会見に出席した(左)山本昌邦NTD、(中央)森保一監督、(右)宮本恒靖JFA会長 [写真]=兼子愼一郎
日本サッカー協会は23日、森保一監督と来年1月にサウジアラビアで開幕するAFCアジアカップまでの短期契約を締結。来年3月のFIFAインターナショナルウィンドウからは、現U-21日本代表の大岩剛監督が兼任でA代表の指揮を執ることを発表した。
24日に宮本恒靖会長、山本昌邦ナショナルチームダイレクター兼技術委員長、森保一監督が出席し、記者会見を行った。全文は以下の通り。
【冒頭挨拶】
宮本会長
昨日の理事会を経て、来年のアジアカップまでは森保監督に日本代表の指揮を任せ、それ以降は大岩剛さんに新しい日本代表監督として指揮を執っていただくことが決まりました。まずお伝えしたいのは、ワールドカップが終わった今、我々として重要だと考えているのが、アジアカップで優勝するということです。アジアカップは言うまでもなくアジアの強さを決める大会です。我々にとって非常に重要な大会であることは間違いありません。まずアジアを戦い、そして世界を戦うためにも、アジアで勝ち切る力を示していく必要があると思います。アジアで結果を出すことを考えた時に、アジアで結果を出せる監督は誰なのかという観点を重要視しました。今回のワールドカップでもありましたけれど、FIFAランキングが上にあるか下にあるかで戦い方はかなり違ってきます。そういった意味で、公式戦であるアジアカップに勝ち、少しでもFIFAランキングを上げることが重要になってきます。一方で、我々は目の前の大会だけを見ているわけではなく、4年後の大会を見据えて考えていく必要があります。さらにその先にある日本サッカーの未来も考えていく必要があります。そのために、今回のワールドカップだけではなく、これまでの歩みも改めて分析し、日本サッカーがさらに成長していくために次に何が必要なのかを検討してきました。その結果、我々がたどり着いた結論が『継承と進化』です。この考えを皆さんにもご理解いただきながら、次の日本代表チームをサポートしていただきたいと考えています。
山本技術委員長
会長からもお話がありましたが、日本代表がこれまで築き上げてきたものを変えることが目的ではありません。森保監督のもと、日本代表は本当に大きな成長を遂げました。東京オリンピック、カタールワールドカップ、そして北中米ワールドカップまで続く取り組みの中で、日本代表は世界の強豪と互角に戦えることを証明してくれました。また、FIFAランキングも、森保監督が最初に引き受けていただいた2018年は50位以下でした。2022年には20位、そして2026年の17位まで上昇しました。日本サッカーは確実に成長しています。前進できています。だからこそ、私たちに必要なのはゼロから作り直すことではありません。これまで培ってきた経験、情報、信頼関係、そして代表とアンダーカテゴリーの連続性を継承しながら、さらにその先へ進むことだと思っています。若い選手の突き上げを作ること、より多くの選手をラージグループとして育てること、アンダーカテゴリーとの一貫性をさらに高めていくこと、そして日本代表として、世界と戦い続ける文化を発展させていくことだと思います。こうした方向性を実現していく上で、大岩監督はこれまでの実績と成果によって、その適性を示してくれています。アンダーカテゴリーの強化、世代交代への取り組み、国際大会での経験、そして日本サッカーへの理解。私たちは、大岩監督が今回掲げるこの方針を体現できる人物であると決断しました。そして、ワールドカップで過去最高の結果を出すために必要なのは継続であり、進化であり、躍進だと思っています。私たちは、その未来を実現するために今回の大きな決断をしたことを、皆さんにお伝えしたいと思います。
宮本会長
