インタビュー中、笑顔を見せる香川 [写真]=千葉格
ブンデスリーガ第12節終了時点まで全試合に出場して3得点、チームトップタイの5アシストと、今シーズン好調のドルトムントの爆発的な攻撃陣の一翼を担う香川真司。
マンチェスター・Uでの悔しさを胸に、栄光を手にした古巣へと帰還した昨シーズンは期待された成績を残せず、チームは7位に沈んだ。恩師であるユルゲン・クロップがチームを去り、新監督にトーマス・トゥヘルを迎えた今シーズンはチーム全体として、過去の輝きを取り戻すようなプレーを見せている。
ロシア・ワールドカップのアジア予選を戦う日本代表のエースとしても活躍が期待される香川真司に、『サッカーキング』では独占取材を敢行。その充実ぶりやブンデスリーガの戦い、さらにはプライベートまで幅広く語ってくれた。
短期集中の全5回でお送りする連載第4回のテーマは『同僚やチーム』について。特に仲良しとして知られているドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンとの関係や、チームの雰囲気、夏に実施したジャパンツアーのときの思い出を振り返ってくれている。
―――好調なチームの雰囲気や同僚についてお聞かせください。ドルトムントは選手同士の仲が良い印象があります。香川選手も、特にギュンドアンとはSNSで写真も定期的にあがっていて、親しい関係がうかがえます。彼とのエピソードはありますか? 『サッカーキング』のニコ生に出演してもらったときの数字が歴代1位になるなど、日本でもすごく人気があるんです。
香川 本当ですか! それはうれしいですね。
―――彼はどんなキャラクターですか?
香川 誰に対しても優しいです。あとは、自分をすごく持っていますね。それはサッカーに対してもそうですし、プライベートがマイペースなところからもうかがえます。人に操られないキャラクターですけど、冗談も言いますよ。
―――どちらがイジる側ですか?
香川 お互いですね。話している時もプライドが高いです(笑)。
―――節々に感じますか?
香川 サッカーにおいては、自分に対して相当な自信を持っています。だからこそどんな状況でも自分のプレーがブレないと感じますね。
―――低い位置でリスキーなプレーをしないですし、すごく落ち着きがあります。
香川 そうですね。積極性など、肝が据わっています。
―――(元バルセロナの)シャビと似ていますね。
香川 バルセロナでもやれる雰囲気はありますし、実際、評価もとても高いと思います。
―――香川選手が言うくらいですから、評価は間違いないですね。
香川 彼からは得るものが多いです。最近はイルカイのプレーを勉強というか、意識しています。同じ3ボランチ(3枚の中盤)なので。ゴール前での精度やキックも素晴らしいですね。
―――香川選手から見ても精度は高いですか?
香川 インサイドのキックやトラップは特にうまいです。
―――チーム内で流行っている言葉や遊びはありますか?
香川 パパ(ソクラティス・パパスタソプーロス)をいじることですかね。パパは誰とでも会話ができるので。コミュニケーション能力が高い分、いじってもきますけど、いじられる割合が多いです。練習中にボールをぶつけられたり、その逆もあったり。みんなから愛されています。
―――ムードメーカーなんですね。
香川 ずっとしゃべっているので、「しゃべりすぎなんだよ」って(笑)。その時に隣にいる人とくだらない話で、話し続けていますね
―――ドルトムントは、マルコ・ロイス、ピエール・エメリク・オーバメヤン、スヴェン・ベンダーといった香川選手と同じ1989年生まれが数多く在籍しています。同い年ならではのエピソードはありますか?
香川 同い年だからというエピソードはあまりないですが、年が近いことによるフィーリングの良さは感じます。マンチェスター時代にはあまり感じなかった感覚ですね。
―――丸岡満選手(1996年1月生まれ)はアドナン・ヤヌザイ(1995年2月生まれ)と年齢が近いので「刺激になる」と言っていました。
香川 彼(丸岡選手)はもっと刺激を得て、その刺激を行動に移さないとダメです。刺激があり過ぎる環境にいるわけですから、それをモノにできる行動をちゃんとしないとダメですね。
―――「香川真司を超える」と言っていました。
香川 現状を見ているとキツイかな(笑)。
―――先輩からの叱咤激励ですね。今夏にはジャパンツアーがありました。その時に日本についてチームメートが口にした印象に残っている言葉はありますか?
香川 「本当にお前はベッカムだな」って(笑)。
―――ロイスの人気もすごかったです。
香川 ドルトムントが日本のファンからあれほど知られていることは僕も驚きでした。うれしいサプライズでしたね。
―――日本の特長については、みんな何か言ってました?
香川 2泊しか滞在できませんでしたけど、みんな、寿司は大好きですね。海外での寿司はロール巻きみたいなイメージだと思いますけど、そういう“勘違いの寿司”がみんな好きです。むしろ、“本物の寿司”はあまり好きじゃないと思います(苦笑)。
By サッカーキング編集部
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