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“本番想定”アルゼンチンとの2連戦、ポイントは「統一感」 久保・三笘・旗手ラインにも注目

前日のトレーニングを行う久保(中央)ら [写真]=JFA

 7月22日、25日、28日、31日、8月3日、8月6日(or 7日)……。

 この日付が何かと言えば、東京オリンピックの男子サッカー競技の日程である。最初の3つがグループステージ、そこから準々決勝、準決勝、銅メダル決定戦or決勝戦という流れだが、メダルを取ろうと思えば準決勝まではすべて中2日という強行軍での6連戦を勝ち抜く必要がある。

 しかも開催地は「東京」限定ではなく、札幌、宮城、カシマ、埼玉、東京、横浜と東日本の広域に点在しており、「中2日の6連戦、しかも移動あり、おまけに季節は真夏、そして登録は18名」というタフネスの極みのような大会になることが予想されている。

 森保一監督は以前「11人だけでは戦えない」と言っていたが、これはありがちな建前トークというわけではなく、実際に控え選手も総動員して戦うことを前提にしないと完走不可能な戦いとなるのが五輪のサッカー競技である。

 ……という前提に立って今回のアルゼンチン戦を考えてみると、26日と29日の「中2日」で、しかも東京から北九州への「移動あり」というシチュエーションになったのが本大会を見据えての演習であることがよくわかる。横内昭展監督は「本番を想定して」という言葉を何度も繰り返しているが、実際の練習でも仮想アルゼンチンを意識した対策メニューを行うなど、「本番ならこういう練習しそうだな」という形が目立つ。「金メダルを獲るための2試合」と言ったのはDF菅原由勢だが、中2日で強国相手にメンバーを入れ替えながらの連戦という今回の戦いは、まさに本番を見据えての強化機会であり、シミュレーションである。

 強化という意味では、6連戦を戦うための「最適の18人」を探さなくてはならない。今回はA代表に参加しているDF冨安健洋は“当確”と言っていいだろうし、ここからさらにオーバーエイジ選手3名も入ってくるので、単純に考えると残る枠は「14」ということになる。

 森保監督は特定のオーバーエイジ選手ありきで考えるというより、最後に足りないポジション(あるいはタスク)へオーバーエイジ選手を追加したいという発想なので、「どこが足りないのか」を見極める場の一つにもなるだろう。

 まず初戦で注目したいのは左サイドだ。トレーニングでは左サイドバックに旗手怜央、左サイドハーフに三笘薫という“川崎フロンターレコンビ”のユニットを並べる形をテストしていた。所属クラブで機能している組み合わせを代表に持ち込むのは王道の選択だけに、試しておきたいのはよくわかる。1対1の勝負に長けるこの二人が、アルゼンチン相手にどこまでやれるかは一つの見どころだろう。

 トップ下には久保建英を置いているので、彼と三笘の絡みも楽しみにしておきたい。川崎フロンターレのアカデミーに短い期間ながら同時に在籍しており、練習で一緒になった経験もあるというが、実戦で組むのは初めて。お互いのプレーのイメージはあるだろうが、やってみないと分からない部分もある。

 一方、堂安律が負傷欠場となった右サイドハーフには三好康児の先発が有力。今年は新型コロナウイルスに感染しての隔離生活を余儀なくされたことで出場機会を失うなど難しい流れになっているが、横内監督は実際に練習を観て「思っていたよりも良かった」という感触も得た様子。勘を取り戻すためにも、実戦の中で上げていってもらいたいところだ。

 また主将のMF中山雄太が強調したのはコミュニケーションの強度を高く保つこと。同じように国内組と海外組が合流してすぐの試合となった一昨年のコロンビア戦は攻守でチームが噛み合わずに惨敗してしまった。選考の場ということで個人のアピール合戦になりかねないシチュエーションだが、その中にあってもバラバラになることなくチームとしての統一感を保てるかは大きなポイントとなる。

 そして久保は、この一戦について「観客の皆さんに支えてもらっているということを思い出せる良い機会になればいい」と言う。新型コロナウイルスが蔓延する情勢下での開催であり、「批判があるのも当然」(横内監督)と受け止めた上で、「この試合ができることに本当に感謝」(中山)して臨むゲーム。東京五輪に向かう準備としてだけでなく、日本を代表するチームとしての熱い戦いが期待される。

文=川端暁彦

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