例えば、FWレオ・バプティスタンは、昨夏にアトレティコ・マドリードへ移籍金700万ユーロで売却したが、逆に今夏、レンタル移籍でクラブ復帰を果たした同選手のレンタル料は、全くかかっていない。また2011年夏には、DFコケを移籍金180万ユーロでセビージャに、また2012年夏には、MFミチュを移籍金250万ユーロでスウォンジーにそれぞれ売却したが、前者はカンテラ出身、後者はセルタからフリーで獲得した選手であり、いずれも獲得費用はゼロだった。

 先日、スペイン紙『マルカ』では、「今夏、リーガで最も効率の良い補強・放出をしたチーム」と題した読者アンケートが行われ、ラージョは、バレンシア(7.5点)、アトレティコ(7点)に次ぐ6点を獲得した。現地のサッカーファンからも、独自の補強術については高く評価されている。もし今シーズンも残留を達成すれば、クラブ記録の5年連続1部在籍が確定し、そうなった暁には、この“ノーリスク・ハイリターン”の強化策は今以上にスポットライトを浴びることになりそうだ。

(記事/Footmedia)

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