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S広島R、逆転勝利でWEリーグ白星発進! 後半開始10秒弾の中嶋淑乃「思い切って打った」

2022.10.24

S広島Rに開幕戦勝利をもたらした中嶋淑乃(左)と瀧澤千聖(右) [写真]=WE LEAGUE

 サンフレッチェ広島レジーナは23日、Yogibo WEリーグ開幕節でジェフユナイテッド市原・千葉レディースと対戦し、2-1で勝利した。

 1274人が集まった秋晴れの広島広域公園第一球技場で白星スタートを飾った。S広島Rは37分にCKから失点し、1点ビハインドで折り返す。だが、後半に入って46分にFW中嶋淑乃が右足シュートを叩き込んで同点に追いつくと、50分にはFW瀧澤千聖がCKに合わせて逆転に成功。その後は主導権を握りつつ、パスミスで招いた決定的なピンチや終盤の相手の波状攻撃を守り切り、チーム初の逆転勝利を収めた。

 チームを勢いづけるゴールだった。後半開始の笛が鳴った直後、中嶋は左サイドの高い位置で相手の中途半端なパスをカット。そのままペナルティエリア内に切り込んで右足を振り抜き、ネットを揺らした。開始わずか10秒での同点ゴールで、後半の戦いに弾みをつけた。

 中嶋は試合後、「前半にシュートを打ててなかったので、後半はみんなでまたシュートを打とうと意識して入った。開始直後だし、思い切って打ったら入ったのでよかったです」とチームの今季第1号ゴールを喜んだ。

 同点となった4分後には、瀧澤が右CKでMF小川愛のグラウンダークロスを右足ダイレクトで沈めて逆転ゴール。今季唯一の新加入選手ながら、開幕スタメンで初得点を記録し、プレイヤー・オブ・ザ・マッチにも輝いた。

 瀧澤は、「相手がプレッシャーをかけてきていたので、どうしようか迷ったけど、もう思いっきり撃ち抜いてやろうと思って、気持ちで蹴りました。相手にいい感じに当たって入ったときは嬉しかった」とゴールを振り返った。

 中村伸監督は試合後の会見で、「開幕戦の緊張感で固さもあったけど、後半にスイッチを入れて自分たちの特徴を出しながら、去年できなかった逆転勝ちもできた。最後あれだけのパワープレーをされても、誰一人背中を向けずに、しっかりボールに対してアプローチしてくれたので、昨季積み上げてきたことプラスアルファの部分も出せた試合だったと思う」と語った。

 また、指揮官は強い思いを抱いてこの開幕戦に臨んでいた。「個人的なことになりますけど……」と切り出して、21日に32歳の若さで亡くなったFW工藤壮人への思いを涙ながらに口にした。中村監督は工藤が広島に所属していた時期にトップチームのコーチを務めていた。

「一緒にやった仲間なので、『こういうところでも頑張っているよ』、『君の思いを引き継いで頑張っているからね』っていうことを示したいと思っていた。(勝ってくれたレジーナの)選手たちには本当に感謝しています」

 前日には男子チームがルヴァンカップ決勝で劇的な逆転勝利を収めて初優勝を飾った。レジーナの選手たちは試合をテレビで観戦し、開幕戦に向けてさらに闘志に火がついたという。中嶋は、「すごい刺激を受けたし、感動しました。みんながああいう戦いを見せたいと思ったので、いい影響を受けています」と明かした。

 S広島Rは次節、30日にホームでノジマステラ神奈川相模原と対戦する。目指すはホーム2連勝。中嶋は、「昨季はホームでなかなか勝てなかったので、今季はホームでの開幕戦で勝てたのがすごく嬉しかった。いい勢いに乗れたので、このまま次のホーム戦を勝てるようにがんばりたい」と意気込んだ。

取材・文=湊昂大

By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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