自身の起用問題について話した本田圭佑 ©JFA
オマーンとの国際親善試合の翌日のトレーニング後に応じたMF本田圭佑が、ミランで出場機会を得られていないことによる試合勘への不安を一蹴した。
前日の61分間のプレーに関して「感じは良くて、タッチ的なところも感覚が戻せたかなって思います。良いテストでしたね。たぶん上がっていくと思います」と振り返った本田は、さらにこう続けた。
「自分が試合に出てないことで『体力に不安があるんじゃないか』、『ボールタッチがどうなのか』、『試合感がどうなのか』、そうした言葉が脳に入ってくることが問題で、精神面での意識がプレーに反映してしまうと改めて思った。だから、昨日はそうしたことを意識せず、テストマッチだったからリラックスして入ったことで、いつもより感覚が戻ったと思っている」
それだけに、自己評価と周囲の評価との間にズレがあると本田は感じているようだ。試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「本田は試合のリズムが足りない」と語ったことに対して「ギャップを感じています」と明かした。
だが、これまで何度も挫折や逆境を覆してきた男だ。ネガティブに言及されることに対して「ありがたいこと」とも感じているという。
「見返したいという気持ちがなくなってしまえばサッカーを辞めるべきだし、本田はパフォーマンスを上げてきたとか、もう一度、本調子に戻してきたって言われないといけないと思っている」
最も辛いのは、誰からも何も言われなくなることで、批判を浴びたり、苦言を呈されたりするのは期待されている証拠。低評価は自らの力で覆し、称賛に変えればいい。
そんな本田がプライドを覗かせたのは、15日に控えた2018 FIFAワールドカップ ロシア アジア最終予選・サウジアラビア戦でのスタメン落ちの可能性について質問されたときのことだ。
「それは監督が決めること。ただ、外すっていう選択肢をするということはいろんな意味があると思うので、その意味を監督が説明できる必要があるし、自分自身が納得できるものであれば、受け入れる必要もあります」
こう語った本田が引き合いに出したのは、所属するミランの状況だ。
「ミランでは外される理由として納得できるものもある。2年半やってきて成果を残せなかった。カカ、(マリオ)バロテッリ、フェルナンド・トーレス、(ステファン)エル・シャーラウィ……いろんな名選手が困難な時代をなんとかしようとチーム一丸となってやったけど、誰もがそれを乗り越えることができなかった。俺もその1人。それで若返りを図るチーム編成になった段階で、俺が外されるのはすごく理解ができる。(リッカルド)モントリーヴォもそういう風潮にすでにあるし、時代が終わった流れがあるのはすごく感じる」
だが、日本代表では違う。岡田ジャパン、ザックジャパンを牽引してきたのはまぎれもなく本田で、ハリルジャパンにおいても、チーム最多となる9ゴールを奪ってきたという自負があり、外される理由が見つからない。
「例えば、ロシアのあとにそれが来るのか、いろんなことを考えて発言するなら、俺はそれを受け入れる必要があると思うけど、俺はこれまで代表で自分の力で道を切り開いてきたと思っているし、自分が代表に相応しい選手か、そうでないかっていうことは自分で判断できると思っている」
もちろん、選手起用は監督の権限だということは理解している。「それに対して、どうこう言うつもりもない」とも語った上で、「少なくともスタメンで出るつもりで自分は準備している」と、3日後に迫る決戦を見据えた。果たして、ハリルホジッチ監督はエースを埼玉スタジアムのピッチに送り出すのだろうか。サウジアラビア戦のスタメンに注目が集まる。
By サッカーキング編集部
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