ドイツ戦決勝弾の浅野拓磨、周囲への感謝を明かす「自分の力ではどうにもできない時…」

　日本代表のFW浅野拓磨（ボーフム／ドイツ）が26日、メディア対応を行った。

　23日に行われたFIFAワールドカップカタール2022・グループE第1節のドイツ代表戦で決勝ゴールを挙げた浅野は、これまでも“大舞台”で結果を残してきた。ロシア大会に向けたアジア最終予選では、ワールドカップ行きがかかったホーム開催のオーストラリア代表戦で先制ゴールを決め、2－0での勝利に貢献。今大会のアジア最終予選でも、1勝2敗と負け越した中で迎えたホームでのオーストラリア代表戦で相手オウンゴールに繋がるシュートを放った。

　浅野は「自分でも大舞台に強い、“持ってる男”だなっていうのは感じます。試合前から本当にやれる気しかなくて」と明かしつつも、「でもそれは普段からやり続けられていることと、逆に言ったらそれをずっと結果として表せられないのは自分の弱点だと思う」とも話す。クリスティアーノ・ロナウドやリオネル・メッシの名前を引き合いに出しながら、「365日同じようなプレーできるのが最高だと思います。でも、なかなか難しいというのが今の自分の実力です。集中力と自分が持っているものを全て出すことができれば、必ず結果を出せるという自信を常に持っていること、その自信をぶつけられる自分のメンタリティっていうのは、1つ自分のストロングポイントかなと思います」と続けた。

　27日に控えたコスタリカ代表との一戦は、日本代表のグループステージ突破の鍵を握る一戦だ。浅野はコスタリカ代表の印象について「間違いなくチームとして力があると思います。前線も、最終ラインも非常にクオリティは高い」とコメント。第1節ではスペイン代表相手に0－7と大敗を喫していたが、浅野は「あのイメージを持っていくとやられると思う」と気を引き締める。「前回の試合と同様に、本当に自分たちがやるべき準備をしっかりできたら、良い結果はついてくるかなと思います」と話した。

　次の試合に勝たなければならないのはコスタリカ代表も同じだ。グループ突破のために負けられない試合で、序盤から勢いをもって全体を押し上げてくる可能性も高い中、浅野はスペースを突いてゴールに繋げるイメージを「間違いなく持っています」と明かしている。

「前線の僕たちがカウンターで空いてるスペースを突いたりだとか、相手の逆を取るような動きっていうのをどんどんしていかないといけない。そこは日本にとってチャンス。ゴールという結果に結びつけられるように、そこを逃さないようにしっかり準備しておかないとなと思います」

　また、浅野がドイツ代表との一戦で決勝ゴールを決めた際、前田弘アスレティックトレーナーと抱擁するシーンが映し出された。およそ2カ月前に所属クラブのボーフムで右ひざ内側じん帯断裂と診断され、一時はワールドカップ行きが危ぶまれていた浅野にとって、日本代表のスタッフは感謝してもしきれない存在。「代表のスタッフさんを頼りにして、毎日治療に通っていたんですけど」と明かした浅野は以下のように続け、前田トレーナーとの抱擁を説明した。

「自分の力ではどうにもできない時、僕は“人の力”に頼るってことをこの4年間でやってきた。特にケガをしてからはもう頼れるだけ。だけど、それも頼れる場がないと頼れない。今こうしてこの場でやれているのは自分だけの力ではなくて。本当に、“ありがとう”という言葉だけでは返しきれないような、もっと良い言葉がないかなって思うくらい感謝しています」

「『僕がワールドカップで点を取ったら、ベンチで前田さんのところに行きます』っていうのは約束してたので。約束を果たせたことは1つ、良かったと思います。ああやってテレビにも映って、僕自身、トレーナーさんという仕事の人たちも評価される場というのを頑張って作りたかったなと思っていたので、それも良かったです」

　浅野が感謝の言葉を伝えたいのは前田トレーナーだけではない。長らく日本代表の“10番”を背負ってきた香川真司（シント・トロイデン／ベルギー）は、常に連絡をくれる存在だったという。大会前から頻繁に連絡を取っていたという浅野は、ドイツ代表戦のゴールを受け、香川から「お前すげえよ」という言葉をもらったことを明かした。

　日本代表にとってのグループステージ第2戦、コスタリカ代表との一戦は、27日の19：00（現地時間13：00）にキックオフを迎える。