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S広島Rは連勝ならず…左山桃子が失点後に意地のWE初得点「どうにかチームのために」

2022.10.31

一時は同点とするゴールを決め、チームメイトと喜ぶ左山(中央) [写真]=WE LEAGUE

 サンフレッチェ広島レジーナは10月30日、Yogibo WEリーグ第2節でノジマステラ神奈川相模原と対戦し、1-2で敗れた。相手に圧倒される展開が続いた中で、ゲームキャプテンのDF左山桃子が失点に絡んだ直後に意地のゴールを決めた。

 スコアは接戦だったが、シュートを17本浴びるなど内容は完敗だった。S広島Rは相手の素早い攻守の切り替えや球際の強さに苦しんでボールを保持できず。躍動感あるパスワークを見せた相模原の勢いに圧倒された。

 試合後の会見で相模原の菅野将晃監督が「今日は守備での即時ボール回収や、パスでボールを動かしつつ選手も動きつづけることを目指していた」と話したように、相手の思うような試合を作られた。S広島Rの中村伸監督は、「試合を通じて相手の土俵でサッカーをしてしまった。球際の部分で相手を上回れなかったことが一番大きな課題」と話した。

 フル出場した左山は試合後、「前半から相手のペースになってしまった。自分たちのペースに持っていけるように、試合の中でもっと話さないといけない」と振り返り、「(中盤でボールを奪われていたため)もっと割り切って相手の裏を狙って、相手を後ろ向きにプレーをさせて、私たちがプレッシャーをかけるような戦い方をできれば、相手の勢いに飲み込まれなかった」と戦い方を反省した。

 一瞬の隙が失点につながった。32分、相手のクロスのこぼれ球を処理する際に左山とGK福元美穂が一瞬見合うと、背後からMF杉田亜未にボールを奪われて先制点を許した。

 左山は、「私としては(GKが)出てくれるものだと思ってしまった。でも(GKから)声がかかってなかったので、私自身がクリアするべきところだった。ゴール前はどんなことがあっても体を張って守らなければいけなかった」と連携ミスからの失点を悔やんだ。

 それでも、6分後に挽回のチャンスが訪れた。攻撃の形が作れない中で、まずMF小川愛の強烈なミドルシュートが相手ゴールを脅かす。すると、直後の左CKで小川のピンポイントクロスを、中央の左山がヘディングで叩き込んで意地の同点ゴールを決めた。

「小川のいいボールが入ってきたので、私は合わせるだけだった。チームに流れが来ない時でもセットプレーで点を取って勝てられるようなチームになっていけたら、もっと強くなっていけると思う」

 苦しい展開の中で、失点に絡んだ直後のWEリーグ初ゴール。これには安堵の表情を浮かべた。「ずっと狙っていたゴールをやっと決められて嬉しかったのもあるし、1点取られた場面も私自身が絡んでいたので、どうにかチームのためにやりたいと思ってセットプレーに入って、それが1点につながって良かった」

 チームは後半から巻き返しを図ったが、73分に痛恨のPKを与えて失点。1点を追う終盤には、練習でも取り組んできた3バックに変更して攻撃に出たが、最後まで反撃は実らなかった。そのまま1-2で今季初黒星を喫し、開幕ホーム2連勝を逃した。

 次節は11月6日にアウェイで、開幕2連勝中の三菱重工浦和レッズレディースと対戦する。左山は、「常にチャレンジャーという気持ちを忘れずに、貪欲に戦っていかないといけない。綺麗なサッカーだけではなくて、もっと泥臭いプレーをして、みんなで戦っていかないといけない」と気を引き締めた。

取材・文=湊昂大

By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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