補足ですけれども、サッカーというのは常に進化し、変化するスポーツだと思います。その時々において、日本サッカーがどうあるべきかを考える必要があり、それが我々の果たすべきことだと思っています。今回の監督選考にあたっても、これまでの成果や課題、4年後、そしてその先の未来をしっかりと見据えながら描きながら、さまざまな議論を重ねて現時点で最善だと思える判断をしました。もちろん、さまざまなご意見があることは承知していますが、我々が大事にしているのは、我々の理念を実現すること。日本サッカーのためにこれからも挑戦を続けることです。日本代表チームが日本の皆さんから、今回のワールドカップでもありましたけれども、世界中の皆さんからも愛され、愛され続けるチームであることが大事だと思っています。これからも我々は、世界に通用し、勝ち抜く力を持ち、世界の頂点を目指して挑戦を続けていきたいと思っています。繰り返しになりますが、日本代表チームが多くの皆さんに愛され、誇りに思っていただける存在であり続けられるよう、日本サッカーの先頭に立って取り組んでいきたいと思います。
森保監督
このたび契約延長のオファーをいただき、私自身、本当にありがたく思っています。そして、やるべきこと、やらなければいけないミッションを考えると、身の引き締まる思いでいます。これまでと変わらず与えられた契約期間の中で、日本代表の勝利のため、そして日本サッカーの発展のため、それが日本のためになるという思いを持って、そして自分がやるべきことに全力を尽くしたいと思っています。この契約期間の中で、私自身はスタッフ、そして選手とともに全力を尽くすことが、次への良きバトンタッチになるように、そして契約期間内にしっかりと結果を出して次につなげられるように、ベストを尽くしていきたいと思っています。
【質疑応答】
Q:なぜ森保監督と短期契約とし、大岩監督を来年3月からとしたのか。また森保監督の契約期間は書面上でいつまでになっているのか
宮本会長
森保さんにアジアカップまでということをお伝えする前から、どのタイミングで監督を決めていくのか、新しい監督を迎えるのかということは、このワールドカップの直前になって決めたわけではなく、時間をかけて考えてきました。自分の中でも考えましたし、自分が信頼する方々や理事長をはじめ、いろんな人と話をしてきました。その中で、最初はアジアカップ、あるいはワールドカップを目処に新しい監督を迎えることも考えていましたが、先ほどお話ししたように、ワールドカップの次の大事な大会であるアジアカップで勝つことも重要だと考えた時に、森保さんがずっと勝ち続けてくれていたアジアでの強さを、アジアカップでも発揮してもらうことで優勝につなげたいと考えました。なので、一番最初のコメントにあったように、アジアカップで勝つということから逆算して考えました。ただし、4年後、それ以降も考えなければいけない時に、新しい空気も必要であると考えました。アジアカップでは森保さんに強さを発揮してもらい、優勝をお願いしたい。その後は大岩さんにお願いしたいということです。大岩さんにはU-21日本代表の監督としてアジア競技大会で優勝してもらうことを大事にしたいということで、来年はU-21代表のほうに集中してもらいたいと考えました。期間に関しては、この場で詳らかにさせていただくことは避けさせていただきます。
Q:異例の短期契約を受け入れた理由は?
森保監督
まず期間に関しては、会長がおっしゃられたように、まずはアジアカップに挑むということです。契約に関してはシンプルかなと思っています。日本サッカー協会があって、そのオファーを受けて、私自身、その契約期間が4年なのか、1年なのか、半年なのか、いろんな期間があると思いますが、その中で自分がやるべきことをやるということだと思っています。いわゆる雇い側と雇われ側のシンプルな答えかなと思っています。4年であれ、2年であれ、1年であれ、半年であれ、私自身は2050年までに日本がワールドカップで優勝するという、川淵(三郎)さんが宣言された目標に向けて、自分に与えられた契約期間の中でやるべきことをやっていくということです。先ほどもお伝えしましたが、日本サッカーの発展のためにやっていきたいという思いの中で、お話をいただき、私自身も納得してやらせていただいているので、そこに関してはシンプルかなと思っています。その中で、私自身、これまでやってきたこと会長、理事長とお話をさせていただいた中で、オファーをいただいた経緯も含めて納得した上で、与えられた契約期間の中で全力を尽くし、日本サッカーのためになると考えました。
Q:現U-21日本代表の大岩監督が3月から指揮を執る理由は?
