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【五輪インタビュー】今だから言える北京秘話…反町監督が語る“大舞台に必要なメンタリティ”とは

2016.08.04

 3戦全敗でのグループステージ敗退――。

 2008年の北京オリンピックを語られる時に必ずつきまとうフレーズだ。だが、その一方で本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、長友佑都、吉田麻也、内田篤人ら当時のメンバーが長きにわたって日本代表チームを支えていることもまた真実である。では、果たして彼らは北京の地で何を感じ、何を学んだのだろうか。

 “先見の明”を持ってメンバーを選考した指揮官・反町康治による北京の記憶。本大会に臨むまでの準備やプロセスを追いながら、日本がオリンピックで結果を出すために必要なものを検証していく。

反町康治

インタビュー・文=青山知雄
写真=青山知雄、Getty Images

■自信があったから真正面から勝負した

――3戦全敗。北京オリンピックは反町さんにとってあまり思い出したくない記憶かもしれません。

反町康治(以下、反町) そんなことはないよ。ちゃんと自分がやってきたことだし、悔いもない。やってきたことを「後悔している」なんて絶対に言わないし。やってきたことは間違っていなかったっていう言い方になるかもしれないけどね。でも、オリンピックの話ならロンドン五輪を率いた関塚(隆/前ジェフユナイテッド千葉監督)さんに聞いたほうがいい。スペインとの初戦であれだけゲーム戦術をしっかりさせて一発勝負に勝ったんだから大したものだよ。実力差を認めていたんだろうな。俺は実力差がないと思っていたし、十分にいけるという自信があったから真正面から勝負した。それが選手のためだと思ったから。

――本大会はアメリカ、ナイジェリア、オランダと対戦して3戦全敗。結果は厳しいものでしたが、その一方で反町さんが「自信があった」とおっしゃるだけあって、内容は決して悲観的なものではなかったのかなと思います。

反町 3戦全敗して言うのも変だけど、それはそうだと思うよ。シュート数やポゼッションなどのスタッツを見てもそう。あれだけポゼッションを大事にするオランダに対しても、こっちのほうが上だったから。決して差があったとは思えない。ただ、大会後に提出したレポートで書いたのは、オリンピックで初めて世界大会を経験する選手が多かったことだ。長友(佑都)もそうだったみたいにね。

――「初めて」ということが響いた、と。

反町 ただ、佑都の場合はそんなに心配していなかったんだよ。フル代表にも選ばれていたし。でも、やっぱり違ったようだった。ポジション取りもおかしかったし。

――フワフワしていた?

反町 フワフワもいいところだよ。それが(チーム全体に)伝染したのかもしれないね。正直、「佑都、マジかよ!」と思ったからね。代えることを想定して、開始5分の時点でミチ(安田理大/名古屋グランパス)にウォーミングアップさせたから。

長友佑都

初戦のアメリカ戦に先発した長友(右)。反町監督には浮足立っているように映った [写真]=Getty Images

――日本サッカー協会は近年、本大会で「初めて」を経験しないような準備と取り組みを重視するようになっていると聞きます。そこに反町さんのリポートも反映されているのかもしれませんね。

反町 それはどうか分からないけど、分厚いレポートにはしっかり書いたよ。今は日本のU-20世代がアジアを勝ち抜けなくて世界大会を経験していないからな。まずはそこを何とかしなければとは思うよ。

――「世界との差は感じていない」と言っていた中で、結果につながらなかった理由はどう分析したのでしょうか。

反町 差は感じていないけど、勝負強さがなかったという部分はある。じゃあ、その勝負強さがどう生まれるかってところなんだけどね。ナイジェリアやオランダも結局は即席チームなんだよ。アメリカもそう。でも、彼らは個々のメンタリティが違ったよね。ナイジェリアみたいに、他のチームはそういうヤツがキレキレのプレーをしてくるからな。そういう気持ちが勝負強さにつながるんだろうな。

――相手国には大舞台で実力以上のものを発揮する強さがあったと。

反町 彼らは背負っているものが違うからね。生活とか家族とか。そこは大きいよ。でも、日本は彼らに勝っていかなければいけないわけだ。

当時のチームには錚々たるメンバーがそろっていた [写真]=Getty Images

当時のチームには錚々たるメンバーがそろっていた [写真]=Getty Images

――ちなみに日本の本大会メンバーはどんな考え方でセレクトしたんですか?

