2016.07.30

久保裕也の五輪参加に一筋の光…現地交渉の霜田ND「可能性が少しだけ復活した」

久保裕也
リオ五輪出場が危ぶまれているFW久保裕也 [写真]=Getty Images
サッカー総合情報サイト

 手倉森ジャパンのエース久保裕也(ヤング・ボーイズ/スイス)のリオデジャネイロ・オリンピック日本代表招集問題に関して、日本サッカー協会(JFA)の霜田正浩ナショナルチームダイレクター(ND)が29日の練習開始前にメディア対応を実施。現地交渉の結果を説明し、クラブ側が一方的にリリースした招集拒否を差し戻す段階までこぎつけたことを明らかにした。

 ヤング・ボーイズは26日のチャンピオンズリーグ(CL)予選3回戦でFWアレクサンデル・ゲルントが右ひざに重傷を負ったことを受け、公式サイトで久保の招集拒否を発表。これがJFA側に全く相談がないままのリリースだったため、霜田NDが急きょブラジルからスイスへ飛び、現地でヤング・ボーイズ側と久保の招集に関して交渉を行っていた。

 JFA側の素早い対応が実ったのか、霜田NDによると今回の打ち合わせでクラブ側の意思を「条件次第では招集に協力するというところまで差し戻しをしてもらうことができた」という。JFA側もスイスリーグがすでに開幕している状況に理解を示しながら、30日に行われるスイスリーグの試合結果やチーム事情、ケガ人の多さなどを考慮して「31日にもう一度話をすることになった」と説明した。

 ただし、現状では可能性がわずかに復活しただけに過ぎない。ヨーロッパでは五輪参加に協力的でないスタンスが主流となっており、しかもスイスではすでにリーグ戦が開幕。さらにヤング・ボーイズは主力選手7名が負傷離脱中で久保の存在価値が高まっており、クラブ側が五輪派遣が難しいという判断を下した形だった。8月3日にシャフタール(ウクライナ)とのCL予選3回戦の第2戦が行われるが、本戦出場の可否は収益面で大きな違いを生むだけに、クラブ側も簡単に譲ることはできない。だが、もちろんJFAとしては「だからと言って、分かりましたというわけにはいかない」(霜田ND)。

 久保のリオ行きに向けて、ここから越えなければならないハードルは多い。今回、霜田NDが五輪代表における久保の重要性を直談判で説明し、協力を依頼したことで検討に入ってもらえることにはなったが、今後の見通しは全く立っていない。派遣してもらえることになった場合でも、参加時期を含めて、すべては「これからもう一度話し合いをしましょう」(霜田ND)という状況だ。

 本大会開幕まで時間が限られていることから、今後は電話やメールでやり取りをすることになるという。互いの状況を理解し合った上で、31日のミーティングで「結論を出したい」とした霜田ND。「僕らとしては一日も早く来てもらいたい。(招集の)可能性があるということだけは昨日のミーティングで約束してくれた。初戦の24時間前までならケガでなくてもメンバーを入れ替えられるので、(もし結論を先送りにされた場合でも)そこをリミットにして総合的な判断をしなければいけない。(久保が)マナウスに来て、いいコンディションでやれるのかという部分もある。どこから参加するのか、チームとして何が大事なのかなど、いろいろな可能性がある中でこちらでも話をして、向こうとも打ち合わせをしたい。先方の条件を飲むか飲まないかもある。その上で方向性や決断をできれば」と複雑な心境を吐露した。

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