宮本会長
先ほど『継承と進化』というお話をしましたが、森保監督と話をする中で、森保監督自身もロシアワールドカップの際に西野(朗)さんからバトンを受け継いだという話をしてくれたことがありました。やはり、そのバトンを受け継ぐ、継承するということが重要であると考えた時に、少し時間を作って、日本がこれまで積み上げてきた組織力やチームを取り巻くさまざまなことを受け継ぎ、つないでもらうような、そういう時間も必要であると考えました。それがアジアカップまでの間ということになります。
Q:短期契約となっているが、モチベーションに難しさを感じるか
森保監督
先ほどもお答えさせていただいたことが基本だと思います。アジアカップの結果がその先にどうつながるかということと、どんな結果を出してもモチベーションが下がるかどうかというのは、全く別のことではないかなと思っています。もっと言いますと、これまでもワールドカップまでという任期をやらいただいた中で、結果を出したから、その先につながる、結果が出なかったからつながらないということではありません。4年間の在任期間の中でも、途中で結果が思わしくなければ契約が終わってしまうことも、このプロの世界では当然あります。そういった意味では、何かやり残したことがあるからということではなく、それまでの一回一回の活動、一試合一試合で悔いのないように、日本代表の勝利、日本サッカーの発展のために、自分ができることを出し切っていく。それが一試合一試合、一回一回の活動につながっていくだけですので、特に何か悔いがあるということはありません。また、これも先ほど言いましたが、私自身は未来の日本サッカーの勝利のため、そして2050年までに日本サッカーがワールドカップで優勝するという大きな目標の中で、協会だけではなく、Jリーグ百年構想の中でも、より日本サッカーが世界で結果を出し、日本国内でもサッカーが認知され、日本の文化になっていくことを日々願ってやっています。これまでも、過去と今と未来を掛け合わせた中で、今のベストを尽くしていこうということを、スタッフとともに毎回の選考、毎回の活動で考えてきました。今終わったとしても、次につながることをやれるようにという考えでやってきていますので、全く何かをやり残したということではないかなと思います。もちろん、結果としてはもっと上に行きたかったという悔しさはあります。ただ、それがやり残したことかというと、そうではありません。日本サッカーが成長し、世界に勝つということを本当に一緒にやっていきたいと思っています。これは選手もスタッフも常々言っていますし、みんながチームのために、スタメンであれ、サブであれ、メンバー外であれ、それぞれの役割の中でチームを勝たせるために全力を尽くしてきました。私自身も、与えられた役割の中で全力を尽くしていきたいと思っています。
Q:FIFAワールドカップ2026のベスト32という結果をどう受け止め、継続路線を選択したのか
宮本会長
ベスト32という結果は、やはり我々が目指していたものではないので、もう少し先に行きたかったです。ただ、先ほどお話ししたように、ワールドカップ以降の監督をどうしていくのかということは前からしっかり考えていく中で、森保さんともコミュニケーションを取ってきました。その中で、一旦今年の3月頃に、森保さんには『ワールドカップまででお願いしたい』ということもお伝えしました。 ただ、先ほどもお話ししたように、技術委員長、そして私を指名した西野さんともいろいろ話をする中で、やはりアジアカップで勝つことが大切だと考えた時に、今まで見せてくれているアジアでの強さをアジアカップでも発揮してもらうことで、優勝につなげていきたいと考えました。そして、一度3月の時点でそういった考えをお伝えしましたが、もう一度話をする機会を作り、5月に森保さんに『アジアカップまでやってもらう可能性はありますか?』という話をお伝えしました。それが今回のタイムラインになります。外国人監督については、もちろんワールドカップ以降の監督を考える中で、日本人に限らず幅広い候補の中から検討する必要があると考え、そのような動きもしてきました。そういったリストをもとに議論したこともあります。ただ、先ほどお話ししたように、日本が培ってきた組織力や、我々が持っている力というものがある中で、新しい外国人監督が来て、コーチングスタッフも含めてゼロからスタートすることがいいのか、それとも今持っているものを生かす方がいいのかという、さまざまな議論をした結果、やはり『継承』というところを優先すべきではないかと考えました。
森保監督