反町 まずオリンピックを迎えるにあたって、日本代表としていい成績を残すことは当然の目標だよね。あとはこれからの日本サッカー界を代表するような選手を輩出すること。そこに尽きるよ。当時は予選を勝ち上がったメンバーで行くのが普通なんじゃないかと言われたんだけど、俺は本大会まで半年しかない中で、いったんチームを壊して勝負しようと思ったわけ。もっと新しい選手、勢いのある選手で行こうと。最終予選の時にも長友や吉田麻也(サウサンプトン)なんかが頭角を現してきていたけど、出場権を争う最後の局面を何の経過も知らない連中で戦っていいのかと考えていたこともあってね。ありがたいことに予選を突破して、そこを一区切りにしようと思った。本大会になったらフラットに考えて本当に強い日本を作らなければいけないわけから。

――実際に18人を選ぶ際にはかなり悩んだと思います。

反町 そりゃそうだよ。すごくいろいろな葛藤があったよ。名前を挙げるとすれば、右のサイドを水野晃樹(ベガルタ仙台)にするのか、それとも本田圭佑(ミラン)にするのか。センターバックは青山直晃(ムアントン・ユナイテッド)なのか、吉田麻也なのか。それは最後まで悩んだけれども、将来性も含めて考えなければいけない部分もあったよね。ビルドアップ能力のように、これから世界のサッカー界で何が求められているのかという部分も考えた。だから辛い思いをさせてしまった選手もいっぱいいる。同じ釜の飯を食って、厳しいアジア予選を勝ち抜いて、最後に勝って胴上げされたけど、そうしてくれた選手を切らなければいけなかったわけだから、それは断腸の思いだったよ。

――そこは監督の辛さですね。とはいえ、北京で「初めて」を経験した選手が、その後の日本代表で中心的存在になっていきます。そこは反町さんの“先見の明”だったのかなと。

反町 大会の結果がどう影響したかは分からないけれど、23歳くらいで選んでいる選手なら当たり前だよ。よく聞かれる話ではあるけど、そこは彼らが俺に選ばせてくれただけの話だ。

■「大舞台で躍動してこい」と送り出した

――実際、監督として本大会に向けてどんな準備をしていったのでしょうか。

反町 北京の代表チームは集まる時間が結構あったから、まずはアメリカ、ナイジェリア、オランダの戦力を分析して、ラージグループの選手たちに対戦国の予選映像を見せたね。当時はロイストン・ドレンテがレアル・マドリーでプレーしていたし、ロイ・マカーイとかピーター・オデムウィンギーがUEFAチャンピオンズリーグで点を取っている映像とかも見せて、「こいつらと試合をするんだ。覚悟しておけ」と。

――その映像を見せたのはいつ頃ですか?

反町 決まってすぐ。18名を選ぶ前だよ。本大会のメンバーを選んでから最初に見せたのは、4年前のアテネ大会での日本選手団が活躍をピックアップして音楽を乗せた映像。オリンピックはサッカーだけじゃない。日本選手団としてまとまってやることが重要だという部分も含めてね。それはもう、モチベーションを上げるためだけに。

ロイ・マカーイ

オランダはマカーイ(右)らトッププレーヤーを擁していた [写真]=VCG via Getty Images

――日本全体の思いを、普段以上のものを背負っていくんだと。

反町 そう。日の丸を背負って戦うということ。あんまりそういう映像を作るのは好きじゃないんだけど、その時はさすがにやったよ。でも、みんな4年前のことなんて結構覚えていないんだよね。長友なんて大会が始まってから分かったわけだからさ。「オリンピックってこんなに大きな大会なんですね」って。この8年間で情報が溢れるようになって、ロンドン五輪では日本の活躍を目の当たりにしたけど、当時はまだそうじゃなかった。だからみんなで同じ思いを抱かせるためにすごくやったよ。

――しかし、それでもフタを開けてみたら難しい結果が待っていました。ピッチ内ではどんな狙いを持って臨んだんですか?

