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「優勝候補」サウジとの第2戦へ U-21日本代表、準備とポテンシャル問われる90分

UAE戦は藤尾(9番)のクロスから細谷のゴールで勝利。サウジ戦は山本(7番)や中島(21番)にも注目 [写真]=AFC

 パリ五輪世代のU-21日本代表が参加しているAFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022は、日本時間6日22時からグループステージ第2戦を迎える。相手は「今大会の優勝候補」と大岩剛監督も認める中東の雄、サウジアラビア。この試合に向けて、指揮官は一つの“勝負手”を打っていた。

 3日前に行われたUAEとの第1戦。日本のスターティングラインナップは、実のところ少し意外な構成だった。事前に大岩監督が「タフな数週間を過ごしてきた選手と、そうでない選手の間にコンディションに大きなバラ付きがある」と認めていたとおり、ウズベキスタンの地に集まった選手たちの状態には差があった。

 Jリーグで連戦をこなしてきた選手たちに疲労感があるのはもちろん、日曜日に試合があった選手は遅れて合流してくるなど状況にも違いがあり、欧州組の選手たちは逆に実戦から離れている時期が長かった。特に早めにシーズンの終わるベルギーでプレーしているMF斉藤光毅(ロンメル)と4月にドイツへ渡っていったDFチェイス・アンリ(シュトゥットガルト)は長く実戦から遠ざかっており、試合勘に不安があったのは否めなかった。

 ただ、第2戦ではその両名を含めた欧州組3選手が先発に並び、遅れて合流してきたMF藤田譲瑠チマ横浜F・マリノス)、DF加藤聖V・ファーレン長崎)も先発入り。コンディション重視の選考でないことは明らかで、これは言ってみれば“欲張り布陣”だった。指揮官はこう明かす。

「だいぶ試合から遠ざかっている選手がいました。(試合を)やらないことにはコンディションを上げられないので、それも計算して選ばないといけなかった」

ウズベキスタンで練習を重ねるU-21日本代表 [写真]=川端暁彦

 事前に合宿を張って練習試合でも組めていれば話も違ったのだろうが、Jリーグの試合翌日の空港出発前に軽く汗を流して飛行機に乗り込み、その3日後に大会開幕という強行日程である。その余裕はない。疲労を考慮すると、そこまで実戦的な練習も増やせないので、ぶっつけ本番で戦いながら上げていく。そういうヴィジョンを持っての先発選考だったというわけだ。

「かといって、初戦が重要でないわけではなく、私たちは最初の試合を重要視してきた」と指揮官が言うように、初戦で負ければそのまま敗退というシナリオが現実的でもあり、博打要素のある用兵だったことも分かる。ただ、逆に言えば、グループステージ突破ではなく「優勝」を本気で見据えていることも分かる采配だったとは言えるだろう。

 そうした布石の真価が問われるのが、サウジアラビアとの第2戦というわけだ。3月のドバイカップ決勝で対戦して勝っている相手だが、当時は不在だったA代表選手たちも加わって陣容はより強力になっており、簡単な相手ではない。ドバイカップの内容を踏まえて「もっとボールを握れるようにならないといけない」と語っていた指揮官が導入した4-3-3システムを含めて、チームの可能性を問われる試合にありそうだ。

 慣らし運転の終わった斉藤やチェイスにも期待したいが、第1戦の途中出場組の爆発にも期待したい。一人は、ボールを“握る”狙いで特長を出せるMF山本理仁東京ヴェルディ)。ドバイカップ決勝でサウジアラビアの中盤と激しいバトルを演じた経験もあり、「判断や目の調子も悪くない」と語るとおり、明らかに状態も良い。先発でも途中交代でも、“握る”プレーで持ち味を出してくれそうだ。

藤尾翔太

第2戦へ練習を積む藤尾 [写真]=川端暁彦

 攻撃陣も先発FW細谷真大柏レイソル)が確かな存在感を示す一方で、FW藤尾翔太徳島ヴォルティス)と中島大嘉北海道コンサドーレ札幌)の状態もかなり良い。「調子はいいと思う」と自ら語る藤尾はもちろん、UAE戦が初めての国際大会となった中島も「あのくらいの相手なら競り勝てますね」と自信を深めた様子。4日の練習ではこのFWコンビが居残りでクロスからのシュート練習に励んでいたが、「GKを観ながら打ち分けている」という藤尾が高精度のヘディングシュートでゴールを連発し、中島が圧倒的な運動能力の高さを活かしたヘッドを披露するなど期待感も高まるプレーぶりだった。藤尾は右ウイングとしても新境地を開拓しており、サウジアラビア戦でもキーマンになりそうだ。

 UAE戦から中2日で臨むサウジアラビア戦。A代表選手も合流してきた2歳年長の相手を向こうに回しての試合が簡単な展開になるはずもない。ドバイカップ決勝を終えてから指揮官の施してきた諸々の準備は確実に効果が出てきている。その成果と、日本のパリ五輪世代のポテンシャルが問われる90分となりそうだ。

取材・文=川端暁彦

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