宮本会長が3月に『ワールドカップ以降の契約はない』という話をしてくれた部分で、いろんな報道があるかと思います。私自身は、それまでに成果を出さないといけないということも含めて、今後どうしていくかというコミュニケーションを取っている中で、宮本会長が本当にまっすぐ向き合ってくれて、その時の思いを勇気を持って伝えてくれたことをありがたく思っています。その後の判断が変わったということに関して、それはいろんな受け取り方があると思います。本当にいろんなことを考えた上で、その時の思いを素直に話してくれましたし、その後、考えた結果こうだったということも改めて話してもらえました。会長と監督という関係ではありますが、人として向き合ってもらえたと感じていますし、日本サッカーを発展させるという部分では、全く同じ思いを持って接してくれたのだと感じており、ありがたく思っています。
山本委員長
ベスト32という結果について、真摯に受け止めています。ただし、評価は結果だけではありません。冒頭で申し上げた通り、この4年間で成長させてきた過程やプロセス、森保監督のチーム作りについては高く評価しています。詳細な分析については控えますが、この4年間で世界レベルの相手にも十分対抗できるチームを整えてもらいましたし、代表チーム全体の組織マネジメントも非常に優れたものになったと思っています。選手だけではなくスタッフの数も多い中で、そういう部分もかなり段階を上げていただいたと思っています。何より選手、スタッフが同じ方向を向いて大きな目標に立ち向かえる。この雰囲気はなかなか作れるものではないと思っています。そういう意味では、勝敗はもちろんですが、それだけではなく人々が本当に応援されるチームを作ってくれたと思いますし、代表チームの意味としても世界に誇れるチームになったと思っています。
Q:次のステップとして、JFAは大岩監督に何を求めているのか
宮本会長
まず今回のワールドカップを戦って思うのは、やはり全ての力を挙げなければいけないということです。そういう意味では、育成や強化、人材育成の部分をしっかりやっていかなければいけないということは、次のワールドカップまでだけではなく、常により一層強くなるために必要だと思っています。ベスト8に入ったチームとの違いについても、データでいろいろと出てきていますので、そういったところを見ながら、今回ベスト8に入ったチームにより近づけるようなものを目指していくことが大切だと思います。やはり、ベスト16以上、ベスト8まで我々が行けなかった中で、今回の準々決勝や準決勝の戦いを見た時に、そこのレベルに到達するための課題があると思っています。前回のワールドカップでは『新しい景色』ということでベスト8を目標に掲げましたので、まずはそこを一つの目処に考えています。ただ、2030年にはベスト4を目指すということを2005年の時点で宣言しています。当時とは状況も変わっていますし、参加国数も含めて、そういったところは修正も必要なのかなと、今の時点では思っています。
Q:大岩監督のサポート体制、スタッフについて
山本委員長
大岩監督のチームのことになりますが、まず一つは、アジア競技大会で優勝するということです。日本ホスト開催となる久しぶりのアジア競技大会ですし、大きなインパクトがあると思います。これで優勝するのはもちろんですが、JFAの重要な目標であるアジアカップも優勝する、アジア競技大会も優勝する、そしてその先にロサンゼルス五輪、またワールドカップにつなげていくという流れになります。その目標達成に向けて、大岩監督もしっかり準備をしてきていただきました。まず協会としては、年内は大岩監督にアジア競技大会を含む五輪の活動に専念してもらいたいと思っています。もう一つは、代表監督の就任は監督一人を決めればいいというものではありません。例えばスタッフであったり、マネジメント体制であったり、そういったものも含めて考えていく必要があります。大岩監督の手腕については、これまでもしっかり評価してきました。だからこそ、慌てていろいろなことをスタートさせるのではなく、しっかりとした体制を整えていきたいと考えています。兼任というのはそんな簡単な道ではありません。兼任のメリットも大きくあります。2002年のワールドカップでは、1999年のワールドユースに出場した選手たちが、たった3年で同じ監督のもとで鍛え上げられ、ワールドカップの舞台に立ちました。このくらいのスピード感を持って準備していかないと、ワールドカップで頂点には近づけないと思っています。私自身も3チームを担当させてもらいましたが、その選手たちがたった3年でワールドカップ初勝利を届けてくれました。できないことを話すよりも、どうやったらできるかを必死になって考えていきたい。大岩監督には本当に大きな負担を背負ってもらうことになります。しかし、我々も全力で応援し、日本の未来のために頑張っていきたいと思います。