反町 それまで3バックでやってきたんだけど、選んだ選手が持っている力を全部発揮できるようなやり方をしようと考えた。だから本大会は4-4-2、まあ4-2-3-1とも言うけど、ダブルボランチで両サイドに香川真司(ドルトムント)と本田圭佑を置いて、サイドからのしかけと分厚い攻撃を狙って、真ん中に豊田陽平(サガン鳥栖)や森本貴幸(川崎フロンターレ)と軸になる大きいヤツを据える構成でやろうとね。

――システムを大きく変えた理由は?

反町 本大会で勝つことを考えたら5バックにして後ろを重くしてもダメだし、メンバー的には4枚でも守れるなと思ったんだよ。麻也は全く問題ないし、森重(真人/FC東京)もずっと4枚でやってきてボランチもできる。ミチも内田(篤人/シャルケ)もチームで4枚をやっていたからね。そうしたら前に重点を置いたメンバー構成ができる。点を取らなければ勝てないわけだからね。

――なるほど。

反町 目指しているサッカーは間違っていなかったと思う。でも、現地の環境が我々に味方してくれなかった部分はあったな。グラウンドの悪さを理由に前日の公式練習もいきなり「やめてくれ」って言われたりね。天津では我々のグループだけじゃなくて女子もやっていて、それだけでもすごくピッチが悪くなっているのに雨が降っちゃって。足下がツルツル滑ってしまって、自分たちがやろうとしたことは本当に出せなかった。もちろん負けた理由にはしないから、これは初めて話すんだけど、真司が中へククッと入って行くと、ベチョっと滑ってしまう。芝生が根付いていないから。中盤で勝負している我々としてはすごく不利だったね。

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――ちなみに大会前はどこまでシミュレーションするんですか? 悪天候やピッチコンディションも想定している?

反町 それは準備しようがないよ。言い訳にはできないし、やっぱり全体的に力が足りなかったんだと思う。本番でしっかり力を発揮するためには、それだけのメンタリティと覚悟、それに経験値が必要になる。たくさんのお客さんがいて、世界中が注目する中で堂々とプレーできるかだ。ナイジェリアのウォーミングアップなんて、歩いてやっているみたいなものなんだけど、試合が始まってスイッチが入ったらガツガツ来て、抜け目がない。そういうところが違ったな。うちはウォーミングアップでしっかり準備して、ピリっとやって、本番になるとガツッといけない。焦っちゃったり、堂々としていなかったり。それを選手たちが北京の舞台で学んで、堂々した立ち居振る舞いをできるようになったのかもしれないね。

――3試合と通じてのシミュレーションはどう考えたんですか?

反町 それは1試合ごとだよな。特に開幕戦は大事だよ。相手の分析にしても、情報がそんなに入っているわけじゃないしね。もちろんナイジェリアやオランダの情報も入れているけど、まずは最初のアメリカ戦に集中した。残りの2カ国は現地で試合を見られるからね。最終的な戦い方はそこで決めたよ。

――やはり初戦が重要だと。

反町 そう。どれくらい重要かは言いようがない。ただ、選手たちにはワールドカップで初戦を勝ったチームが勝ち上がる可能性だけじゃなくて、負けた場合でもこれだけのパーセンテージがあるという数字は準備したよ。初戦の重要性ばかりを説いて、もし結果が出なかった時にリバウンドが強いと、そこから何もできなくなっちゃうでしょ。重要だと言えば言うほど過緊張になって、チーム全体がいい状態にならないかもしれない。佑都がそうだったけどね。チームマネジメントを考えたら、あんまり重要性を話しすぎても良くないわけだ。だから最後は「これだけ大きな舞台なんだ。躍動してこい。エンジョイしてこい」と送り出したよ。そこで「重要だ。絶対にミスをするな」と送り出すわけにはいかないじゃん。それでも佑都がああいう状態になってしまうわけだからさ。

――反町さん自身も初めてのオリンピックでしたが、緊張はなかったですか?

