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日本代表の“国内組”三銃士がミャンマー戦で存在感! 今後の2次予選ホームゲームに新たな可能性を提示

2023.11.17

ミャンマー戦で存在感を示した(左から)DF毎熊晟矢、MF佐野海舟、FW細谷真大

■快勝スタートの陰に国内組の奮闘

 日本代表が毎回のように苦戦を強いられてきたワールドカップ(W杯)のアジア予選初戦。2015年6月のロシアW杯2次予選・シンガポール代表戦(埼玉)をスコアレスドローで終えた時は、当時のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が激怒したこともあったほどだ。

 そういった過去を熟知する森保一監督は慎重なスタンスを崩さなかったが、ふたを開けてみると、キャプテン・遠藤航を筆頭に、伊東純也久保建英らが揃って控え。2日前の練習で別調整していた冨安健洋もベンチ外と、控え中心のメンバー構成で挑んだ。
日本代表
 今季、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)初参戦の上田綺世がハットトリックを達成し、同じくCLを戦っているラツィオに今夏赴いた鎌田大地、UEFAヨーロッパリーグ(EL)に参戦している堂安律がそれぞれゴールを挙げ、結果的には5−0で圧倒。日本の選手層の厚さを見せつける格好にはなったが、強行日程で欧州組から戻ってきた面々のコンディションは決していいとは言えない。むしろJリーグで終盤を戦っている国内組の方が切れ味鋭いパフォーマンスを見せていた印象も少なくなかった。

■推進力を見せた毎熊晟矢の攻撃参加
毎熊晟矢
 その筆頭が右サイドバック(SB)で先発した毎熊晟矢。序盤から高い位置を取り、攻撃姿勢を鮮明にした。9月のトルコ代表戦に続く堂安との縦関係もスムーズな連携を見せ、7バックとも言っていいミャンマー代表の守備をこじ開けようとトライを続けた。

 特にインパクトが強かったのは、15分に鎌田からボールを受け、ニアに入ってきた上田にライナー性のクロスを送った場面。これは惜しくも得点には至らなかったが、毎熊の攻め上がりのタイミングやスペースに入っていく推進力が色濃く出ていた。

「早いタイミングでクロスを入れたいなと思っていたので、ひとつのアイディアとして、あの形を出せたのはよかった。前半の最初はオーバーラップとインナーラップを使い分けていたんですけど、相手の重心が重かったので、(堂安)律と喋って、自分が外に張って、律が中に関わりながら崩していこうという話をしました」と、毎熊はポイントを口にする。トルコ戦のデビューからまだ3戦目だが、着実に戦力になりつつある。そこは1つの収穫だろう。

■“職人”佐野海舟は攻守に存在感
佐野海舟
 後半頭から鎌田と交代した佐野海舟のインパクトも凄まじかった。登場から瞬く間に相手からボールを奪取。思い切りのいいミドルシュートを放ったのだから、見る者の度肝を抜いたのは間違いない。

「相手がすごく引いていたので、やっぱりシュートを打つことが大事だと思っていました。ゴールにはならなかったけど、いい判断だったかなと。あとは決めるだけかなと思います」と本人も堂々たる物言いを見せる。このあたりは岩政大樹監督が再三、代表に推していただけのことはある選手だ。

 守田英正が入ってからはインサイドハーフに上がった。鹿島ではあまりプレーしないポジションということで、本人も位置取りに戸惑った部分はあったかもしれない。それでも守田が「何でもできるなと思います。彼、あまり喋らないですけど、なんか職人ぽく黙ってるタイプかなと。今日はすごい良かった」と称賛するほどの初代表舞台だった。

 ボランチ候補には今回離脱した川辺駿伊藤敦樹がいて、このまま佐野が定着できる保障はない。が、この日のプレーを糧にして、攻守両面で強度や精度を高めていけば、チャンスはまた訪れるはず。鹿島で今季通してフル稼働した実績を森保監督も認めているだろう。そこは自信を持っていい。

■成長著しい“ストライカー”細谷真大の力強さ
細谷真大
 U-22日本代表から急遽、追加招集された細谷真大も67分から上田に代わって出場。2022年のEAFF E-1選手権・中国代表戦以来のA代表となったが、77分にはDFを背負いながら一気に抜け出す力強さをアピール。82分のヘディングシュートは惜しくも枠を外したが、今季のJリーグで見せている通りの成長ぶりを感じさせたと言っていい。

 彼の場合も負傷離脱中の古橋亨梧前田大然がいるため、すんなりA代表定着というわけにはいかないだろう。ただ、今季J1得点ランキング5位タイの13ゴールという数字は高く評価できる。柏はご存じの通り、J1残留争いの真っ只中だが、ここ一番でゴールを奪ってくれるのが細谷。その存在価値の大きさは井原正巳監督も痛感しているに違いない。

 彼ら国内組がそれぞれの持ち味を出しているのを見ると、W杯2次予選のホームゲームはJリーグ勢主体でもいいのではないかという気もしてくる。特に日本からサウジアラビアへの移動を強いられる今回は、国内組をより積極活用する策もあったはずだ。

 森保監督がそう踏み切れなかったのは、国内組に対しての信頼が欧州組より薄いからだと言わざるを得ない。となれば、毎熊や佐野、細谷はそういう評価を変えるような強烈なプレーを見せ続ける必要がある。

 この日、ピッチ上で新たな気付きを得た彼らが、ここからどう変貌を遂げるのか――。ミャンマー戦を単なる1つの経験で終わらせてはいけない。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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