Q:大岩監督に継承したいこと
森保監督
特に具体的なものはないと思っています。日本が世界に勝ち、世界一になるために、これまでやってきたことの成果と課題を監督なりに抽出していただき、そこから未来に向けて積み上げてもらえたらと思っています。こう言うと、少しブツ切りのような話に聞こえるかもしれませんが、我々は常に夢フィールドでコーチングルームも隣で話していますし、選手を育てるという部分でも話をしてきました。これまでも、日本が勝つために、選手たちがより良い経験を積み、より高いレベルでプレーできるようコミュニケーションを取ってきました。これからもそこは継続していきながら、監督のことも決まりましたので、コミュニケーションの改善が必要であれば、次に生きるようにしっかりコミュニケーションを取っていきたいと思います。
Q:山本委員長が『CLベスト8基準』と言っていたが、守田英正(スポルティング)を招集しなかった。また報道番組で選手たちは『結果を出せず申し訳ない』と話していたが、監督は共闘してくれたことへの感謝を述べていた。そのスタンスについてどう振り返るか
山本さんが言われていた世界を勝っていくという部分の基準は、どういう環境でプレーしているかということで、結果的にそういうことを示しているということだと思います。むしろ選手たちもよく分かっていると思っています。私たちもこれまでも選手たちに対して、山本さんが言われたように、どういう環境でプレーすることが選手としての価値を高め、日本代表の力になり、日本が世界と競っていくための力を作ることにつながるのかということは話してきたところです。もう一つのメディアの話は、申し訳ないという気持ちは持っています。どこでどう聞かれたかは分かりませんが、そういう話もしていますし、自分自身結果について悔しいという思いはもちろんあります。応援してくださった方々には、もっと勝って喜んでいただきたかったという思いがありますし、その点については申し訳ないという気持ちです。だからこそ、こうしてメディアの前に立たせていただいていますし、多くのメディアの方々がワールドカップで共闘・応援の輪を広げるため、テレビ、ラジオなどさまざまな媒体を通じて、ここに集まっている皆さんを含め、たくさん方々が日本のために環境作りをしてくださいました。ワールドカップが終わってからも、本来であれば皆さんに取り上げていただけるような結果ではなかったかもしれませんが、それでもこうして時間を作っていただけた。それは、これまで応援してくださったことに対して、我々が結果を届けられなかったという申し訳ない思いがある一方で、これまで応援・共闘してくださった皆さんにお礼を伝えたいということ。そしてこれからも日本サッカーとともに世界一を目指して厳しい戦いになりますが、共に応援していただきたいということをお伝えする場だったと思っています。どういう言葉として受け取られるかは分かりませんが、『ありがとうございます』という言葉には、そうした思いを全てが入っていると思っています。
Q:今後はどういったプロセスでアジアカップ優勝に向かっていくというロードマップを描いているのか
森保監督
一つ言えることは、その時のベストだと思っています。ワールドカップの舞台を見ていただいても、その時のベストの中にベテランもいれば、中堅もいる。そして、これから先、ワールドカップを経験することでさらに飛躍が期待できる選手もチームを構成してきたと思います。先ほど言いましたように、過去と未来をつなぎ合わせ、その時のベストを尽くし、勝利にこだわり、日本サッカーの発展につなげていく。その判断のもとでチームを編成していきたいと思っています。結果は大事ですし、結果が出なければ次はない思って毎回取り組んでいます。同時に、次のチャレンジをつくることも考えています。これからも同じ考えで、一回一回の活動、一試合一試合で、まずは勝利をお届けし、応援してくださっている方々に結果を届けるという気持ちで挑みたいと思います。
Q:宮本会長が助言を求めた理由は
宮本会長
助言者と言いますか、会長を指名するという形に関しては、今まで公表する機会はなかったかなと自分自身は思っています。具体的な内容としては、やはり2018年のロシアワールドカップの際に、なぜ森保監督にバトンをつなごうと思ったのか、大岩監督のチームに対する話し合いであったり、どのタイミングでこういったことを伝えるのが良いのか。そういった話は山本技術委員長を含めて話をしました。