反町 それは全くなかったね。当時はアルビレックス新潟でしか監督をやっていなかったけど、そこで5年間やってきた経験をフルで生かして、やれることはやったつもりだから。ルーティンもしっかり作ったしね。試合食の摂り方、スタジアム入りから試合前の流れもそう。アジア予選も含めてどの試合でもずっと同じようにやってきたから。もちろんハプニングもあった。オリンピックは本当に大変なんだよ。ウォーミングアップを一つとっても、オリンピックはキックオフの20分前に終わらなければいけないし、それからパスポートや選手証の確認とかいろいろなインスペクションがある。それでようやくピッチへ入っていったら国歌斉唱でしょ。本当に時間が掛かるんだよ。そうしたら体はカチカチだ。しかもスタジアムは独特の雰囲気だから。選手たちにも「ウォーミングアップにならないよ」って話していたんだけどね。

Olympics Day -1 - Football

――そこは用意周到な反町さんだけにいろいろと細かな準備をしていたと思います。

反町 そりゃそうだよ。考えうることはやっておかないとダメじゃん。それでも、想定外のことは起こる。選手村という名のホテルでは4カ国が全部一緒に泊まっていて異様な雰囲気だし、日本が食事会場にしている隣の部屋でナイジェリアが食べていたりする。もちろん調理場は貸してもらえないし、食事面でも悩まされたよね。そういうのが大変なんだよ。始まったら「そんなの聞いてねえよ」ってことがたくさんあるから。レフェリーのことも上川(徹/前日本サッカー協会審判委員長)に中国から電話して、どんなクセがあるかを全部聞いたしね。レフェリーのクセについては俺もアジア大会から3年間すべてメモしてきた。いろいろやったよ。それでもダメなもんはダメだってことだ。でも、用意周到にやっておかなければ収まりがつかないからね。

――素朴な質問なんですけど、どうすればそういう大舞台で実力を出せるようになるのでしょう。

反町 それは経験していくしかないよ。U-20ワールドカップとかでギリギリの戦いを乗り越えるのもそう。クラブレベルでもいい。ACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出ることが必要だよな。それしか言いようがない。

――ただ、もちろん中にはそうじゃない選手もいます

反町 そこはそういうメンタリティを持っていると判断して呼ぶわけだよ。でも、そこは国民性だからな。日本は厳しいぞ。出る杭が打たれちゃう社会だから。

――文化的な側面もありますからね。でも、世界で結果を出すのに必要なものを考えた時にはメンタル面だけじゃなく、当たり前ですがフィジカルの強さや球際の厳しさが求められます。

反町 まあ、当たり前のことだよな。日本代表監督に(ヴァイッド)ハリルホジッチが来て、いろいろなことを言ってるけど。

――ただ、その当たり前ができなくなっているのも、日本サッカーの現状なのかなと思います。

反町 それはそれぞれだと思うけど、代表で選ばれた選手は違うからね。日の丸を背負っているわけだから。そんないい加減なプレーはできないし、そんなヤツは選ばれないはずだ。

