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S広島R、INAC神戸の優勝阻止へ…川島はるな「最初からアグレッシブにいく」

2022.05.04

サンフレッチェ広島レジーナの川島はるな [写真]=湊昂大

 サンフレッチェ広島レジーナは4日、Yogibo WEリーグ第11節(延期分)でINAC神戸レオネッサをホームに迎える。

 レジーナは中4日でINAC神戸との連戦に挑む。4月29日に行われた前節はアウェイで悔しい敗戦を喫した。試合の立ち上がり8分に自陣でのミスから先制点を許し、12分と26分には相手エースのFW田中美南に立て続けにゴールを奪われて3失点。それでも、前半の内にMF川島はるなが1点を返すと、後半開始直後には川島のヘディングシュートのこぼれ球をFW上野真実が押し込んで1点差に迫った。その後もレジーナらしいアグレッシブな戦いで首位チームを圧倒したが、チャンスを活かせずに惜しくも2-3で敗れた。

 川島は、「課題は立ち上がりの3失点。上位のチームは隙を逃さずについてくるし、私たちのちょっとした甘さは必ずつかれる」と試合を振り返り、再戦に向けて「立ち上がりから後半ぐらいのアグレッシブさと、丁寧さと、冷静さを出していきたい」と気を引き締めた。

 ただ、前半の内に1点を返せたのはチームの成長の証だろう。シーズン後半戦最初の2試合では、マイナビ仙台レディースと日テレ・東京ヴェルディベレーザの上位を相手に前半に失点を重ね、後半に反撃に出たものの完封負けを喫していた。だが、前節では前半の内に得点を決め切り、それが後半の反撃にもつながった。最終的に、堅守を誇るINAC神戸からWEリーグで初めて複数得点を奪ったチームにもなった。

 2得点に絡んだ川島は、「前半の1点がなかったら後半の内容もなかったと思う」と振り返りつつ、前節で得た自信を語った。「前半3失点しても下を向かず、ネガティブなプレーではなくて、アグレッシブに前に向かうプレーが出せたので2-3まで持っていけた。後半の戦いもレジーナらしいアグレッシブさ、それに加えてゴール前の丁寧さやバリエーションが増えてきている。それがINAC相手でも通用するなっていう手応えは感じました」

 中4日で同じ相手との対戦。キャプテンの近賀ゆかりは前回出番がなかったものの、「難しさもあるけど、私たちにとってはチャンス。前節のような試合をやった後は、もう一回(試合を)やりたいなって思う気持ちがある。そういう意味でチャレンジできる機会があるのは私たちにプラスだと思う」とモチベーションを高めている。

 ホームでは試合を通じてレジーナらしさを見せたいところ。川島は、「まずは立ち上がり、こちらも『今日はやばいぞ』っていう雰囲気を相手に与えるように最初からアグレッシブにいく」と気合を入れる。さらに、中村伸監督が「相手の狙いや戦い方を感じながらプレーしよう」と常に言ってきたように、チームの対応力も求められる。近賀は、「相手は同じようにはやってこない。引き出しも多いチームなので、(戦い方を)変えてきた時に、こちらもどう対応できるかが問われてくる」と警戒心と高めた。

 INAC神戸にとっては引き分け以上で優勝が決まる試合。レジーナはホームで相手の優勝阻止を目指す。近賀は、「こっちのモチベーションを上げる一つの材料になる。やっぱり(優勝の瞬間を)見たくはなかったり、気持ちよく優勝してほしくないという思いがある」と話した。川島は、「いま優勝を阻止できるチャンスがあるのは私たちしかいないし、勝ち点3をもぎ取れるのもきっと私たちだと思っている。ホームだし、サポーターの前で勝利したい」と力を込めた。

 レジーナは前回本拠地で行われた第18節の大宮アルディージャVENTUS戦で待望のホーム初白星を飾った。試合前日にはチーム発足後初の公開練習が行われ、サポーターが2日続けて“ホームの雰囲気”を作ってチームの勝利を後押ししていた。今節も前日に公開練習が行われ、前回よりも多い247人のサポーターたちが選手たちに力を送った。川島は、「本当に前日からモチベーション高く練習ができて試合に臨める。サポーターの方々に見られたり、応援してもらえたりするパワーの大きさを改めて感じました」と語った。今節もサポーターの応援を力に変えてホーム連勝を目指す。

By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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