Q:コーチングスタッフの体制はどう考えているのか
まずスタッフ体制ですが、大岩監督のチームはこれまでずっと積み上げてきていますし、アジア競技大会もありますので、その活動は継続していくことになると思います。森保監督のここからの新しいチーム編成については、コーチングスタッフ、テクニカルスタッフ、サポーティングスタッフと、本当に大きなデレゲーションになりますので、それらについては今、面談も進めています。それらも踏まえながら監督と相談して整え、9月からの新しいチャレンジに向かっていきたいと思っています。まだ調整の途中ではありますので、監督と相談しながら進めています。
森保監督
できればこれまでやってきたスタッフとともに、これからも活動できればと思っています。ただ調整があるので、最終的にどうなるかは確定ではありません。
山本委員長
先ほど森保監督からも話がありましたが、(大岩監督)夢フィールドで常に一緒にいて、私はA代表からU-15まで代表がありますが、これを一つのチームとして、みんなで補い合い、助け合い、継承していくという共有をすごく進めています。そこのところは、どういう形になるにしても、常に密に話ができていますので、全く問題ないと思っています。長期的な考え方で言うと、その根幹が変わらないように整えていくのが私の仕事だと思っています。目標へ向かう過程の中で、日本代表としての根幹が揺るがないような体制を作っています。会議も常にコーチングスタッフ会議を開いていますし、そういう中で共有は十分できると考えています。
Q:今後のメンバー選考で大岩監督の意見を聞くのか
森保監督
コミュニケーションは取りたいと思いますが、最終的には私の判断だと思っています。これも私の判断で言うと、ブツ切り思われるかもしれませんが、これまでも大岩監督が率いる年代の選手をA代表の活動に参加させ、そこからまた大岩監督にチームの状況も聞きながら、コミュニケーションをしっかり取ってきました。最終的には私の判断で、任期中はチームマネジメントをしていきたいと思っています。
Q:ロス五輪のアジア枠が2の中で大岩監督に兼任させることを決めた理由
宮本会長
もちろん予選があるという難しさについては、先ほど技術委員長からも話があったように認識していますが、それ以上のプラスがあると思っています。若い選手とA代表の選手たちの両方をラージグループで見られる。そして同じチームコンセプト、ゲームコンセプトでチームづくりができることです。もし若い選手が上のカテゴリーに上がるという状況になった時にも、スムーズにプレーできる環境つながる関係になると思っています。もちろん大変さは重々認識していますが、それ以上のプラスがあるのではないかと思っています。それは自分自身もトルシエ監督のもとでオリンピック代表とA代表の両方でプレーしましたが、同じやり方だったことで、上に上がった時に何のストレスもなくプレーできたという経験があります。
山本委員長
日程的にタイトになることは把握しています。会長からも話があったように、シドニー五輪本とアジアカップ連覇の大会は、1週間くらいしか間がなかったと思います。それでもA代表のスタッフを務め、アジアカップでも優勝しています。やれないことを考えるよりも、どうやったらやれるかということを考えながら、同時に選手の成長も考えていきたいと思っています。
Q:新しい空気を入れ、大岩監督にしたら勝てるようになるのか
いろいろなケースを見てきた時に、長くやることのメリットとデメリットの両方があると思っています。そういった意味で、やはり新しい空気もどこかのタイミングで必要だと考え、大岩監督にお願いするということをお伝えしました。もちろん世界で勝つためには、我々の持つ力をもっともっと上げていかなければならないことは間違いありませんので、そこに関しては大岩監督と一緒になって、良い選手を育てていく、作っていくということをやっていきたいと考えています。
山本委員長
ロス予選の厳しさについてのお話もいただきましたが、我々もできることは全てやっていきたいと思っていますし、アドバンテージを得られるよう、もちろん整えていきたいと思っています。もちろん結果は大事ですが、結果とプロセスの両方をしっかり動かしていくこと。そして選手の成長が大事です。システムありきでもなく、選手ありきでもなく、選手がどれだけ成長してもらえるかという関係が大事だと思っています。サッカーに絶対はありませんし、その時点での成果や課題を分析しながら進めていきますが、私たちは常に日本サッカーにとっての未来、何が最適かということを軸に判断していきたいと考えています。