――反町さんはその後、湘南ベルマーレと松本山雅FCを率いるわけですが、北京での経験は自身の采配にどう生きているのでしょうか。

反町 まず、その時点での世界のトップ・オブ・トップは見たよね。あと、オリンピックではポゼッションでリードしても勝てなかったという反省点があったから、そこを自分が率いるチームでどう生かすかは考えたよ。ゴールに向かう姿勢だったり、最後に点を取るところの重要性とかね。オデムウィンギーみたいに優れたストライカーがいればいいけど、そうじゃなければチャンスを増やして確率を上げるしかない。例えばペナルティエリアに5人いるのと、3人では違うじゃん。クロスを上げるにしても同じ。じゃあ、そのためにどうするか。それはもう必死で走ってペナルティエリアの人数を増やすしかない。そういうところに至ったよね。チーム作りでは「失点の少ないチームを」と言っているけれど、点を取らなければ勝てない。だから湘南の一年目は攻撃の練習ばかりしていたよ。とにかく「前へ行け」、「飛び出せ」って。そうしたらチャンスが作れるようになった。それでカウンターを食らうから、今度は必死に走って戻るしかない。そんな練習ばかりをやっていたよね。今はもう安定型だな。ボールを動かしてチャンスだと思ったら飛び出していく。チャンスだと思ったら前で起点を作る。ボールを持ったときにチャンスだと思ったら前に入れる。ポゼッション&プログレッションというやつだ。

反町康治

現在は松本を率いる反町監督

――得点力不足、決定力不足も北京で結果を出せなかった原因だったと思います。アメリカ戦の前半には森重にビッグチャンスがありましたが、残念ながら決めきれませんでした。その解消方法はあるんでしょうか。

反町 そこは冷静さ、メンタリティが必要だよね。人間だから。でも、例えばズラタン(イブラヒモヴィッチ)はどこのリーグへ行っても得点王争いをするわけだよ。クリスティアーノ・ロナウドもそう。それは個で持っている決定力やパンチ力があるから。日本だって同じだよ。大久保(嘉人)は残留争い中のヴィッセル神戸でも得点ランキング上位に入る活躍ができる。そういう資質を持っている選手をしっかり見いだせるかだよ。

――だから北京オリンピックのオーバーエイジで大久保を呼ぼうとしたわけですか。

反町 そうだよ。最終的にはチーム事情で招集できなかったけどな。

――北京では最終的に日本がグループステージで同組だったナイジェリアと、壮行試合で対戦したアルゼンチンが決勝まで勝ち上がりました。監督としてはどう見ていましたか?

反町 優勝したアルゼンチンは盤石だったけど、その組み合わせは結局、2005年のワールドユース(現U-20ワールドカップ)決勝と同じカードだからね。そこをしっかり考えなければいけない。さっき日本のU-20世代がアジアで勝てていないという話をしたけど、その年代の選手はそのまま継続してトップ・オブ・トップなんだよ。だから日本がオリンピックで優勝しようと思ったら、U-20の世界大会で決勝、もしくはそれに準ずるところまで勝ち上がることが必要だと思う。でも、今はどう? そういうところだよね。

リオ五輪に臨む日本代表 [写真]=Getty Images

リオ五輪に臨む日本代表 [写真]=Getty Images

■今回のチームには五輪特有の“即席感”がない

――さて、リオデジャネイロ・オリンピックが開幕しようとしています。今回の代表チームについて、どんな印象をお持ちですか?

反町 オーバーエイジの3人が融合してどんな化学変化が起こるかを見ていないから何とも言えないけど、やっぱり時間が少ないよな。でも、オリンピックはどこも同じだ。即席だよ。

――久保裕也の招集断念もありました。鈴木武蔵(新潟)がメンバーに加わり、ここから急ピッチでのチーム作りが求められますね。

反町 早く打つべき手を打たなければいけないなとは思っていたよ。ただ、確かに即席ではあるけど、今回のチームは予選からほとんどずっと同じメンバーでやってきているから、我々とは少し状況が違うよね。オーバーエイジの3人が入ったけど、大きくサッカーが変わるほど影響力のある選手じゃない。そこだけは即席感があるかもしれないけど、彼らはあくまで幹じゃなくて枝だからね。そういう意味ではいい選択をしたし、他の国よりも即席感はないと思うよ。

――手倉森監督にメッセージはありますか?

反町 テグとは松本で(南アフリカとの)親善試合が終わった後に飲みに行く予定だったんだけど、メンバーの最終選考直前で忙しくてタイミングが合わなかったんだよ。やっぱり頑張ってほしいよね。ここに来て久保が出られなくなったけど、誰かが風邪を引いたとか、不測の事態はいろいろ出てくる。だから最後の最後までマネジメントをしっかりやること。それだけだね。

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