Q:ロス五輪出場を逃す可能性もあるが、A代表への影響はあるのか
宮本会長
もちろん、その2枠に入るということで、枠が少ないことの難しさはありますが、そういったことがないように、いろんな意味で我々としてはサポートしていきたいと思っています。それがうまくいかなかった時であっても、その信頼が変わらないですし、引き続きサポートしていきたいと思っています。
Q:山本委員長のナショナルチームダイレクター兼任が続いているがどう感じているのか
宮本会長
できるだけ早いタイミングで兼任というものを解消できるようにしたいという考えは持っています。ただ、なかなかそこに関してはうまくいっていないというのが正直なところです。
Q:大岩監督がアジアカップを含めてA代表に携わらないというデメリットもあるが、それでも3月から指揮を託したメリットをどう感じているのか
宮本会長
コーチという立場が、必ずしも継承につながるとは思っていません。違う形で入るということになっています。大岩さんへのお話が遅くなったからということは全くありません。メリットとデメリットのお話ですが、繰り返しになりますけれども、アジアで勝つことの強さということを生かし、アジアカップで優勝してもらいたいという考えがありました。また、森保さんの2回目の契約期間は、カタールワールドカップ以降のタイムラインとしては同じ期間になります。その点も踏まえて話し合いを行い、今回の決定に至りました。
山本委員長
会長がおっしゃっていただいたことがポイントだと思います。誤解のないように申し上げたいのですが、我々が言う『継承』や『継続』は、戦術をそのまま引き継ぐという意味ではありません。監督が変われば考え方も変わりますし、戦術的なアプローチや選手の起用も当然変わってくると考えています。新しい代表監督が前任者の全てを踏襲するということは現実的ではないと思います。私たちが継承したいのは、むしろ日本代表の組織や文化、強化の考え方です。例えば、大岩監督は以前から日本代表のミーティングに参加していますので、その根幹の部分は森保監督と十分共有できていると理解しています。A代表とアンダーカテゴリーの連続性や人材育成の考え方、選手やスタッフとの信頼関係、代表チーム全体としての強化体制など、我々もA代表からU-15までしっかりミーティングを行い、築き上げてきた財産があります。そういう部分はしっかり継承していきたいと考えています。一方で、進化も必要です。むしろ監督が変わる以上、大岩監督には大岩監督の色を出してほしいと思っています。森保監督が築いたスタイルや成果は本当に大きな貢献ですし、敬意も払っています。その上で、大岩監督自身の発想や経験を加え、日本代表をさらに成長させてほしいと考えています。積み上げていくということです。継承と進化というのは土台は継承しながら、戦術やチーム作りは進化させていく。そのように考えています。
森保監督
(アジアカップ決勝までの)最大13試合ということに関しては、新監督からすれば13試合を奪うということになるかもしれませんし、新体制として試合を失うという考え方もありました。そこは会長とも山本さんとも話をさせていただいた上で、失うことにはならないという判断でした。契約期間としても、ワールドカップが終わってチームを崩してアジアカップを戦うよりも、アジアカップまで継続していく方が、より勝つ可能性が高くなるのではないかということで判断され、私自身も判断しました。ワールドカップから次のワールドカップまでという時間軸で言えば、すでに次のワールドカップに向けた歩みは始まっています。ただ、我々がやっていることは、もちろん監督は変わるかもしれませんが、この最大13試合を戦う中でも、今やっていることが少しでも未来につながるように、目の前の結果にこだわりながら、未来につながることも含めて取り組んでいこうという考えでやってきました。その考え方を忘れなければ、自然と次につながっていくことも考えられるのではないかと思っています。そうした考えのもとで、私自身も納得し、自分の中で整理をつけて、アジアカップまでという契約を引き受けさせていただきました。
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By サッカーキング編集部
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